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1.ウメ子 2.恋する音楽小説 4.マチルデの肖像 5.スープ・オペラ 6.婚約のあとで 8.うからはらから 9.正義のセ 10.正義のセ2 11.正義のセ3 |
負けるもんか |
ときどき起きてうたた寝し、メダカの花嫁学校、男は語る、あんな作家こんな作家どんな作家、きりきりかんかん、どうにかこうにかワシントン、阿川佐和子のお見合い放浪記、おいしいおしゃべり、蛙の子は蛙の子 |
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いい歳旅立ち、もしかして愛だった、阿川佐和子のワハハのハ、モテたい脳モテない脳、太ったんでないのッ!?、トゲトゲの気持、オドオドの頃を過ぎても、けっこん・せんか、ピーコとサワコ、空耳アワワ |
アガワとダンの幸せになるためのワイン修行−ゴージャスワイン編、アガワとダンの幸せになるためのワイン修行−カジュアルワイン編、男女(オスメス)の怪、阿川佐和子の会えば道づれ、グダグダの種、阿川佐和子の会えばなるほど、阿川佐和子の会えばドキドキ、この人に会いたい8、聞く力 |
●「ウメ子」● ★☆ 坪田譲治文学賞 |
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2002年02月 1999/02/02 |
佐和子さん初めての長編小説とのこと。(「天性が迸る」という帯文句はかなり大袈裟、と思う) 主要な登場人物は、幼稚園児のみよちゃん、兄のけんちゃん、ウメ子とその両親たち。 ※檀ふみさんのコメントは「みよがアガワの分身なら、ウメ子はきっと私……なわけないか」 |
●「恋する音楽小説」● ★☆ |
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2004年11月 |
NHK・FMラジオから、クラシック音楽を流す間のナレーション用の物語を書いて欲しいと頼まれたのが、本書のきっかけだったそうです。 妹へのレクイエム/前略アマデウス様/女たちのドン・ファン幻想/男なんてそんなもの/兄の旅/妻ハリエットの独白/夫に宛てた手紙/妹の事情/あたいはドルシネーア/もう一つのフランス革命/チーズ屋のオーロラ姫/興行師とダンサーの愛/妖精たちのシンデレラ/ソルヴェイグの旅/ママちゃんの夢/アリス・グッドマン物語/ムーラン・ルージュの秘かな恋/アリスと猫の旅/足長おじさんからのEメール |
●「屋上のあるアパート」● ★ |
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2006年08月 |
「ウメ子」「恋する音楽小説」に続く、3冊目の小説本。 しかも、大人向きの“ちょっぴりほろ苦いコメディ”とのこと。 主人公の麻子は、結婚に縁が無く、改めて就職して手がけるようになった編集の仕事に遣り甲斐を見出したところでしたが、あえなく会社が倒産。それを機に独り立ちしようと、両親の元を出てアパートで一人暮らしを始めた、というのが本ストーリィの出だし。 一応小説としてはまとまっていますし、ストーリィも素直に読んでいけるのですが、結局はそれだけで終わってしまったかな、というのが正直な思い。 |
●「マチルデの肖像−恋する音楽小説2−」● ★ |
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2007年07月
2003/08/04 |
「恋する音楽小説」の第2集。 マチルデの肖像(リヒャルト・ワーグナー)/父と「大地の歌」(グスタフ・マーラー)/リゴレットの哀しみ(歌劇「リゴレット」より)/ジェニーの記憶(スチーブン・フォスター)/エピータの男たち(ミュージカル「エビータ」より)/びろうどの声の妹(ソプラノ歌手カスリーン・フェリア)/スーザのヒゲ(マーチ王ジョン・スーザ)/ローレライ・ホテル(ローレライ伝説によせて)/シェエラザードの秘密(千夜一夜物語)/エルガーの愛(エドワード・エルガー)/二足のわらじの音楽家たち(ホフマン、パデレフスキ、アイブズ)/コンドルと少年(南米の民話と民謡)/母のための子守歌(ミュージカル「メリー・ポピンズ」より)/女スパイ大作戦(スパイ音楽総動員)/七福神がやってきた(筝曲「七福神」より)/メサイアの歌声(ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル) |
●「スープ・オペラ」● ★☆ |
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2008年06月
2005/12/17
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滑らかに読み始められ、ストーリィの最後までその変わることがない。 主人公は35歳独身の島田ルイ、大学の事務局勤め。幼い時に母親が死んで叔母にずっと育てられ、その叔母=楢崎藤子(トバちゃん)とずっと二人暮し。 主人公ルイの鷹揚で素直、かつ芯は強いという性格も気持ち良いのですが、彼女の食への関心が楽しい(人生で大切なことは、男の機嫌をとるより美味しい食事にありつくことかもしれない)。 |
●「婚約のあとで」● ★★ 島清恋愛文学賞 |
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2010年11月
2008/03/18
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男との関係について“選択”をする女性たちの姿をリレー形式で描いた連作短篇集。 一口に男との関係と言ってもその相手は幅広く、婚約者から不倫相手、浮気した夫から元亭主等々と実に様々。それに合わせるかのように主人公となる7人の女性たちの年代、人となり、置かれた状況、行動ぶりも多彩です。 要は本書、とことん女の側にだけ立って描かれたストーリィ。その分、本書に登場する男たちの影は薄く、弱々しい。 最後の最後まで、7篇を通したストーリィのうねりがあって、余さず残さず楽しめる、というところがお見事。読み終わった後も振り返って噛み締めてみれば、ますます味がにじみ出てくる、という風。そのあたりが本書の魅力です。 波/碧/真理/優美/凩/宙/花/波 |
●「ギョットちゃんの冒険」● ★☆ |
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2008/08/11
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森の家でケッヘル博士と二人暮しの女の子、ギョットちゃんが繰り広げるファンタジーな物語。 怖いもの知らずで好奇心いっぱいのギョットちゃん、読みながらふと子供の頃読んだ「長靴下のピッピ」を思い出したのですが、ふくろうのおじいさん、賑やかなアヒルの一家、リスの愉快なカップルに、女王蟻、警戒心強いカラス一族等々と、次々といろいろな動物、鳥、魚たちが登場するのを見ると、これは佐和子さん独自の世界なのかもしれません。 ついつい佐和子さんというと愉快なエッセイの名手というイメージが捨てきれないのですが、本書を読むに至って漸く、佐和子さんのおとぎ話に関する感性の豊かさを感じるに到りました。 最後に、ギョットちゃん、ケッヘル博士、男の子のイリヤ、料理上手のミセル・カーメルをはじめ、本書に登場した生き物すべてが参加して繰り広げられる運動会の模様がとても楽しい。 |
●「うからはらから Good and bad fortune are next-door neighbors」● ★★ | |
2014年03月
2011/03/13
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「うから」は親族、「はらから」は同胞、だそうです。 最初の語り手は、元編集者である室田昭夫42歳。 登場人物7人が代わる代わる語り手となって綴られていく9章からなる長篇作品。 嫉妬の距離/妻が来た/乳と暮らせば/僕の兵隊/ホルモンの歌が聴こえる/こころ痛めて/母娘戯画/種の起源/いつも偽家族 |
9. | |
「正義のセ」 ★☆ | |
2016年08月
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東京下町にある豆腐屋の娘=竹村凛々子は子供の頃から正義感の強い性格。小学校の時のふとした言葉がきっかけになって彼女が選んだのは<検事>の道。しかし、真っ直ぐ過ぎて機転・融通の利かない性格故に、歩む道は前途多難。 法曹ものとはいっても、かなりバタバタ青春コメディ的にして下町人情もの風ストーリィ。ですからそれなりに面白く、気軽に読み進める作品です。 実家の両親・祖母に、豆腐屋三代目を継いだ妹の温子、同僚や先輩検事たちも賑わしくと、アットホームな物語です。 続編「正義のセ2」「正義のセ3」も、3月に同時刊行予定。 1.妹の散歩/2.夜明けの家族会議/3.どうせ私はダメダメの、ダメ女ですよ |
10. | |
「正義のセ2」 ★☆ | |
2017年01月 2013/04/16 |
女性検事=凛々子の成長を描くシリーズ第2弾。今回は、 前作と変わらず、ドタバタ基調。 1.二つの事件/2.戦争です、これは!/3.再会 |
11. | |
「正義のセ3」 ★☆ | |
2017年04月
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「正義のセ2」から連続するストーリィ。「2」で発生した各種トラブルの後編、いわば収拾篇とでも言うところです。 「正義のセ」でキャリアウーマンの成長ストーリィと評しましたが、主人公=凛々子にやや成長も見られますが、ドタバタ基調であるだけに物足りず。実際の中堅検事がこんなに世間知らずで毎度アタフタしていては困りますよ。 ややネタバレになってしまいますが、 キャラクター設定、舞台設定等に物足りなさを感じるところはあるものの、楽しくスイスイと読めるところは佐和子さんの良さ。 1.「明日香?」/2.姉の決断/3.太陽とそら豆 |
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