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Sallen & Key 2次filterの特性
Sallen & Key LP Filterは2次の正帰還型のfilterで出力信号を入力に向かって正帰還することでcutoff付近の肩特性を改善、すなわちQの値をコントロールすることが可能です。 特徴的には正帰還される信号はBPF特性の経路を通過し、このBPFははpassive LPFを構成する2っのLPFの片方をHPFとして利用、すなわち2LPFとBPFは共用で使用されるためBPFのF0はこのLPF/HPFの影響下にあることになります。 この正帰還ループのGAINが1以下であれば減衰のループを正帰還するのでQが上昇するだけですが1になると減衰ループでなくなるため正帰還によってBPFのF0の周波数で発振することになります。 BPFループで発振するわけですからこの際のQはとても大きいわけですので単独周波数で発振するわけであって2次のfilterでは filterが発振器に変貌することが可能となるわけです。
原理は上図のような感じですが実際は回路をシンプルにする為入力信号と出力信号をMIXして重畳する回路になりますので直観的な理解が少々難しいのが1点、さらにここで重要なのは正帰還LOOPでありかつLoop内にBPFが構成できこのBPFのロスを補償できることからFilterを発振領域にまで持っていけるという点です。1 次CR Filter、2次CR filterについては
ここでは一般的な2次の正帰還型 LP filterについて考えてみます。 * 伝達関数:微分をs、正規分を1/sに置き換える行為。
* I1= (Vin-V1)/R1
R2とC2で1次LPFが構成されているので、1次LPFの伝達関数から 以上の関係から
K/(R1*R2*C1*C2) * 1次のfilterにくらべてずいぶん複雑な式になっています。
ここで
K/(R^2*C^2)
となります。
b^2 と上記式の対応を考えると、
b= 1/(R*C).. すなわちω0
となるので この 2次正帰還 filterの特性は 増幅度KによってQの値が変化することになります。ここで Qとは LPF、 HPFの場合は F0(ω0)における信号振幅の入力信号振幅に対する比です。
* ω0^2= 1/ (R1*R2*C1*C2) なのでこの場合は、
Q=1/(3-K)なので K=3で Qが∞になってしまい発振してしまいます。 K=1であれば OPAMPの buffer、 K=1より大きければ上記回路図のような OP AMP の非反転増幅器を用いることになります。上記式で Kは 1/(3-K)の分母の要素ですからQの値の上昇は Kの値の上昇に比べて指数的に増加(双曲線カーブで増加)します。 * 非反転増幅器の GAINを volumeでコントロールしてQを可変する場合は上記カーブ と逆の特性を持つ Cカーブの volumeを使った方がコントロールが楽になるということです。
* K=3 Q=∞発振 この2次正帰還 LPFでバターワース特性を得るには Q= 1/√2にすればいいいので1/√2=1/3-K から 3-√2=K よって K=約1.59となります。 * 注目すべき点は構成要素である C, Rを可変せずに QをKのみで可変することができるということです。 そのかわりKを可変するということはfilter全体の GAINも同時に動いてしまうことです。 それをさける方法としてはK=1固定で 2っの Cの値によってQをコントロールすることですが、その方法を使うとQの変化で filterの F0も変化してしまいます。
b^2 上記式の分母を0にする値が filterの極(pole)です。 ここで filterのpoleとQの関係 を考えてみます。poleを求めることは上記の分母のSについての2次式の根を求めることなので、
S^2 + (1/Q)*b*S + b^2 = (S-P1)(S-P2) と書いた場合、P1, P2がSの根つまりpoleになります。2次式の根は複素数で表され、 のような共役複素数になります。 ここで共役複素数の性質により、
P1+P2= 2u = 1b/Q となるので極の実数部は -b/2Qとなり、 P1, P2の点は半径bの円周上に存在します。
b= 1/(R*C)...すなわちω0
* K=3 のときは 0
* Q=∞ 発振 (この場合K=3) 時の極点の位置 S=σ+jωのσの値は系(回路)の安定度にかかわるparameter。σ=0の時は一定振幅の発振σ>0 時は振幅増加の発振σ< 0 の場合が filterということになります。図において虚数軸 jωと円の接点位置jbはω0つまり F0の周波数となります。
2っの極点で作られる連山。この連山がどの部分で切り取られるかで断面の形状、すなわち周波数特性の形が変化します。中心部付近から切り取られるほど Qの大きい特性ということです。
* Q=0.7 バターワース特性 (この場合K=1.59) 時の極点の位置
* Q=0.5 (この場合K=1) 時の極点の位置 この場合は P1, P2が同じ位置に存在して重根になっていて虚数部の値は0となります。 つまり極の位置としては 1次の LPFと同じ位置にあるわけですが山のスロープが 1次filterとは異なるので虚数軸で切り取られた山の形状が異なりそれがQの違いとなっているわけでしょう。 実際Q=0.5の状態というのは buffer付き 1次LPFが 2っ連結された filterと同じ状態が作りだされているわけで、まったく同じ回路の連結(Fcが同じ filter )なので極が同じ位置にあるということは納得できるでしょう。
2次のfilterにおける-12dB/octのスロープとは何なのでしょうか。これは 2段の積分器のカーブ(周波数特性)です。(*1) このカーブの値が印加信号レベルと同じになる周波数がF0なわけです。 このカーブは 2次の filterの遮断領域のカーブに対して漸近線となります。つまり 1段目、2段目の filterの C, Rと同じ値の Cと Rで構成される積分器のカーブはそのfilterの遮断領域に対して漸近線になるわけです。 2組のR とC を 同じ値にして増幅度Kで正帰還をかけた上記の正帰還 filterというのは 2組の filter個々で考えると別々の位置にPoleがありますが同一円周上にあるのでFcは同じという意味になります。 これに対して Q=0.5の buffer付き 1次LPFというのは後段の filterのインピーダンスの影響を受けないので 1段目、2段目の filterの cutoffというのは 1/2πCRで動作しているわけで同じ filterが2段重ねになるので F0でのGAINは1段目の GAIN * 2段目のGAINになるわけで filter全体で見ればF0位置でのQは下がるわけです。 一方正帰還型を構成する 2段の CR filterについては帰還をかけない状態では1段目の filterは後段のfilterの影響を受けるためF0位置での GAINは1次filter 単体時より下がるので、見方によっては1段目の filterのcutoffが低い周波数に移動したとも見えるわけです。後段の filterは単体の時と特性自体は変わりません。 正帰還をかけるということは1段目の filter出力のF0付近のGAINをかさ上げすることですがこれは見方を変えれば 1段目のfilterの Fcの周波数を上げていることでもあり、たとえば F0で Q=0.7にする為には 少なくとも 1段目の filterの Fcは F0以上に大きくしなければならないということでしょう。(2次の正帰還LPFでバターワース特性を実現する為には 1段目のfilterの Qが1になる必要があるわけです。) 個々の filterのcutoff周波数が同じでなくでも周波数の十分高い周波数ではfilterのスロープは-12dB/octになります。これは個々のfilterの cutoff周波数より十分高い周波数では流れる電流値は一定値に近づくため capacitorの積分特性(2段分)が有効になる為です。つまり filter特性は積分器特性の漸近線に重なる。
*1: つまりこのF0で GAIN=1なわけなので 同じ定数の積分器を複数つないだ場合 GAIN=1になる周波数は一致するわけです。よってGAIN=の周波数では1*1=1ですが、F> F0では-6dB/OCTのカーブは-12dB/Octになり、F < F0でもカーブ自体は同じでもGAINの掛け算は1以上なので倍の大きさでF-0すなわちDCに向かって増大し、DCでは積分器1個と同じ理論上では∞になります。
次にK=1の場合で Qをコントロールする方法を考えます。
K/(R1*R2*C1*C2) の式でK=1とすると
1/(R1*R2**C1*C2) さらに R1=R2=Rとすると
1/(R^2*C1*C2)
となります。
b^2 と上記式の対応を考えると、
b= 1/(R*√(C1*C2) となります。ここで C1=2*C2=Cとすると、Q=√2/2)となるので Q=1/√2 つまり capacitorの値を C1=2*C2にするとバターワース特性になるというように capacitorの比が Qの値に反映します。
正帰還の反応原理 (K=1.. 3)
再度上図の非反転増幅器を用いた正帰還filterについて考えます。このfilterで 増幅器のGAINが約1.59の時 filter特性は Qが 0.7のバターワース特性になります。この K=1,59という値は伝達関数のQの項から求まったわけですがどうして 1.59の時、出力が0.7(1/√2)になるのでしょうか。
上図のような正帰還回路を考えます。 入力信号レベル1の時、Rpfの値を変化させていく と出力結果は以下のようになります。
Rpf=10.1K 減衰器側のGAIN=0.99 出力=約100 上記は正帰還のループGAINが1以下の状態なので正帰還ループ回ごとに追加分は減衰していきます(指数低下)が、積分値は上昇しますがLOG変化であり上記の出力値はトータルの積分値です。これはFilterが発振以前の過渡変化としてのω0での振動現象を示します。 Sallen & Keyはnon Bufferdの2次CR passive Filterが基本なので帰還をかけていない状態ではQ=1/3なので上記の減衰器のGainが1/3のケースです。 ・ 正帰還時のGAIN(出力) = 1 / (1 - 減衰器側のGAIN) となります。 よって減衰がなければ出力 = 1/(1-1) となり∞となり発振です、このことは ・ Q= 1/(3-K) なのでK=3の時、Q = 1/(3-3) = ∞となり両者の答えは一致します。すなわち伝達関数から求めたQの式の作用は単に上記の正帰還時のGAIN(出力)を言っているわけで上記式は一般的な正帰還の式に対して。FilterなのでBPFのω0における正帰還を指しているという違いはあります。 * 正帰還の結果が減衰値に対して指数的特性で出力値が増えているのは興味深いです。 100%正帰還を掛けると出力は∞ですが上記の場合は100%に満たないので減衰振動となります。100%正帰還の場合(Rpf=10K)は指数的に振幅が増え∞になります。
印加信号の無い場合の振動現象(微少NOISE成分が種)
*2次Passive LPFのFcでの減衰は約0.333(1/3)なので上記のGAIN=1.5、1.5*(1/3)=約0.5となりK=1のFcの0.5と同じになります。 K=1.59の時バターワース特性なのでGAINは1/(1-(0.33*1.59))=2.1となり2.1*(1/3)=約0.7となりバターワース特性となります。 発振というのは基本BPFが存在してQが上昇するにつれて単一周波数のみに正帰還反応がおきる現象なので古くは2次のLC passive Filterの共振現象が基本でめんどうなLを排除する為の方法がSallen&KeyのActive filterになるわけです。すなわち印加信号がある場合でQが小さい時ははF0以外の帯域の反応もあるわけです。
上記、正帰還filterにおいての帰還の経路というのは下図のような BPFを通過することです。つまりBPFの F0の GAINがどのくらいになるかが帰還量を決める1要素なわけです。ここでは簡単なケースとしてK=1の場合の電流特性を考えます。
Sallen&Key LPFの Q=0.5時(K=1)のグラフ(Y軸Linear/X軸LOG 以下同様) Non Bufferd 2次LPFの1段目のHPF特性は次段の負荷の影響で電流が増えますが次段のLPFにいく電流は減りますのでBPFの高さは低くなります。 Sallen&Key 2次LPFの帰還ループ外部分はNon Bufferd 2次LPFと同じ構成なので帰還が無いとBPF電流成分はI2と同じになり高さは0.35ですが帰還LOOPを足すと0.5となって2次Bufferd LPFのI3と同じになります。OutPutからの正帰還LOOPへ向かう電圧は入力信号に対し逆相なのでこれと入力信号を足すと特性は2次HPF特性となります。 上図の黄色のBPF部分が正帰還によりかさ上げされた部分です。パターワース特性になるのは正帰還のGAIN=1.59にまだ不足しyていますがこの場合GAINをあげると全体のGAINもあげただけ振幅が大きくなってしまいます。 * S&Key 2次LPF位相特性
次にK=1でQをコントロールする場合について考えます。
基本的な考え方は2段目の積分器の特性がF0でGAIN=1でありそれ以前の帯域では周波数がOctave下がるごとに6dBづつGAINが増大する性質をうまくつかってK=1でも2段目のF0のGAINを上げる方法。(1段目と2段目のCR FilterのCutoffをずらす。 C1=2*C2としてバターワース特性にする場合でたとえば、 C1=0.1uF、C2=0.05uF 抵抗10Kとした時のpassive BPFの特性を以下に示します。
1段目のHPFはC1=1uFで2段目のLPFはC2=0.05uFなので両カーブが交わる点F0は225HzになるのでC1=C2に比べて構成されるBPF電流のGAINが大きくなります。 BPFのF0は約 225Hzで BPFのピークの高さは入力信号に対して 0.5程度になります。 上記の非反転に比べるとF0の周波数が変化しています。 これは HPFの周波数がC1の値が C2の2倍ある為160Hzに、LPFの周波数が318Hzになって 両者にかこまれた領域がBPFとなる為BPFの F0が両者の中間の周波数(1/√2) となる320*0.7=225Hzに生成されます。 当然これが最終的な2次LPFの F0にもなるわけです。HPFとLPFのF0が同じである場合に比べてLPF、 HPFの カーブがぶつかる点での GAINは高くなるので結果 BPFの GAINは上昇することになります。以下に HPFのF0が 80Hz、160Hz、320Hzの場合のBPFの生成を示します。
C1=0.20uF: HPF F0=80Hz LPF F0=320Hz BPF F0=160Hz BPF GAIN=0.66 一方2段目の積分器のcapacitorはC2=0.05uFのままなのでF0=320Hzのままなので318HzでGAIN=1なのでBPFのF0=225Hzに対しては6dB/OCTでGAINが増加しています。318/225=1.4すなわち0.5*1.4で0.7になりこの数値が正帰還をかけた 2次LPFのF0での出力 GAINになります。 (この場合 C1=2*C2でバターワース特性となり一致します) 正帰還が無い状態の2次filterで考えると1段目のLPFのFc(RとCの振幅が同じ)は1octave低い周波数になるのでBPF電流のQはbufferdの場合0.33、nonobufferdの場合0.25に低下していますが正帰還がある状態のC1=2*C1の場合0.5とC1=C2とQが変わりませんが若干C1=2*C2の方が山のSlopeが急です。なぜこうなるのか
C1=C2の2LPFは320HzでBPFのF0と交わっていますがC1=2*C2の方は2段目の積分器のF0は同様に320HzなのですがBPFのFO位置より高い位置で交わっています。よってそれ以前の低い周波数においてはBPFに対してGAINが大きくなっていますので結果C1=2*C2の2PFのQの方が大きいですがF0は225Hzと低くなっています。
式的には R1=R2時
正帰還LooPと通常ルートが重畳された回路を展開する。(Capの比2:1 GAIN=1)
Cが2っ、Rが2っの簡単な回路ですが帰還がかかっているため直感的に理解するのがむずかしいので変形してわかりやすくしてみます。 上記の回路は展開すると以下の回路と同じになります。( 帰還回路は信号源が2っある回路和と考える )
変形して正帰還なしの状態の回路と正帰還することによって増えた要素とを分離して最後に両者をMIXすれば同じ結果が得られます。
00: passive BPFの F0(225Hz)位置でのpassive 2次 LPF( 出力A )の GAIN= 0.35 展開しない場合の 00:*03:--> 0.35*2 = 0.7と同じ結果を得ます。 * 注: ここでの F0位置というのは下図の CのBPFの F0(159Hz)ではなく Dの F0(225Hz)となります。
無帰還時の 2次LPFは F0付近の肩が下がっていてちょうど -6dB/octのカーブと -12dB/octのカーブが組み合わさったような曲線になっています。 この為 F0周波数を一見見失いがちですが、この場合F0=1/[2π*R*√(C1*C2)] なので正帰還をかけたfilterと同じ F0=225Hzです。Cが正帰還によって新たに生成された電圧なのでこれを無帰還時の2次LPFに足してやったものが最終出力Dになります。 結局Cは6の電流が積分された結果の電圧ですが形としてはBPF特性でHP側が1次のカーブ、LPF側が2次のカーブがさらにきつくなった形になっています。動作としては 肩の下がった2次LPF出力が1次BPFで正帰還されるのでこのような形となるわけです。(対称な形のBPFでないとう部分がみそです。) 注目すべき点はCのBPFの電圧出力のF0イコール矯正されたLPFの F0ではないということです。(上図 6の電流特性(BPF)のF0は LPFのF0と同じになります。)つまり2次LPFのF0周波数において CのBPFの GAINが最大になっているわけではないのです。帰還をかけていない状態ではF0より低い周波数での落ち込みが元々大きいというわけで、BPFのF0が低い方へずれることによって結果、通過帯域の平坦さが実現するわけです。 上図の周波数特性で矯正以前の2次LPFとBPFを単純に足すと生成されるカーブは最終結果の2次LPFのカーブを場所(周波数)によってはオーバーしてしまいます。なんだか変です?。 答えは矯正以前の2次LPFとBPFとでは位相特性が異っているのでそれを考慮すれば 矯正以前の2次LPFとBPFの振幅和は最終結果の2次LPFの振幅になるわけです。
すべてBPF特性になっていますがF0位置が変化しています。BPFへの入力信号としてのAの電圧はなで肩の2次のLPF、それがHPF回路を通るので HPF側1次特性、LPF側はゆるんだ 2次LPF特性のBPF特性となります。 次段のLPFを流れる電流を考えると、もしLPFへ入力電圧が一定値の場合は HPF特性になる ( F0以前は capacitorの電流特性が支配的で F0以降は capacitor単体の電流特性がRで制限をうけるため平坦になる) わけでその法則にしたがうと F0以前は 2次のHPF特性になり、 F0以降は変化無しなので同様な2次LPF特性となります。この為 F0はより高い周波数に移動します。BP特性のHP,LP側のスロープは正帰還ループがかかっているので帰還量に応じてするどくなります。6の電流は最終的にC2で積分されHP側の特性は 1次HP特性にはねあがり、LP側はさらにするどいカーブになります。 帰還量が大きくなればBPFの GAINは大きくなりスロープもするどきなりそれがいきつけば発振という状況が生じるわけです。上図の AMP GAIN=1の正帰還filterの場合、BPFのGAINを大きくする方法はBPFを構成する HPF, LPF両者のFcの間隔を広げるつまり HPFの Fc << LPFの Fcとすることによって BPFの通過帯域中にGAIN=1近くになる領域をつくることです。GAIN=1近くになれば正帰還ループの出力レベルは前項の説明のように非常に大きい値になるわけです。 (たとえばGAIN=0.99で出力約100倍) LPFのFcとHPFのFcの間隔が広がれはBPFの平坦部分が多くできてしまい一見一箇所の周波数だけがスポット状態でGAINが大きくならないようにも思いますが、平坦であってもわずかながらでもBPFのF0の周波数のGAINは他よりも大きいわけでそれが正帰還ループの中に存在し、GAIN=1に近い状態であれば最終的な出力レベルの差はF0とそれ以外の平坦部分の周波数では顕著な差になるわけです。(よくできたメカニズムですね。)
この場合両者ともピークの電流値は同じですが、6の方がカーブがするどくなっています。 正帰還ループがかかってなんども信号がBPF内でループしているわけですから当然の形ということでしょう。 ちなみに 3の電流特性がBPF特性になる理由ですが、
上図で20,21,22の電流は passiveの 2次LPFにおいて C2につながっているRがなかった場合の 1,2,3に対応する電流特性です。すなわち電流特性はどれも1次のHPF特性で 20+21=22です。 上記例では C1=0.1uF、 C2=0.05uFなので電流比は 2:1になっています。 10,11,12は Rを戻して 2次のpassive LPFにした場合ですが、 capacitorの抵抗値が Rより小さくなってくるとRの影響が出てきて電流は C1の方に流れてしまうようになりこの効果が LPF特性を生じさせているので結果、3 (上図では10)の電流特性は BPF特性になっています。この 10の電流特性を積分したものが2次LPF出力ですが、上図でわかるように1次HPFとしての11の電流特性が通常の1次HPFの電流特性である22より大幅に肩が下がっている(つまり2段目のCRに10として電流をもっていかれてしまう)ため結果生成される2次LPF特性の肩部分に影響が出るわけです。
上記の回路で C1の値を変化させていっても BPのF0での電流値(前例での 3+6)というのは変わらず、入力信号電圧を 1Vとした時 50uA というちょっと不思議な結果を得ます。正帰還がかかっていない場合のBPの電流値に対して正帰還をかけた時のBPFのF0でのゲインをかけると以下の結果となります。
C1=0.20uF: 16.7uA * 3 = 50.1uA 一応つじつまはあいますが........どうして50uAという値になるのか。結果的には BPの電流の最大値は2っの Rの合成抵抗値で入力電圧を割った値になります。このBPの電流をC2で積分した値が最終出力になるわけですが、BPが同じ電流値でいいのでしょうか? C1とC2が同じ値の時は BPFの F0と C2とRで構成された1次LPFとしてのF0が同じになるわけでたとえば C2=0.05uFで 318Hzの入力信号がある時は C2のインピーダンスは10Kになります。これに対して C1と C2を同じにしない場合は BPFの F0と 1次 LPFの F0が異なるわけで たとえば C1=0.1uF、C2=0.05uFの場合 BPFの F0となる信号周波数 225Hzが印加された時のC2のインピーダンスは 14Kとなり結果 BP電流を積分した C2の充電電圧は C1=C2の場合に比べて上昇することになり、より 2次 LPFとしての Qが改善されるという巧妙なしくみの上になりたっているわけで、電流値が同じ場合、周波数の低い電流を積分した時の方が充電電圧は高くなるというcapacitorの基本性質が生きてくるわけです。
最後に C1とC2でQを調整したLPFと増幅器のGAINでQを調整したLPFは同じ特性になるのかを確認してみます。
上図の水色は 増幅器のGAIN=1.59のfilter、 黄色はC1=0.1u、 C2=0.05uFの filterです。 GAIN=1.59の filterは c1=C2*2の filterとcutoffを合わせる為 C=0.07ufとし出力結果を1.59で割ってあります。両者とも補正後のLPFの形は一致しています。補正以前のLPFの形は両者で若干異なっているので補われるBPFの形は若干異なりますが最終結果は同一になっています。これは正帰還ループのGAINが増幅器でQをコントロールしているケースの場合の方が若干高い為です。
<2026/05/30 rev0.4> |