“ルノワール” ★★ 監督:早川千絵 |
カンヌ国際映画祭で話題になった作品。一応観ておこうと思った次第です。 最初から、不穏な雰囲気が充満している、という印象。 時代は1980年代、主人公のフキ(鈴木唯)は小学生、11歳。 フキの父親である沖田圭司(リリー・フランキー)は癌を告知されていて、助かる見込みはないらしい。母親の詩子(石田ひかり)は夫の病や家計を担わなくてはならないという重責の所為かやたら苛立っていて、会社ではパワハラを懸念される状況。 フキだけではなく、母親も父親も不穏。 そうした現実を見続けているフキは、危うい女の子というより、やはり気の毒な女の子と言うべきなのでしょう。子どものままでいることが許されず、放置されているといった様子を感じますので。 ラストシーン、ようやくフキが見せる、その年代に相応しい、楽しそうな笑顔にホッとさせられます。そして、これが本来のフキという少女の姿であったのかと思い知った気分。 ※なお、下は一場面についての感想。ネタバレですのでご注意ください。 2025.06.25 |