☆50MHz バンドの使われ方。(50-52MHzまで編)☆ BAND PLANについては以下のURLを参照してください。   http://www.jarl.or.jp/Japanese/A_Shiryo/A-3_Band_Plan/bandplan20150105.pdf 以下、現実の使われ方を補足します。 あくまで慣習であり、法的にはBAND PLANに違反しなければ運用は可能ではあります。 ★50.000-50.100MHz CW 専用周波数 ◎50.000-50.050MHz 国内ビーコン 50.010 JA2IGY 三重県伊勢市 50.017 JA6YBR 宮崎県宮崎市 50.027 JE7YNQ 福島県福島市 50.037 JR6YAG 沖縄県糸満市 ◎50.050-50.080MHz 国内向けCW運用  CW/Phoneを切り替えて運用する人は50.150MHz以上が多い。 ◎50.080-50.100MHz DX向けCW運用 ★50.100-51.000MHz CW 狭帯域の電話・電信・画像 ◎50.100-50.150MHz DX向けPhone(CW)運用    50.110MHz は国際的にもDX Window として使用されています。   JAでは50.080MHz〜50.150MHzはDXの入感に備えてクリアーにしておこうという慣習があります。 HFのDXに比較して入感頻度の少ない6m DXですので、QRMで潰されないよう国内向け運用との住み分けがキッチリされています。 サイクルのピーク時のW大オープン時には 50.100-50.300MHzまでWでぎっちり埋まることもあります。                ◎50.150-50.500MHz 国内向けPhone(SSB)運用 国内向けSSB運用のほとんどがこの範囲内で行われています。またPhoneとCWを切り替えながら運用する方もこの範囲内が  多くなっています。ワッチしていると分かりますが、50.200MHz付近が人気が高いようです。 ビーコン 50.480 JR8YPC 石狩郡当別町 50.490 JG1ZGW 東京都大田区 また高い周波数でHROですが 53.755MHz JH9YYA福井県永平寺町 ◎50.200-51.000MHz 国内向けDATA(RTTY,SSTV,JT65,FT8等)運用。 RTTYは移動局はその時々の周波数で出るか、過去のバンドプランの名残で多くの方が 50.300MHz以上にQSYしての運用がされています。 JT65の運用が 50.276MHzで行われています。夏のマルチホップEsでDXが入った時は、JA同士のQSOからの混信を避けるため前後の周波数を使うこともあります。 MSK144の運用が 50.260MHzで行われています。 アナログSSTVのCQが 50.300MHz で時々出ています。 米国サイドでは 50.303MHz をFT8のちょうど 50.110MHzの様なDX Window的な使い方が提案されています。 夏のマルチホップEsでDXが入った時は注意が必要です。 WSJT-Xによって 50.310MHz が JT65用の周波数に指定されています。JAでは主に 50.276MHzを使用していますが、夏のマルチホップEsでDXが入った時は注意が必要です。 FT8の運用が 50.313MHz で行われています。JT65同様夏のマルチホップEsでDXが入った時は注意が必要ですが、基本的に国内QSOはここで行いましょう。 FT8の夏のマルチホップEsでの大陸超えDX通信専用の周波数として 50.323MHz を使おうという取り組みがあります。国内局同士の通信には用いないでください。 JT65 FT8 の周波数は WSJT-X で組み込まれた周波数がそのまま世界標準で使われています。新しいモードが出る度に周波数が変わるので注意が必要です。 ◎50.500-50.700MHz 国内向けPhone(AM)運用  50MHzはまだAMの運用が盛んです。ほとんどの運用がこの範囲内で行われています。 ★51.00-52.00MHz 広帯域の電話・電信・画像 ◎51.00-52.00MHz 国内向けPhone(FM)運用。      51.00MHz はFMの呼出周波数 注 JARL コンテスト周波数は以下のとおり。 DXとの住み分けを図るため平成24年4月開催のALL JAコンテストから変更になりました。 CW 50.250-50.300 MHz AM/SSB 50.300-51.000 MHz FM 51.000-52.000 MHz 50MHzはBAND幅が4MHzもある広いバンドです。慣習であり、"紳士協定"ではありますがこれを守ることにより、DX向け運用と国内向け運用がお互いに尊重し合いながら、変化 に飛んだこの50MHz BANDを楽しむことが可能となっています。同じバンドを愛するもの同士が、無用な軋轢を生むことを避けるためにできている合理的 な慣習です。 なぜ 50.080MHz〜50.150MHzを国内運用に使用しないでおこうという慣習があるのでしょうか?50MHzはその周波数の特性上HFとは異なりDXの入感の頻度が低くなっています。しかもその 信号強度がかなり弱いこともあります。したがって普段ここの周波数を国内通信に使用していると、DXの入感に気がつかないことも あり得るのです。DXが入っているときに限ってその周波数での国内通信を控えればよいのでは、という意見も ありますが、上記のことを踏まえれば「いつ入ってくるか分からない 50MHzのDX」にはその使用方法では不具合があるのです。 50MHz帯は 4MHzも幅があるバンドで、日常的に使用されているのはその中の50MHz〜52MHzだとしても 2MHz も幅があり、さらにSSB CW AM等が主に運用されいるのは 50MHz〜51MHzの 1MHzです。十分な広さがあり、その中の70KHzを国内向け運用にしないようにという暗黙の了解があっても通常の運用には何ら支障が無いでしょう。自らトラブルの元となるような運用をする必要もありません。 6m BAND は色々な運用方法を楽しむ方がいるBANDです。移動運用、ローカルラグチュー、コンテスト、DX等。DXを特別扱いしているというご批判もあるかもしれませんが、6mの周波数の特徴を踏まえて、色々なスタイルの楽しみ方をする人がお互いを尊重して、お互いがストレスにならずトラブルを回避するための工夫がこの「棲み分け」なのです。 言ってみればBANDプランとは別の 「公序良俗」「暗黙のルール」 なのです。 どこのバンドにも慣習や暗黙の了解がありますが、それぞれのバンドの慣習はフォローしておくのが無難です。無用なトラブルを避けるために。 SSNの低い現在ではDXの趨勢はデジタルが主流になっていますが、モードの流行り廃れもあります。周波数も新しいモードの出現とともに変わります。しかしLegacyなモードCW/SSBはいつの時代でも無くなることはないでしょう。 私は趣味は自分の人生を豊かにするために存在すると考えています。アマチュア無線も趣味の一つ。この趣味でその趣向の違いで摩擦やトラブルのためにストレスを感じることは本末転倒です。それを予め避ける手段や工夫があればそれを活用したほうが良いのではないでしょうか。 この慣習・暗黙のルールは大人の譲り合い精神の基にできたと理解しています。私が提唱しているのではなく、私も開局した頃に近所のOMさん達から習ったものです。私も開局した頃に近所のOMさん達から習ったものです。私が過去に習ったバンドの使われ方や最新の情報までを含めて記述しています。最近は局数も減りローカルとの付き合いも減ったため、このような話が伝わりにくくなりました。そこでこのようなページを作って広く知っていただこうと思った次第です。 de JP1LRT 以下のページも参考されてください。 JA1RJU 小笠原OMのページ http://www5.big.or.jp/~ja1rju/six_doc.html オペレーションに関する続編は http://www.asahi-net.or.jp/~vj5y-tkur/6m/6m_ja2.txt デジタルモードとコンテスト周波数に関しては http://jp1lrt.asablo.jp/blog/2017/10/13/8704185