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Caitlin Doughty 1984年米国ハワイ州オアフ島生。シカゴ大学で中世史を学び、卒業後サンフランシスコの葬儀社に就職。サイプレス・カレッジ葬儀学校にて<葬儀ディレクター>の資格を取得し、複数の葬儀社を経た後、土葬・火葬・直葬・自然葬など多様な恋人や遺族の希望に沿った葬儀を実現する葬儀会社「アンダーテイキングLA」を2015年に設立。 |
「世界のすごいお葬式」 ★☆ |
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2019年02月
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米国で葬儀業に従事する著者が、世界各地の特色ある葬儀の仕方を訪ね歩いてみた一冊。 まぁいろいろありますねー。こんな葬儀のやり方があるのかと、正直に言って驚くほど。 インドネシアの南スラウェンでは、死者と数ヶ月、長い場合には数年にも亘って一緒に暮らし、葬った後も幾度か掘り出して遺体を掃除するといいます。 また、メキシコのミチョアカンではミイラ化。 ボリビア・ラパスでは頭蓋骨信仰があるとのこと。 すべては死者を悼む方法に関する考え方の違い、文化の違いと言えますが、それにしてもなぁ・・・・。 ただ、先進国に共通する問題として、火葬か土葬かについてはそれだけの土地を確保することが容易かどうか、という点が大きく関わっているようです。 もうひとつ、葬儀費用の問題も無視できないようです。 日本については、納骨堂の広がり、ハイテク霊園という新しいスタイルが紹介されていますが、それが全てではないですよね。 日本の火葬という方法は、亡くなった人をきちんと葬るという他に、気持ちに区切りをつけるという点で納得感があるように思います。 ただ、冠婚葬祭について、その費用額が嵩むことはやはり問題というべきでしょう。多額の費用に悩むことがあっては本末転倒。 父親の葬儀の時は家族葬の方がむしろ好ましく感じられましたし、息子の結婚式の時も家族だけでシンプルに。 いろいろな葬儀の方法を教えられ、ついいろいろと考えてしまいました。 ・住民参加の野外火葬(アメリカ・コロラド州クレストン) ・トラジャ族、秘境の水牛とミイラ(インドネシア・南スラウェシ) ・ガイコツと花の祝祭の蔭に(メキシコ・ミチョアカン) ・死体で肥料を作る研究(アメリカ・ノースカロライナ州カロウィー) ・地中海の陽子あふれる葬儀社(スペイン・バルセロナ) ・高齢化と仏教とテクノロジー(日本・東京) ・頭蓋骨が取り持つ信者と神のあいだ(ボリビア・ラパス) ・理想の死に方、葬られ方(アメリカ・カリフォルニア州ジョシュアツリー) |