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ENSONIQ Synthesizers
下記文章は約20年ほど前(2019年現在)にNetに書いた物に修正追加を加えた物です。 Ensoniqは1982年に設立されたUSAのメーカーで、USAのkeyboardメーカーとしては近年最も成功したメーカといわれています。1997年 Ensoniqは Emuと同様に Creative Tech.の傘下となり KBDは製造しなくなって末期にはparisという DAW systemなどを製造していました。 現在は存在していません。 Ensoniqは 6581 SID(Sound Interface Device)という音源 chipを開発したメンバーが中心となって創設されたメーカーで他のsynrthメーカーとは起源が違う音源ICの開発がスタート点となっていることもあってそのSIDをベースにした新たな音源 chip DOC5503の開発によりいち早く Low cost sampler Mirageの開発/販売を可能にしたのでしょう。 この時期、他メーカーも同様にcustomのSampler用の音源ICを開発するわけですがENSONIQはそれより一歩早く(1..2年程度) custo chipを開発していたということになります。
3 OSC(Wave4種) / 3 DCA / 3 ADSR / 1 Multimode Filter / Volume という構成でしょうか。RING/SYNCもあるようです。
Ensoniqは 1985年に最初の製品 Mirageを発表しています。Mirageは 8Bitの samplerで Oscillator Chipに通称"Q Chip"と呼ばれる自社製の LSI(*1)、 DOC 5503 を使用し、oscillator以降の信号処理に CEMのVCFchipを使用した 8Voiceのsamplerで約 $1700(*0)という低価格で販売されました。 その後 1986年に work station typeの元祖とも呼べる Ensoniq初の synth ESQ-1を発表、ESQ-1の hardは 上述の Mirageに非常に近いもので、共通の hardをアレンジしsynthに仕上げたようなものでした。 また Mirageの sampling技術を応用し、 samplingPIANOを発売したのもこの時期です。
*0: Keyboard誌 1985年6月号の広告。
*2: Hammond SUZUKI製 *3:CEM3328をVCFとしてだけでなくDACの後のLPFとしても利用しているようです。
ENSONIQ Japanと言えば当時ENSONIQのKBDはメジャーではなかったのでENSONIQの名前を知らしめる意味もあってか Q Magzineと言う冊子を発行していました。 何号かまでは続いたように記憶しています。 当時国内ではENSONIQを使うミュージシャンも少なく使っている数少ないキーボーディストとしてプリプリの今野 登茂子さんが特集されていたりしたのを思い出しました。 ちなみに Q MagzineのQとはMirageで採用されたDOC5503の通称Q chipからきているようです。 ENSONIQのsynthが注目されるのはVFXの登場以降だと思います。 SamplerのMirageはLowcostということでそれなりに注目されましたが、国内ではESQ-1/SQ-80は上記の記事ぐらいだったような。VFXの登場は USAのKeyboard誌で大御所のJim Aikin & Mark Vail両氏が大々的に取り上ていたのを見て購入を決意したような記憶がありますがむしろその前にsamplerのEPSを買っていたので国内メーカーにはないユニークさが気に入ってすでにENSONIQファンになっていたのでVFXもまよわず購入。Keyboard MagazineでもしばらくしたらこちらもFM音源で大御所の福田裕彦氏がVFXを紹介している記事が掲載され好評価でした。これが国内では始めのレポートのようだったような。 メーカーの冊子ではないですがENSONIQと言うとTransoniq hackerというユーザーグループの冊子が有名でENSONIQの製品を購入するとマニュアルなどと一緒に付いてきました。 当方も定期購入した時期がありましたが現在では netでアーカイブを公開されている方がいますので読むことが可能です。 このこともあって当時はユーザフレンドリーというか期待の新興メーカー感が強くありました。(70年代のE-MUとかApple的なイメージ) 1985年前後の時代、YAMAHA DX7を皮切りとするDIGITAL KBD等のDIGITAL機材が一斉を風靡しており analog synth関連商品はたたき売りとはいかないまでも定価の半額程度で売られていることが多々ありました。SCIのpro8などもそのくちでした。 そんなこともあって ESQ1とかKORGのDW6000/8000等はAnalog + Digitalのhybrid synthですが Digital部分のみが強調され宣伝されていた時代です。 ESQ-1は量産器としては初の本格的なsequencerをそなえたいわゆるworkstation typeのsynthであったわけですがその翌々年に登場したKORG のM1が Digital FX、sequencer、 Drum音源、PCM ROM samplerとして完成された機種であったため work station synthの元祖として認識されてしまいました。 実際KORG のM1もかなり ESQ-1を参考にしただろうという要素は持っています。 sequencer搭載のanalog synthとしてはESQ-1の前年の1985年にSCIのMULTI TRAKが登場してはいますが表示装置が7セグメントのLEDだけだったこともありやはりESQ-1が初の work station という認識が強いです。 1987年..1988年に入ると 国産の digital synth ROLAND D50、 KORG M1が出てきます。 Ensoniqではこれらに対抗すべくESQ-1の機能 up version SQ-80を発表します。 これはESQ1の1周期波形にプラスしてshort sample波形、Drum Sample、さらに擬似reverb/delay効果を作るための 2nd release parameter等を追加してD50的なSOUNDも出せるようにversion upしたというものです。 さらにFDD、EPSですでに採用されたpolyphonic key pressure KBDなどを装備していましたので価格は ESQ-1に比べてかなり高くなってしまいその部分では(も) D50、M1等に負けていました。 国産Digital KBD (Work Station)に対抗すべくENSONIQが放った過激な広告。当時印象に残った広告なので今でも覚えています。よく見るとD20やM1が見えます。まだVFXが出ていないころのSQ80の宣伝広告だったと思います。WorkStation Synthの元祖はENSONIQということでしょうか。EPSが出たのもそのころだったのでEPSの優位性を歌ったものだったかも。ROLANDに対してはD50ではなくsequencer/FD付きのD20をライバル比しているところがみそでしょう。
EPSにはsequencerも付いていましたがDigital FXは搭載されていませんでした。 Digital FX搭載のVFXが登場するのは翌年の1989年ですがVFXにはsequencerが搭載されていず、半年後にsequencerとDrum Sampleが搭載されたVFX-SDが発売されるというあわてぶり見てとれます。VFX-SDとはなんとも奇妙なネーミングですがSDのSDはSequencer & EnsoniqのKBDはSequencerがついているのが常でMirage/ESQ-1/SQ-80/EPSと続いたのですがなぜかVFXには搭載されていないのが不思議でしたが半年後にVFX-SDが出るとは思ってもみないできごとでした。発売されてすぐ買ってしまうのはよくないことだと思ったしだい。 さらに出てすぐに買ったらパネルの印刷されているシート部分がずれていて交換するというありえない事態に遭遇することになってしまったことを思い出しました。 1988年ごろのElectronicMusician誌の特集記事。上記の3機種がWorkstation特集で紹介されています。
同年新 samplerとして 13Bitの EPSを発表します。 EPSには新開発の Chip さらに同時期には EPSは EPS16、 EPS16+という VFXと同等のhard wareとなり PCMは16Bitに対応ESP chipによる Digital FXを搭載するにいたります。 特徴的なこととして FX用の farm ware(micro code)を FDから供給できたためいくつかのサードパーティから独自のFX programが供給されていました。 さらにこのESP chipはsynthに搭載されただけでなく単独でDP4、DP2等のDigital Effectorを生み出します。 これの内蔵FXアルゴリズム開発においては有名なりリバーブ開発メーカのエンジニアが ENSONIQに移って開発されたようです。
ENSONIQ custom Chip
5503 DOC Mirage/Ensonq PIANO/ESQ1/ESQM/SQ80
Mirageからの Keyboard/module/Effectorを以下に示します。
・Mirage
・DP-4
以下に自分が過去に所有していた機種に関しての特徴を書いてみます。
ESQ-1/ESQ-M(1986/1987) Data sliderは1っしかありませんが、目的のparameterを指定するのにcursorの連続移動等がないためわずらわしさがありません。 他のsynthでも soft Key等によつてcursor移動、 page移動を最小限に抑える工夫のあるsynrthはいくらもありますがESQ-1ほどストレスの少ないsynthは中々無いです。
MAC(?)で作成されたと思われるvioce構造図。 当時はこの特徴ある図面が海外のsynth(EMU/Ensoniq/Kurzweil等)やOPCODEとかのmanualには多かったように思います。 とても雰囲気があってESQ-1ともマッチするように感じます。
1voiceで3DCO+3DCAという構成もあってか MINI MOOG的な lead soundも MINIと同じ音ではないですがクオリティは高く十分使える音色になっていると感じます。 Digital Synthの時代になると1voiceの構成では1Oscillatorというのが標準になってしまい、1Voice 2、3 Oscillator仕様というのはほぼ無くなってしまい必要なら layerを重ねることで対処することになるのですが1Voice複数 Oscillator仕様の方がEditしやすいです。 その意味では KurzweiのK2000から始まったVASTの構造、1Voiceで最大4Oscillatorまで可能と言う仕様は貴重といえるでしょう。
Voice Parameter
DCO,DCA,VCFはそれぞれ2っのmatrix modulationを持ち、EG、LFOに対しては固定の modulationがかけられます。 特徴的なのは音量制御系が 3DCAとVCAの2段階になっていることで基本、最終音量はVCA+ EG4で行うのですがDCA1..3は固定音量でもEGによるエンベロープをつけることも両者を組み合わせることも可能です。 これによって見方としては1voiceで3layerのsoundをMIXするようなことができます。 さらにESQ-1はmulti timberであり本体のみでも Dual/splitが可能なのでそこそこ複雑な音も生成できるわけです。 各 mode parameterによりきめ細かい設定が可能。 LFOについてもHuman factorというparameterが付いておりLFOを低速にして human factor ONでDCOに対してわずかにmodulationをかけることでVCO的なゆらぎを与えるとか、LFOが3系統あるので 正統派なstrings ensemble的な効果もねらえるすぐれた機能と言えるでしょう。また波形のKey ON resetも可能 さらにLFOは L1、L2、Delayという出力レベルに対するパラメータを持っておりたとえば L1=0、 L2=ある値としてdelay時間を設定すれば delay vibratoにまたL1=ある値、 L2=0としてdelay を設定するとfade out typeのエンベロープとなります。LFO波形をDown SAWとしてこれを DCAにかけると ECHOのシミュレーションができそのようなpatchがあります。これなどもDCO+DCAが複数あることのなせる業ではあります。 多すぎず、かつ少なすぎないかゆいいところに手が届く感じのparameter数が絶妙ともいえる仕様ではないでしょうか。ENSONIQ初のanalog Hybrid Synthながら完成度が他の従来のsythメーカーより高いと感じます。ANALOG部の調整POTが無いです。DigitalOSC.なのでOSC.に調整POTは無いにしてもVCFのTuningはVCFを発振させてSoft処理で対処しているようです。 ちなみにESQ-1のVCFはresonanceの強さを抑え気味に設定されているのでResonance Maxでも発振はせずMAX CV電圧の1/2程度しかVCFに印加されない仕様になっいます。 ただしVCFそのものは上記のように発振できないわけではなく発振できるのはVCFのAUTO Tuninngの時のみできる仕様になっていますがこの時はOUT PUTの出力は当然OFFになっています。
* Matrix Modulation Destination
1986年当時のPCM 1周期波形搭載 + VCF/VCA構成のsynthは KORG DW / KAWAI K3 / CASIO HT / SCI Prophet VS等がありPCM以降の構成はどれもほぼ同じなのですがESQの波形が個性的なのか他社に比べてアクが強いというか出音は独特のキャラクターです。以下に30年近く前にとったESQ1のPCM波形を参考までに示します。
基本波形は普通ですが少しHPFが入ったような感じ。1周期波形ながらNOISE波形のバリエーションが豊富とFormant waveがあり、さらには1周期ではありますが生音のSampleもいくつかあり、 当然1周期なのであるタイミングの波形だけですがKickは短時間なのでまるごとになっていますがピッチが元々は低いのでMemoryの無駄をなくすため時間を圧縮してピッチの高いものが入っていて使用する時は通常波形よりピッチを何Octaveも下げて使います。ちなみにESQ-1の波形Memoryは64Kbyteのようで programのROMと同程度。ORGAN音色でのOSC.使用数を減らす意味でもOctaveやOctave + 5度の波形もあります。使用されていない内蔵波形もあるようで非公式に出回っているROM OS 3.5ではそれらの波形も使えます。 やはりOSC.が3基ありかつ3基のDCAでMIXを時間的変えられるので単純な1波PCMでもバリエーションが得られる。 VCFのresonanceは発振不可でそれほど強くはかけられませんが十分かと。上でも書きましたが既存のメーカーにはない独自の発想、こだわりがありSID Chipが母体にあったsynthメーカーだと感じます。そこらへんがESQ-1のSoundキャラクターにも反映しているような印象。 手軽にESQ-1/SQ-80の音を体験するには2000年代初頭に開発されたFreeのSOFT synthのSQ8Lがかなりよいと思います。SQ8Lには当然short sampleも入っているわけでESQ-1 + SQ8Lという構成もありかと思います。 ESQ-1/ESQ-M/SQ-80はHybridではありますがanalog synthでもあるがanalog synthには付き物の基板の半固定Potがほぼありません。CEMM3379まわりには1個も無し。chipのばらつきに対してどう対処しているのでしょう。一応VCFに対してはVCFの AUTO Tuninngにより対応しているようですが。あとEG/LFO等のmodulatorはsoft modulaterですがVelocity対応のEGに対してDACは8bitで対応しています。 この時代のpoly analog synthを見ると国内メーカはHybridであっても調整用のPotは多いですが海外製はVCF/VCA chipに関しては調整用のPotが無しか1個程度。OSC.がDigitalになっているので調整用のPotは最小限という形です。 softwareのCVに対するDACは他メーカーではverocity対応なら12Bitから16BitなのでESQ1はそれに比べれば荒いということでしょうか。
ESQ-1などのHybrid Synthの音の存在感について: 1voiceあたり専用DACを持っているわけではなく時分割 + S/Hなのですか実質 専用と等価です。すなわち1Voiceあたりの振幅にDACの全Dynamicレンジを割り当てて使うことが可能でありさらに最終段のVCAでの音量調整が可能です。これはVCF/VCAというanalog synth部分はDigitalの時分割処理ができないVoice数分が必要という制約を逆に反映しているということです。 これに対してDIGITAL SynthはOSC、Filter、AMPの全sectionの音量、さらには全Voiceの音量MIXの結果をDACのDynamicレンジに対応させる為1Voiceあたりの振幅方向の解像度は低下されてしまいます。さらには昨今の256Voice Polyphonyなどという大Vioce状況、さらにはEffector処理、多ChannnelのVolume 処理等の対応によって1Voiceに占めるDACの割り当ては低下していくのでしょう。当然これらの処理によって丸められてしまう音量要素に対してどう対処するか、各Stageにおける音量配分もMIXER以上に大変なわけです。 同じDIGITAL synthでも各stageに対してPADを付けて各Stageの音量GAINをユーザが指定できるような機種も存在します。 KUrzweilのVAST搭載のsynthはVASTによりDSP Blockを 可変できる構造なので必然的にこの機能が搭載されておりDACがクリップしないようユーザーが指定できる構造になっています。さらにK2000のおいてはEffectorが音源とは別接続にしなければならなくかつAnalog接続であるというデメリットが逆にEffect込みの音量管理でなくなるというメリットを呼んでいます。 E-MUの初期のSamplerのE-MUratorは1VOICE事に専用DACをおいているという珍しい機種です。さらにはE-MUのproteusなどのその後の機種においてはMulti OUTに対して専用DACを使用しています。これは上記のKシリーズなども同じですが、国産synthはそうで無い場合が多いです。 上述のQ chipは時分割により最大16chの独立OUTが可能で Chipの最終段にはDACを内蔵しています。内蔵DCAをFull Rangeで使えばPCM自体も1周期波形なのでDynamic RangeをFukkに使えるのではないでしょうか。(実際は3OSC構成なので1OSC当たりは1/3ですが。
EPS (Ensoniq Performance Sampler) EPSの特徴としては再生sample rate可変である為、再生sample rateにより同時発音数を可変できることがあげられ、12から20 Voiceの間で発音数を設定できるといういままでの Keyboardにはない特徴がありました。これはIBMPC互換機用の音源chip GF1ではすでに行われていた機能ですがGF1はENSONIQの音源技術を元に作られたchipのようなので元祖であるENSONIQ DCO-II chipでも可能な機能であったのでしょうか。 1Voiceあたりの構成は、 1Oscillator、2Filter、1AMP、3EG、1LFO、Modulation Mixer、Matrix modulation、PCM波形の読み出しpointの modulation等、後にいたるまでEnsoniq Synthに共通する Voice構造がここで確立しています。 またユニークな機構として Patch Selectという機構がありました。 これは 1っの programが複数の voice programで構成されており、patch seletボタンによりそのなかから任意の voiceを複数個選択でき、それを4種類まで登録できるという機能あり、program changeをより柔軟にした機構でした。 その他 EPSには鍵盤の 1Keyに対して独立して synth parameterを設定できる機能や、MAX Envelopeと Min Envelopeのカーブを指定し、再生時にはその velocityに応じてMAX、MINの Envelopeカーブの値を補間して EGの値を得るというユニークな機能もありました。機能的にはVelocityによるEG Mod.の類ですが。 samplingを含む parameter関係の EDITは 基本的に20*1行+α(カスタム表示要素)のFL displayを見て行う為大変です。 この為 samplingに対してはAUTO LOOPをとる手段がいくつも用意されていました。 Ensoniqの sequencer付きの Keyboardの特徴として、sound Diskには必ずその音色のdemo sequenceが付いています。 EPSからCPUは16bitの68000になっておりEPSでは5504 DOC II chipにより5503 DOCにはないdigital dynamic filterが内蔵されるようになったようです。 自分としては長い間EPSからOTTO chipが使われているのだと思っていましたが基本構成は同じでも DOC II(EPS) --> OTIS(VFX/EPS16) --> OTTO(TS/ASR)にいたる使用 chipの遍歴があることを最近知りました。
VFX (1989) パネルデザインは ESQ-1と同様の40*2行FL displayに 6個の soft SWを配し、 data entry slider、各 functionに対応した 機能重複の少ない多くのSW、独立した program BANK select SW(10個)を持ち比較的使い易い操作性を実現しています。 61keyの鍵盤は velocity対応の他に、polyphonic key pressureにも対応している数少ない鍵盤で非常に戻りの早い鍵盤でした。
最大同時発音数は 21voice、 12CH multi、PCM ROMは 12bit、1.5Mbyteを装備していました。 PCM容量は小さいですが、IC card slot等による PCM DATAの追加はできません。 発音数は
一般的な synthと比べて変則的ですが、VFXは 6voiceまでの layerが可能なので再生 sampling rate よりも voice数を優先したのでしょう。 また 21 voiceは 当時雑誌に掲載されていた設計担当者の方の話では 1.5Mbyteの 容量のPCM波形でも十分なため、拡張は考えていないということでした。
*: VFX、SD1ともに同一のOTIS chipを使っているようでOTISのvoice数は元々
ensoniq soundの特徴は原音忠実というよりは、比較的少ない 容量の sampleでそれらしい soundを表現するのが得意で、国産 synthとは異なるアメリカンな音色で 以後多くの fanを獲得しました。 programは、EPSと同様に patch selectが使用でき、voice構成としては 1programに対して最大6っのsound voiceを登録でき、patch selectによって 6voice中任意の voiceを組み合わせたものを4種類作り、選択できます。 この場合 effct programは共用です。 さらに VFXでは Presetという 任意のprogramを3っ組み合わせて構成する、いわゆる performance presetにあたるprogramの一つ上の階層があります。 なお VFXではいわゆる drum mode/ sequencerは備えていません。 effectを搭載し、多くの parameterを持った synthにおいては program changeの際effect/parameter loadに時間がかかるため、このような構成にすると 4 typeのバリエーションを changeしている間はeffect/parameterの loadが必要ないため、瞬間的にバリエーションを changeする際に有利になります。
特徴的な parameterをあげてみます。
VFX Voice Configuration
Matrix Modulation DST. なお固定 modulationは次ぎの通り
・OSC LFO Amt
Matrix Modulation SRC.
Filter
Mixer/Shaper
TRANS WAVE
Sample Start Point/Velocity Start Mod
Envelope Mode
Timbre Slider
Voice Priority
Restrike
Patch select
Effect
SQ-R (1990?)
SQシリーズはVFXの後に発表されたVFXのLowcost version的なシリーズで最大3Layerの構成が可能なvoice構造でPCM ROMはわずか1Mbyte。 SQ-R plusになって3Mbyteに拡張されました。 基本 SQと言う名称は SQ-80と同じく1Voiceが3OSC構成からくるネーミングかと想像しますが真実はいかに。
TS10(12) (1993/1994) VFXの最終形態とも呼べるTS10は、SD-1をベースに、筐体の強度を改善した新しい筐体を使用し、従来よりバリエーションを強化した PCM波形 6Mbyte(5M?)を搭載、DP-4のalgorithmや、先に発売された ASR samplerで搭載された 体系化された新しいEffect algorithmを搭載し、 sample data用 SIMM を搭載し、EPS/ASR samplerの program/sample dataを読み込み EDITできる機能を有していました。 optionで読み込み専用のSCSI I/Fが搭載でき、EPS、ASR用のCD ROMを読み込めます。 OS version 3からは GM対応の modeを持つようになります。 自分が所有していたTS-10はこの貴重な?SCSI I/Fを取り付け ENSONIQのCD-ROMが読めるようにしていました。 soundについては従来の ensoniq soundを継承してはいますが、VFXなどと比べるとだいぶおとなしくなった印象があります。 TS12は鍵盤をKS32で好評を博した76Key PIANO鍵盤にしたものです。 hard 関係のmanulaを入手してわかったことですがTS10から音源 chipが OTISからOTTOに変わっているようでそれが音色にも影響しているかも知れません。
それ以外には、EPS/ASR dataの EDIT、Hyper Wave、GM Modeに対する説明等が追加されています。 これに対して日本語manualは origianl Manualの完訳とはなっていず、所々 parameterの解説 HINTなどの項目が省略されているため、originalと比べて薄くなっているのがたいへん残念です。 省略されている中には有用な要素も多いのですが、どうして省略してしまうのでしょう。 特徴的な parameterをあげてみます。
*1:
また sample memolyも SIMMにより最大8Mbyteまで取り付け可能で、この容量はEPSよりはるかに大容量です。TSのdisplayは EPS/ASRのそれより情報量が多い為 EDITはTSの方が楽なようです。
GM mapを利用するには、通常の MODEとは別に GM modeに移行することで実現します。GM modeでは EDIT等は一切できません。 またvelocity curve等は国産GM音源と異なるようで国産GM音源用に作られた dataがよりよく再生できるというわけではありません。 ちなみにOTTO chipはIBM PC用のGM音源やsynthカラオケに使われたりしていたこともあってGM対応を意識したようなPCM Dataを元々搭載していたのでGM modeがVer3から登場したのではないかと想像しますが。 いくつかの GM 関連のmessageには対応しており、Effectの send levelは Controll change #91、#93をうけますが、実際は 数段階の変化しかしません。
また一つの Effect Typeには多くのバリエーションが用意されており、それをEditして USERのバリエーションを作るという方法をとっているのも特徴です。
* TS10内部(main board) TS10とASR samplerは同じ筐体でパネル側にKBDが付くというKORG M1などと同様なマウント方式になりとても頑丈ではありますが重たい筐体になったのが印象に残っています。またVFXの時と同様に6ヶ月もたたないうちにTS12が発売されるという状況、当時もう少しまってTS12を買った方がよかったと後悔しました。
*1: ENSONIQ SOUNDSCAPE ELITE (ISA) Sound scapeには OTTO2 chipが、 Sound scape Eliteには OTTO2+ESP chipがAUDIO PCIには、 ES1370(or ES1371)が使用されています。 当時初めに購入したのは3:のENSONIQ純正でない3のカード。 これは確かROM sampleの他にRAMを搭載するとdownload sampleとして新たなPCM dataを利用できると言うものでしたが肝心のdownloaderがメーカーから供給されなかったような気がします。(manulaのみ現在も保管) 2:はcreative傘下になってから出したカードで SOFT synth機能が付いているものの従来のOTTO chipは搭載されていません。 1:のカードは基本構成はENSONIQのSQ1(*1)などと同様のHard構成で PCM ROMも2MbyteでEffectもESPを使っていますがバリエーションは多くは搭載されていません。 基本GM/MT32 Mapの対応ですが音はかなりチープだったような記憶があります。 それ以上にPCの IREQをたくさん消費する cardで当時は ISA busなのでステアリングIREQなどないのでこれを搭載してしまうと他のcardがさせないような状況であったような記憶が。 使い勝手が悪かったのあであまりつかわず10年くらい前にISA BUSということもあって処分してしまいました。 とはいえ現在では処分しなければよかったと後悔。
*1: 正確には 同時期のTS10などと同じ OTTO + ESP の chip構成。
調べてみるとENSONIQの音源 chipはPCのsoundcardに与えた影響も大きいようです。 1990年代 GM音源の普及、Windowsの multimedia対応によってPCM音源のSOUND cardが普及していき、さらにはWave blasterのコネクタ仕様の互換のMIDI Daughter cardがいくつも販売され、synth メーカーの音源 chipがこれらの boradに搭載されることになります。国内メーカーでもYAMAHA、ROLAND、KORGといったメーカーから当時のsynthにつかわていた chipが使用され、なかでもYAMAHA の音源 chipは多くのsoud card(MIDI daughter card)に使われました。 一方海外のメーカでこの手の sound chipを販売していたのが ENSONIQ、 Kurzweil、EMUでした。 この中でENSONIQはあのCreative社より先にPCM wave table音源を採用したGravisのULTRA SOUNDに使われた ICS GF1 chip製造に対して技術的なライセンスを供給していたそうで、GF1は ENSONIQのの当時の OTTOなどのchipから派生した音源 chipだったようです(*1)。 *1: GF1にはfilterは搭載されてはないようなので音源部分だけのようですが。 時代的にも ULTRA SOUNDは1993年の発売、1993年と言うとOTTOを使用したTS10が発売された年でした。GF1は ICS製で ENSONIQのDCO5503から始まる chipもICS製でした。 GF1正式名称は ICS1614ですがこの後、ICS社ではWAVE FRONTと呼ばれるPCM音源 chipをいくつか外販しておりICS2115などは turtle beachのMAUI等のsound cardに使用されています。 ENSONIQでもOTTO chipなどは外販されPCのsoundcardや日本のGAMEメーカーさらにはシンセカラオケ用に供給、FXchipを音源Chipと一体化したOTTO-FX chipなどの後期のchipは国内の3大メーカーと同様にカラオケ音源にも使われていたようです。 面白いところでは ELECOMのPC98用のSOUND CARDにも搭載されているようです。 確かKORGのTGL2 chipもI/O社の MIDI daughter cardに使用されていました。ENSONIQも自社製 SOUND CARDを発表してそれにOTTOが搭載されいたのは上記の通り。 KurzweilやEMUのsound chipを使ったsound cardはごく少数ですが、creative社がGravisに対抗すべくwavbe table音源めあてにEMU社を買収してPCMベースのsound blaster、 wave blasterを登場させたことは有名かと思いますが、最終的にはENSONIQ社さえも Creativeの傘下になってしまったのはこのsound chip開発能力を欲してのできごとでした。 *:シンセカラオケは国内ではYAMAHA/ROLAND/KORGのchipが使用されていましたが海外製ではおそらくENSONIQのみ。その影響もあってかTS10/12以降の機種ではENSONIQらしさがなくなった汎用音源的な機種が多かったような.....。そのさきがけとしてTS10/12にはGM modeに対応したPCM dataも搭載されていてVFXの1.5Mbyteに対して6M(5M)byteに拡張されていました。当然GM対応はSoundCardを作る際にも必要でありました。以後の機種ではPCMROMの追加Boardがあったのでした。個人的にはTSまでがENSONIQという印象。
Ensoniq 参考文献
<2026/07/14 rev1.11> <2025/08/23rev1.10> MirageのOSC.使用数等の間違え修正 <2025/06/10 rev1.9> <2024/02/06 rev1.8> <2019/10/20 rev1.7> <2019/05/12 rev1.6>使用chipの間違い修正 <2019/04/17 rev1.5> <2000/02/22 rev0>
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