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●「キ ス」●
★★ |
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1998年05月 2004年07月
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著者自身の父親との関係をノンフィクションとして書き上げた作品。 静かに真実のみを書き綴っている、という雰囲気が印象的。 父親と母親と本人との緊張関係、また母親と祖母との緊張関係がそこにはありますが、それ以上に子供の頃からその緊張関係に放り込まれ翻弄されてきた娘(著者)の悲しみを深く感じます。 ※本書のことはともかくとして、アメリカ小説の題材になんと近親相姦が多く出てくることか。最近読んだ中では、A・ヘイリー「殺人課刑事」もそうでした。経済的に豊かである一方で精神的に病んでいるアメリカという社会に、危惧を感じざるをえません。 |