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1.ピグマリオン 「続編」の紹介付 2.聖女ジョウン |
●「ピグマリオン」● ★★★ |
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1977/10/24 |
人気ミュージカル“マイ・フェア・レディ”の原作で、私の愛読書のひとつです。 「ピグマリオン」というのは、ギリシャ神話の主人公。自分が作った像ガラティアに惚れこみ、愛と美の女神アフロダイテに願って像に生命を吹き込んでもらい、結婚するという神話。 本書のストーリィについては今更紹介する必要もないと思いますが、音声学者ヒギンズが、同業ピカリング大佐と賭けをし、下層階級の花売り娘イライザ・ドゥーリトルに正確な英語と礼儀を仕込み、公爵夫人に間違われる位までに仕立て上げよう、というもの。 でも、原作を読むと印象はちと異なります。 ※「続編」について↓ |
●ピグマリオン「続編 Sequel」1915 について 実は、ショーは「ピグマリオン」の続編を書いており、1916年出版の単行本に収録して発表しています。 要は、ヒギンズというのは身勝手な男であり、イライザが結婚を承諾したとしても、その姿勢は変わることはないだろう。 一旦イライザを引き受けたヒギンズとピカリングの責任は、まるでくされ縁のように終わることがない、というのがショーの描いた3人の関係のようです。 |
●「聖女ジョウン」● ★★ ノーベル文学賞 |
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6場+エピローグからなる歴史劇。 ジョウンの登場、戦場におけるジョウンの振舞い、そして宗教裁判へと、順を追って劇は展開されます。 敵味方の間に挟まれて、世間知をもたないジャンヌがいる、そうした構図が見えてきます。ジャンヌの裁判は公平なものだった、というのが本作品の特徴でしょう。 天才の出現によって、社会における指導者達の立場を失わせてもらっては困る、したがってジャンヌのことは歴史的必然性に基づくものとして肯定せざるをえない、というのがショーの考えのようです。 |