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【作家歴】、その角を曲がれば、フュージョン、トーキョー・クロスロード、レッドシャイン、碧空の果てに、白い月の丘で、木工少女、紅に輝く河、レガッタ!、レガッタ!2 |
くりぃむパン、レガッタ!3、石を抱くエイリアン、ことづて屋、ことづて屋−停電の夜に−、アカシア書店営業中!、ことづて屋−寄りそう人−、この川のむこうに君がいる、谷中の街の洋食屋−紅らんたん、南河国物語 |
夏休みにぼくが図書館で見つけたもの、with you、野原できみとピクニック、マスクと黒板、空と大地に出会う夏、シタマチ・レイクサイド・ロード、金曜日のあたしたち、はじまりは一冊の本!、となりのきみのクライシス、girls |
「あたたかな手−なのはな整骨院物語−」 ★★ | |
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新米柔道整復師の西田春哉(27歳)が働くことになったのは、緑野町にある<なのはな整骨院>。 ベテラン整復師である藤本達生院長、浅川なつき先生の指導の下に、常連客、近所の人、緑野小学校の子どもたち、さらには地域ネコと関りながら春哉の新しい日々が始まっていきます。 整骨院といっても通ってくる人々の症状等は様々。 題名の「あたたかな手」は、患者たちの痛みを和らげる先生たちの手が温かいということを差していますが、身体の不具合だけでなく、心の改善にも及んでいくようです。 温かいというのは、施術する手だけではなく、施術側の心にも通じるものなのでしょう。 なのはな整骨院が入居しているのは5階建マンション。 その五階で父親と二人暮らし、なのはな整骨院のお花係を自称している丸山ひかりという小学6年生の存在が面白い。 浅川先生曰く、「フシギな子」なのだと。 少年野球チームのエースである木下凌太( 6年)、何か隠している様子の岡部星良( 3年)、祖父に付き添う森颯佑( 5年)、ひかりと仲良くなった島田美桜( 6年)、彼ら小学生を、自分たちの身内のように気遣う先生たちの温かさが気持ち良い。 濱野京子さんらしい作品ですねぇ。 1.はじめまして/2.お花係のひかり/3.エースの右肘/4.ささやかな晩餐/5.父と子/6.ピンクの長袖の少女/7.魔法が解けるとき/8.地域ネコのマル/9.おじいちゃんの杖/10.親と子/11.颯佑のねがい/12.肩凝りの少女/13.夏の花/14.また明日 |
「こんな部活あります わたしは、跳ぶ!−トランポリン部−」 ★★ | |
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学校スポーツを題材にした作品は随分と読んできましたが、今回の舞台は中学校、そして中学には珍しいトランポリン部。 そしてその部活の特徴は、努力、励む、試合といったスポーツ部特有の要素はなく、とにかく参加し3人という人数が揃ってくれればいいという、極めてユルい部。 主人公は、春休み中に引っ越してきてそのまま朝木市立朝木中学校に入学した庄司瑠理花。 真面目にコツコツするタイプなので勉強の方はまあまあですが、運動は苦手、という女子。 ところが体育館で、高く跳ぶ部員たちの姿を見て引き込まれ、ユルい部だからと勧められ、そのまま入部。 1年生一人、2年生二人、新1年生二人という少人数であるとはいえ、中々に個性的な面々が揃った部。 真面目に部活動に参加する内、また個性的な面々と関わり合う内に、瑠璃花にも少しずつ変化が生じていきます。 トランポリンというちょっと興味惹かれる部活を舞台に、中学生のちょっとした友情&成長ストーリー。 楽しさと気持ち良さが満溢している作品、私は好きです。 ※体育系の部活でもユルい部があっても良いと思うのです。そうでないと運動が苦手という生徒は、体育系の部活をしたいと思っても行き場所がありませんから。 ※なお、トランポリンを題材にした作品、趣向は違いますが、過去に読んでいました → 桂望実「頼むからほっといてくれ」。 1.運命の出会い/2.ユルすぎる部長/3.チャラ男とダイエット男子/4.不機嫌な新入部員/5.コーチが来た/6.麦先輩の事情/7.秋山くんの腹落ち/8.一瞬のスキ/9.くやしいキモチ/10.海里のヒミツ/11.だれのために跳ぶのか/12.めざすものは |
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