城淵山 東竜寺 三蔵院(岡山市郡314)

本尊 弘法大師自作と伝える大師像

縁起 高野山多聞院派の真言宗の寺院で弘法大師を開基とし、その後荒廃していたのを天文五年(1536)僧舜永が再興した。
現在の建物は入母屋造本瓦葺の本堂と、庫裡、山門などで、江戸時代の再建である。なお当寺の本尊についてはつぎの寺記がある。
本尊弘法大師、四十二歳の御時御自作之木像世に稀なる本尊也、讃州誕生寺の本尊焼失依之光政公御代東叡山御門主を以って此本尊を所望せられける時、東竜寺と御相対にて御羅ひ候へと御返事なり、相対にては東竜寺不遺、又綱政公御代にも右之通なれども同御返答にて有之故、何とぞ此本尊を盗捕らんといふ説ある依て殊の外大事に仕、二重の厨子に入、中々五七人にも持ちかたき様にし、鍵は村へ預けてこれあり。