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        1990年発表 1992年1月講談社文庫刊
 1996年4月特装ハード
 カバー本刊
   1993/01/12   
         | MWA・CWA処女作賞の同時受賞作品。主人公は、ケイ・スカーペッタという40歳で離婚歴のある女性検屍局長。
 検屍局という職業自体、小説探偵の職種としては珍しいのではないでしょうか。本書は、そのスカーペッタが、連続暴行殺人の犯人を追うストーリィ。
 本書の主人公が女性である点に、本書の面白さの鍵があります。女性だからといって、ガセネタまで作って彼女の足をすくおうとする、上司である衛生局長が登場する。その他にも、女性だからといって偏見をもつ男性達は、彼女の周辺に多くいます。それらに負けず、確かな実績を挙げて活躍するところが、スカーペッタの魅力でしょう。
 本書はストーリィとしても良くできていますし、舞台設定もお見事。読み進むにつれ、犯人がスカーペッタの男友達である地方検事に思えたり、上司の衛生局長、或いは担当の刑事ではないかと、スリルがあって十分に面白い。
 ケイ・スカーペッタという主人公像が魅力の、本格的サスペンス小説です。
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