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「風読みの彼女 The Wind-Reading Girl」 ★☆ |
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風はいろいろな出来事を記憶している。 そして僕が恋したあの人は、風を集めて、それら風の記憶を読むことができる女性。 そんなファンタジーな設定にちょっと惹かれて読んでみたのですが、主人公もその彼女もやたらマンガチックな印象。 せっかくのファンタジーなのにちょっと残念、と感じてしまった次第。 舞台は横須賀。 主人公の野々村帆高(22歳)は、ある事情からダメ人間となり、そのままヒキコモリに。 いい加減業を煮やした母親にせっつかれ、どうにか見つけたバイト先が、<風読堂>というガラス雑貨専門店でのアシスタント仕事。 店主は、級長戸辺風架(しなとべ・ふうか)という若い女性。 そしてその仕事はというと、ガラス雑貨販売のほかに、困りごとを抱えた人からの依頼による“風読み”という。 風読みの依頼には、それぞれ深い事情が関わっています。それらの問題を、風の記憶を用いて解決してあげることができるのか。 元ヒキコモリの帆高と不思議ちゃんというイメージの風架、その二人の珍妙コンビによる、問題解決型連作ストーリー。 ・「春一番」:帆高、風読堂へ。 ・「花 嵐」:倉光若葉という高校生からの依頼。両親が結婚してから今日までの想い出を集めてほしい。 ・「青 嵐」:須賀礼子という初老女性からの依頼。12年前死去した息子の臓器を提供した相手、その今の姿を見たい。 ・「金 嵐」:小野俊一という会社員からの依頼。有名画家となった父親が人生の最後にしたいことを突き止めてほしい。 ・「北 風」:井田隼人という高校生からの依頼。幼馴染みの女の子にラブレターを届けると同時に別れを伝えてほしい。 ・「花信風」:帆高への母親からの贈り物は・・・。 プロローグ.春一番/1.花嵐/2.青嵐/3.金嵐/4.北風/エピローグ.花信風 |