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1.セルフ・ヘルプ 2.あなたといた場所 |
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●「セルフ・ヘルプ」●
★☆ |
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1989年 1994年09月 |
ハウツー本のような文章スタイル、年月を逆に遡っていくような進行等、様々なスタイルで綴られている短篇集。 小説ですから、一応ドラマチックな物語要素を含んでいる筈なのですが、「○○しなさい」、「○○しましょう」、といった文章であっさり綴られると、そのストーリィが世間でありきたりの話のように思えてきます。同時に、主人公たちを客観的に眺める視点が明確となり、新鮮な印象を受けます。 本書は、作者ムーアが28歳の時に書いた処女短篇集であり、原題は“Self-Help”。いかにも若い世代に受けそうな題名です。 |
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●「あなたといた場所」●
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1995年03月
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原題の“Anagrams”とは、ある言葉の文字をばらばらにして組替える遊びのことだそうです。 |
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●「サンタクロースの忘れもの」● ★★ |
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2001年11月
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ごく薄い一冊。読み始めるとすぐ読み終わってしまうような、あっさりとした本です。感動というより、短篇としての上手さが印象に残りました。 ※クリスマスにお薦めしたい本、もう1冊は サラモン「クリスマスの木」。 |
| 4. | |
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「死んでいる元カノとの旅」 ★★ |
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2026年04月
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先週に余命宣告された青年と見知らぬ女性とのロードノベル(「空、はてしない青」)を読んだばかりだというのに、今度は停職中の高校教師と自殺した元カノ(ゾンビ?)とのロードノベルだなんて、何という奇遇か。 主人公のフィン、死期間近でホスピスに入院した兄マックスの見舞い中に、元恋人のリリーが死んだという連絡を受けます。 元々自殺願望を抱えていたリリー、ついに叶えてしまった。 リリーが埋葬された墓地にフィンが駆けつけると、何とそこには白い布に包まれたリリーが立っていた。 そしてフィンは、リリーがかねてから希望していた<死体農場>までリリーを送るため、車で走り出す。 とにかく会話の多さが印象的。ではその会話に何か意味があるのかというと、余り無さそう。 マックスとの会話についてはただしゃべり続けているだけ、という感じ。まるでマックスを死から留めおこうとしているかのようです。 冒頭に、そして途中、南北戦争直後の女性エリザベスが、亡き妹に宛てた手紙が挿入されていますが、それもまた手紙という形で妹がまだ存在していると信じていたいという気持ちの表れなのでしょう。 一方、フィンとリリーのとりとめのない会話も基本的に上記と同様なのですが、生前とうって変わり、ちょっと腐りかけだという死後のリリーの方が落ち着き払っていてフィンより優位に立っている感じが面白い。 二人の会話、やりとりは、滅多にないシチュエーションだけに十分楽しめます。 ただ、文章をひたすら読む限りではどうということもありませんが、実際の状況を想像してしまうとつい・・・。 愛する人の死に際して、ジタバタしてしまうのは所詮、生きている側だということなのでしょう。 でもそれは当たり前のことですし、ジタバタしたからといって当人が生き返る訳がないのも当然のこと。 人はそれを甘んじて受け入れるしかないのだ、と伝える作品。 |