|   賭け事に熱中した余り悪質な金融業者から借金し、その返済を迫られている新進作家アレックス・シェルドンが主人公。殺されずに済むためには30日以内に小説を書き上げ、原稿料を貰わないといけないという切迫した状況。30日で一作書き上げるためには口述筆記しかないと雇い入れた速記者が、ケイト・ハドソン演じるエマ・ディンズモア。
 アレックスが口述し、エマが書き取っていく日々が始まります。それから、現実の世界とアレックスが描く恋愛小説の中の世界が並行して進んでいく。
 しかし、その小説の中のストーリィがひどく陳腐。あまりに自分勝手なストーリィ展開についエマも口を出さずにはいられない。そしていつしか、現実と小説の中のストーリィがシンクロしていきます。
 一応ラブ・コメディという作品ですが、どうなのかなぁ。コメディと感じるような笑わせられる部分は少ないです。見処は、主演のケイト・ハドソンに尽きます。この人の、さりげない中に様々な感情を浮かび上がらせる表情を見ているだけで楽しい。
 小説中の世界では、このケイト・ハドソンが4人のメイド役に入れ替わり扮して登場し、楽しませてくれます。
 陳腐なストーリィも最後に突然引き締まり、やっと恋愛ものらしい展開と思いますが、この展開がなかったらもう退屈な作品と言うほかないでしょう。結局は私にとって、ケイト・ハドソンに始まり、ケイト・ハドソンに終わった作品。ケイト・ハドソンが見られたからこそ納得できた、というものです。
 ※なお、小説中に登場する有閑マダムのポーリーヌ。どこかで見た覚えがある女優だなぁと思っていたら、ソフィー・マルソーでした。
 2004.11.23 |