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「置き去りのふたり」 ★★ | |
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主人公の香野みちかは、大学スポーツサークルでの出会い以来、三木空人と松下太一とずっと親友の間柄だった。 ・・・というより、いつも明るく誰からも好かれる人気者だった空人のことを、みちかと太一はそれぞれにずっと想っていた。 その空人が、卒業から一年後、突然にして恋人との心中で死んでしまう。 さらに葬儀の後、太一とみちか宛ての手紙が届く。その手紙には「俺はふたりをいつまでも恨んでいるよ」という文章が。 強いショックを受けた2人は、それから空人に何があったのか、自分たちが恨まれる理由は何だったのか、を調べ始めます。 その結果2人が知ったのは、自分たちに示していたのとは全く別の顔の空人だった・・・。 ちょっと探索もの(ミステリ)という雰囲気もあります。 しかも、卒業後ではなく、大学在学当時から、自分たち2人が全く気付かなかった空人の人物像が次々と明らかになっていくのですから。 でも本質的にはミステリではなく、好きだという気持ちをずっと捨てきれずにいた相手への気持ちに決着を付け、新たな出発に踏み出すまでのストーリィ、と言って良いでしょう。 そこに至る過程にミステリがあったというのがミソでしょうか。 第一章〜第七章/終章 |