石持浅海作品のページ No.4



31.「真」犯人 

32.花嫁と殺し屋−殺し屋 No.5− 

33.血塗られた手は、汚れていない 

【作家歴】、月の扉、扉は閉ざされたまま、まっすぐ進め、心臓と左手、Rのつく月には気をつけよう、温かな手、君の望む死に方、ブック・ジャングル、彼女が追ってくる、玩具店の英雄

→ 石持浅海作品のページ No.1


フライ・バイ・ワイヤ、届け物はまだ手の中に、わたしたちが少女と呼ばれていた頃、相互確証破壊、凪の司祭、罪びとよやすらかに眠れ パレードの明暗、殺し屋やってます、鎮憎師、賛美せよと成功は言った

 → 石持浅海作品のページ No.2


崖の上で踊る、不老虫、Rのつき月には気をつけよう−賢者のグラス、殺し屋続けてます。、君が護りたい人は、新しい世界で、高島太一を殺したい五人、あなたには殺せません、女と男そして殺し屋、夏休みの殺し屋

 → 石持浅海作品のページ No.3

  


     

31.

「「真」犯人」 ★★   


「真」犯人

2025年10月
祥伝社

(1800円+税)



2025/11/04



amazon.co.jp

ひと口にミステリといっても、謎解きの面白さを味わう“本格ミステリ”と、捜査プロセスを楽しむ“倒叙推理”という2パターンがありますが、無実の者を犯人にでっち上げる“冤罪ミステリ”なんて、本当にあり?

舞台は山梨県都留市、廃校になった小学校校舎を利用した<
芸術村>。
そこには、芸術家の卵9人と、彼らを支援するオーナーの「
村長」と3人のスタッフ(寮母、番頭、丁稚)、さらに居候一人(書生)が暮らしており、芸術活動・支援活動に勤しんでいる。
本作の主人公となるのは、丁稚の「私」、27歳の女性。

ある日、発明家である「
エジソン」が自部屋で殺され、傍に恋人である歌人の「小町」も血を流して倒れているのを、私が発見します。
殺害犯人は小町なのか? 小町の才能に期待する村長は、小町を懇意の医者の元に運ばせると共に、私へ○○を「真」犯人にでっち上げるストーリーを作るよう指示します。
元小説家志望だった私は、当初こそ困惑したものの、次第に冤罪ストーリー作りに夢中となり・・・。

ストーリーを考えるのは丁稚である私、それを検証するのは寮母という形で、“逆・謎解き”が展開していきます。
しかし、予想外の事態が再び発生し・・・。

石持さんのミステリは、こうした奇抜さがやはり面白い。
本当に冤罪は成立するのか、いやいやそんなこと許されない、という処ですが、さて結末は如何に。そこが面白さです。

序章/1.芸術村/2.初期対応/3.偽装開始/4.犯人候補生/5.善人たちに囲まれて/6.事件の構築/7.過去と現在/8.仕切り直し/9.一般人の視点/10.「真」犯人/11.芸術家たち/終章

      

32.

「花嫁と殺し屋」 ★☆   


花嫁と殺し屋

2026年05月
文春文庫

(750円+税)



2026/05/30



amazon.co.jp

「夏休みの殺し屋」に続く“殺し屋”シリーズ第5弾。

このシリーズ大好きです。謎の推理が重要事ではなく、付け足しという位置づけであるところが楽しい。
でも、殺し屋本人はいざ知らず、ミステリである以上読者にとっては一番の関心事なのかも。
とはいえ、標的をどう殺すかにも関心はあるのですけど。

ストーリー構成は、前巻とおり。
5篇中、
富澤允が殺し屋を務める篇と、鴻池知栄が務める篇が交互に2篇ずつ、そして最後の篇では互いに知らないまま富澤と鴻池が殺しを競演します。
ただ今回、あまり興奮しなかったなァ・・・。
それでも面白いことは面白いですし、好きなシリーズであることに変わりはないのですが。

・
「一礼」:富澤篇。標的の会社員、出勤途中に必ずある家に向かって一礼。何故?
・
「生きていたら」:鴻池篇。鴻池の手伝いをする本多元、標的である会社員、夜公園で南京錠を振り回す練習を。何故?
・「
宴の後」:富澤篇。外部セミナーで出会い仲良くなった男女4人。男たちより女たちの方が余程に巧妙だった?
・
「後から後から」:鴻池篇。依頼を引き受けた後、次々と追加依頼あり。何故?

・
「花嫁と殺し屋」:近々結婚する男女。富澤、鴻池にそれぞれ片方を結婚後に殺して欲しいとの依頼。何故そんな依頼が?

一礼/生きていたら/宴の後/後から後から/花嫁と殺し屋

       

33.

「血塗られた手は、汚れていない」 ★☆   


血塗られた手は、汚れていない

2026年09月
光文社

(1800円+税)



2026/10/16



amazon.co.jp

私立の名門進学校、その三年生の教室で、他クラスの女生徒が包丁を持って乱入、それを取り押さえようとした男子生徒と揉み合いになり、その結果女子生徒が死んでしまうという惨劇が起こります。その二人は、元々小学校時代からの親しい仲間。それだけに男子生徒が受けたショックは大きく、不登校に・・・。

本ストーリーはそれから半年。
上記二人(
和沙・駿貴)と共に、小学校からの仲良しでシーカヤック同好会で仲間だった他の男女6人は、それぞれ合格した大学に進学済。
駿貴がようやく回復し、大学後期から通学予定であると知った彼らは、駿貴を迎えて半年遅れの卒業旅行をしようと、相模湖への一泊旅行を企画します。
久しぶりに一堂に会した7人でしたが、その途中、和沙の事件を思い出させようとするような不審事が相次いで起こります。
いったい誰が、何の目的でそれを行ったのか?

そうした中で、各自が隠していた事情、複雑な胸の内が次々と暴かれて行きます。
和沙は何故あのような行動を起こしたのか、そして誰を傷つけようとしたのか、その原因を作ったのは誰・・・?

石持さんらしい、設定の妙、そして仲間、友情という青春要素、それらを舞台にしたミステリ。
一人一人の告白によって事実が明らかになっていくかと思えば、真相は一転二転。そして最後に、大逆転という仕掛け。
その辺りはまさしく石持浅海さんらしさ全開なのですが、そもそもの、起きた事件内容と半年後の彼らの姿に、残念ながらもう一つ得心が行かず、という感想になりました。

※しかし、本作の題名、生々しいなぁ。

序章/1.復活/2.影/3.記憶/4.百物語/5.その手は、汚れていない/終章

        

石持浅海作品のページ No.1 へ   石持浅海作品のページ No.2 へ

石持浅海作品のページ No.3 へ

        


  

to Top Page     to 国内作家 Index