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| 「おりせ人形帖」 ★☆ | |
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人形の声を聞くことができる、いや聞こえてしまう人形師の娘=おりせを主人公に、父親の元に持ち込まれてきた人形に関わる不可思議な難題を解決していく、連作風ストーリー。 また、本作は事件解決の他、おりせの成長譚という要素も含んでいて見逃せません。 おりせの父親である貝助は、腕利きの人形師。 幼い頃からその仕事を見てきたおりせの人形を見る目は確か。 自分も人形を作りたいという気持ちはあれど、父親から「女は人形師に慣れない」と断言され、婿取りをするしか選択肢はないのかと悩む。 一方、異母弟の清太郎は、人形師としての才能に自信が持てず、作業場を抜け出すこと度々。 そんなおりせが父親に頼んで作ってもらった<蝉丸>人形がおりせに語りかけてくるかと思えば、継母が娘おちよ・三歳の魂が<抱き人形>に宿り、これまた賑わしい。 父親の店<蛤屋>に人形の修復が持ち込まれる度、その人形の声を聞いたおりせは蝉丸らの助言を受けて・・・。 様々な人形がおりせに話しかけ・・・というストーリーはファンタジーでもありますが、一面では気味悪くもあります。 また、おりせ、20歳と当時としては行き遅れという年頃であるためなのかその口調に若さが感じられず。 由原かのんさんの時代作家としての力量は感じるのですが、どこか陰も感じられて、手放しで楽しめるという感想にはならず。 本作、読み手の好み、受け取り方次第で、評価はかなり異なってくるだろうと感じます。ちょっと惜しまれます。 夜々の空蝉(せみ)/よしやわざくれ/とたんかたん/たそかれ/心の駒 |