湯迫山 浄土寺(岡山市湯迫699)

 湯迫山浄土寺(県指定史跡)、は薬師如来を本尊とする天台宗の寺で、手伝に「天平勝宝元年(749)勅命に依て報恩大師備前国中に四十八箇寺を創立す。当寺は其一なり。仁和寛平年中(885〜898)源仁僧都再営す。」とある。
 境内には鎌倉初期、俊乗坊重源が庶民施療のため大湯屋を建てた遺跡があり、東大寺再建を命ぜられた重源が修料理として与えられた備前国において、そのかたわら浄土教をひろめた寺の一つとして有名である。
 同寺の西方約二〇〇メートルの地に西明院跡がある。北条時頼の滞錫伝説地で、その史料の一部を浄土寺が保存している。 

市川俊介著『岡山の神社仏閣』より