“或る夜の出来事” ★★★
It Happened One Night
(1934年アメリカ映画)

監督:フランク・キャプラ
主演:クラーク・ゲーブル、クローデット・コルベール

 

これは、面白かったです
最初はこんなものかと思って観ていたのですが、次第に目が離せなくなり、最後はこんなに面白いのか!、という感動すら覚えました。
とにかく驚いたのは、
ローマの休日卒業の原型のようなストーリィ、場面があることです。ストーリィは、結婚相手に反対して娘を閉じ込めた金持ちで強引な父親から、当の娘が逃げ出し、婚約者のいるニューヨークへ向かうバス旅の過程で、新たな恋が芽生えるというものです。
娘エリーを演じるのがクローデット・コルベール、相手となるのがかのクラーク・ゲーブルです。クラーク・ゲーブルの演じるピーターは、ちょっと与太者風の雰囲気もある新聞記者。勝手の判らない長距離バスに乗り込んだ金持ち娘を、なんとなくかばってやるところから2人の関係は始まります。新聞で、エリーの逃亡を知ったピーターは、彼女を助けながら同時にスクープを狙います。
ローマの休日と似ていると思いませんか。
なんと、クラーク・ゲーブルの恰好良いこと! 若く、長身でスラッとしていて、大事なところではキリッとし、なかなかのものです。ことに、ヒッチハイクの場面はユーモラスで、なかなか芸達者であるところも見せます。恰好良いだけの役者では決してありません。クラーク・ゲーブルというと、すぐ「風と共に去りぬ」を思ってしまうのですが、あれはクラーク・ゲーブルの一面しか出していないのではないか、と思ってしまいます。
その一方、クローデット・コルベール、今の感覚からいうとあまり美人とは思えないし、どちらかというと猫背気味だし。最初、あまり面白いと思わなかったのは、金持ち娘の高慢ちきさ、強情さをその容姿からそのまま感じられたことが、理由のひとつだと思います。

最後は、まるで“卒業”に先立つような展開です。う〜む、うまい! やっぱりキャプラだ! と思わざるを得ない見事なまとめ方です。
終盤、この作品の印象がガラッと変わるのは、エリーの父親である富豪の銀行家の姿がまるで変わってくるからです。当初は、ただ横暴なだけの父親だと思っていました。ところが、終盤に至ると人間味があって、娘をとても愛している父親だと判ります。結婚に反対したのは、単に相手に問題があると判断したから故、娘を愛するが故だったのです。

ストーリィ展開はとてもテンポ良く、軽快。2人のやり取りも丁々発止、という感じで楽しめます。
また、自動車で走る場面は常に合成であるところに、ちょっと面白みを感じます。また、当時の長距離バス旅、モーテルの様子なども、現在とはかなり違っていて興味尽きないところがあります。
面白い映画とは、まさにこのような作品である! と言える映画だと思います。

 
2000.03.05

 


 

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