キム・ウィギョン作品のページ


Kim Eui-Kyung 1978年韓国生。2014年韓国経済新聞社の新春青年文芸コンテストに「青春破産」が入選して作家デビュー。18年長篇小説「コールセンター」にて第6回秀林文学賞を受賞。

 


                           

「ハロー、ベイビー」 ★★★
 原題:"Hello Baby"
 
       訳:小山内園子




2023年発表

2026年06月
新潮社

(1950円+税)



2026/07/16



amazon.co.jp

不妊治療に苦しむ韓国女性たちを描いた長編。

出生比率が世界でも最下位レベル、日本よりも低い韓国での話ですから、それだけ切実な印象を受けます。
登場する女性たちは、不妊治療の専門病院で出会い、
トークルーム“ハローベイビー”で繋がり合った6人+α。

ことさらに描かれるのは、体外受精の辛さ。
いや本当に、身体的な痛みと負担は過酷です。そのうえ受精に成功したとしてもあっという間に流産、ということも多いのですから。
何故、そこまでして子どもを産まなくてはならないのか。
自分が産みたいから、という理由だったらそれは止むを得ないことでしょう。でも、義父母や親族からのプレッシャーによるものだったとしたら、こんな苦しみはないでしょう。

そんなトークルームに、一年間音沙汰のなかった最年長メンバーから、赤ちゃんを産んだ、という知らせが入ります。
仲間内でさぞ妬みの感情も・・・・と思ったのですが、苦しみを共有するメンバーたちは喜び、すぐお祝いパーティを開こうということになります。しかし・・・。

本作の素晴らしさは、彼女たちの連帯感にあります。
なぜそんな連帯感が生まれたのか。それを考えると、胸が締め付けられる思いがします。
不妊治療という現代における大きな問題、是非男性も読んで共有して欲しいと思います。

・カン・ムンジョン:44歳、フリーライター。
・ハン・ジウン:38歳、体外受精のため仕事を退職。
・ユン・ソラ :37歳、獣医師。
・イ・ヘギョン:44歳、離婚専門の弁護士。
・ジャン・ウナ:37歳、警察官。
・キム・ジョンヒョ:46歳。


第一部/第二部

    



新潮クレスト・ブックス

   

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