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2.井上成美 3.志賀直哉 4.雪の進軍 5.七十の手習ひ 6.蛙の子は蛙の子 7.葭の髄から 9.春風落月 10.人やさき 犬やさき |
大人の見識、言葉と礼節、天皇さんの涙、文士の好物 |
●「米内光政」● ★★ |
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1982年05月 1994年08月 |
「山本五十六」に引き続いて読了。深く感銘を受けた作品です。
本作品は、米内光政を完全な人間として描いているわけではなく、第三者から見た米内を詳細に描き尽くしています。したがって、米内の無口さ、見識は高いながらも指導力に欠ける点も、彼の欠点として指摘されています。しかし、その見識の正確さ、信念に対する無心な努力は、尊敬されるべきものでしょう。 |
●「井上成美」● ★★★ 日本文学大賞(学芸部門) |
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1992年07月 1994年08月 1986/09/27 |
「山本五十六」「米内光政」と続く海軍3部作の最終作、「海軍きっての知性」と言われた最後の海軍大将・井上成美を描いた作品です。 本書は、一般の伝記もののように、年次順に井上のことを取り扱っていません。戦後の悲惨と言いたいような清貧生活、海軍時代を、織り合わせるかのように書き綴っています。そうした手法が単調な伝記ものになることを防ぎ、井上成美という人間の、不可解なまでの潔癖さを強く浮き彫りにしています。 また、もうひとつ感銘を受けたのは、兵学校時代の彼の考え方です。文官たちを蔑視せず、“教養ある者の責任感”を評価する態度は、現代にも通じる重要なことのように思います。読みながら、目の覚める思いでした。 |
●「志賀直哉」● ★★★ 野間文芸賞・毎日出版文化賞 |
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1997年08月 |
阿川さんは、志賀直哉の最後の方にあたる弟子だそうです。本書はその弟子の手による、
志賀直哉の素顔をありのままに書いた評伝と言って良いと思います。 |
●「雪の進軍」● ★★★ |
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2001年02月
1996/10/27 |
日経新聞の書評において賞賛されていたのを読み、買い込んだ本ですが、読み損なわずに済んで
本当に幸せだった、と実感した一冊です。 中でも面白かったのは
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●「七十の手習ひ」● ★★ |
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1999年11月 1997/03/19 |
「雪の進軍」に味をしめて読んだ、2冊目のエッセイ。 二番煎じとなっただけに「雪の進軍」を読んだ時程の感激はありませんでしたが、本書もまた充分楽しめました。 中でも面白かったのは
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●「蛙の子は蛙の子」(阿川佐和子・共著)● ★★ |
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2000年06月
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父と娘の往復書簡集とは、筑摩の担当者もうまいことを考えたものです。この一冊の魅力はそこに尽きると言って過言ではありません。 |
●「葭の髄から」● ★ |
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2003年11月 2001/12/22 |
かなり古い話が多いなァ、というのも事実。 |
●「酔生夢死か、起死回生か。」(北杜夫・共著)● ★★ |
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2006年09月
2002/02/18 |
もういつ死んでも不思議ないという、老作家2人のとりとめもない対談集、と言えばそれまでなのですが、長年にわたるファンとしては、とにかく楽しいのです。 まえがき−阿川弘之さんとの旅/貴重なる最後の対談/朦朧寝不足対談/酔生夢死か、起死回生か。/死に方の流儀/われらが"俊ちゃん"を語ろう(注:宮脇俊三さんのこと)/食いしん坊の食卓/あとがき−お相手役はつらいよ ※「波」2月号に、お2人の愛娘・阿川佐和子さんと斉藤由香さんの対談が掲載されていました。題して「怒る父、騒ぐ父、嘆く娘」。娘さん同士の対談も、結構楽しいです。なお、由香さん提案の対談タイトルが愉快でした。→「偉大な乳(父)をもつサワコ、ちゃんとしたチチが欲しかった(ユカ)」 |
●「春風落月」● ★★ |
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2005年04月 |
今や、普通の人が書いたようなエッセイが多い中で、いかにも“文筆家”が書いた、という風格あるエッセイ集。 収録されているエッセイは種々雑多ですが、中ではやはり人柄を強く偲ばせるものが特に面白い。 (抜粋) |
●「人やさき 犬やさき 続 葭の髄から」● ★ |
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「文芸春秋」巻頭エッセイの単行本化。「葭の髄から」の続編です。 閑話休題。長女・佐和子さんの活躍状況から、今や阿川弘之=“阿川佐和子の父”と認識されることが多いのではないかと思うのですが、こうしてエッセイを読んでいると未だ未だ阿川弘之老健在なり、というところでしょうか。 |
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