緊急行動のお願い


シベリア(ロシア):石油会社がハンティの土地を盗んでいます(2000年10月)

「この場所は、この地方で唯一きれいなところです。もしも石油会社がやって来ると、トナカイの飼育と狩猟ができなくなり、破局を迎えます。だから、この領域をきれいに保たなければならないのです。」ハンティの猟師

シベリアでは、ロシアの先住民族たちが、石油、天然ガス、鉱山開発によって彼らの土地から追い出されています。ロシア連邦法の下では、自分たちの土地に対する彼ら権利は全くありません。ハンティ(Khanty)は、シベリアにいる30の先住民族の1つであり、彼らの体験は典型的なものです。石油、天然ガス会社によって、彼らは自分たちの土地から追い出され、搾取され、騙されています。たくさんのハンティが、アルコール中毒と自殺に苦しんでいます。

他のすべてのロシアの先住民族と同様に、ハンティはソヴィエト時代に大きな苦難に遭遇しました。彼らは強制的に集団農場に編入され、宗教は禁止され、シャーマンが殺されました。このような残虐な行為にもかかわらず、彼らは闘いをあきらめませんでした。集団農場が廃止されると、多数のものは、自分たちの土地に戻って、狩猟、漁労、飼育で生計を立てました。1960年代に石油・天然ガス会社が彼らの土地にやって来た時に、この生活スタイルが再び脅威にさらされました。

会社がやって来ると、彼らは都市を建設し、森や神聖な湖を汚し、トナカイを殺して動物たちに害を与えました。多数のハンティたちは、彼らの土地から退出を迫られ、「土着の村」に向かいました。1994年にハンティ・マンシィスクの行政機関は、いまでも狩猟と漁労で暮らしている人たちに、土地の証書を与えましたが、当時すでに自分たちの土地から立ち去っていた多数の人たちには、何も与えませんでした。

その地方の法律によると、土地の証書を持っているハンティは、彼らのテリトリーに石油会社が入るのを拒否したり、あるいは、補償を代償にして石油会社の操業を許可することができます。実際には石油会社は、油田を掘削し、道路を建設してから、初めてハンティに接触しています。ハンティたちの土地で開発をストップできないと主張して、会社はハンティたちを騙しています。補償の同意にハンティがサインしても、土地の破壊と交換に約束した物、たとえばエンジン・ボートや対価物の提供を、会社側は常に怠ります。

石油会社によって広範囲に森林が破壊されました。ハンティたちの生活の中心となっているトナカイを飼育できるように、十分に森が回復するまで、100年かかるでしょう。

シベリア先住民族の平均寿命は、ロシア人よりもかなり年齢が低くなっています。37歳のトナカイ飼育民デミトリは、同級生が27人いました。けれども、現在たったの6人、7人しか生存していません。2人が自殺し、その他の多くは飲酒による事故で死亡しました。土地を失って、トナカイ飼育、狩猟、漁労をできなくなったハンティは、石油労働者の持ち込んだヴォッカに、しばしばおぼれています。

ハンティたちは、石油会社が来なければよかったと思っていますが、今では、多数の人が会社の支払う少額な補償なしには生きて行けなくなっています。狩猟ができるほど動物たちがいないので、魚の採れるきれいな川まで長い距離を旅行しなければなりません。だから、エンジン・ボートが不可欠なのです。ハンティたちには、石油会社からの適切な補償が必要です。まだ掘削会社の入っていない地域では、もし望むなら、石油会社の労働者を拒否できる権利が、人々には必要なのです。

ロシア連邦法は、ハンティを含むシベリア先住民族たちの権利、つまり土地と資源の所有権が認められるように改正されなければなりません。これらの権利を不変なものにすることによって、本来の土地所有者を抑圧したり、買収したりして会社が入手できなくなります。そのような土地所有権を含む先住民族の権利を尊重するILO条約第169号の批准を、ロシアの先住民族たちは、長年にわたってロシア政府に要求してきました。

サバイバルの手紙キャンペーンは、シベリアのユガン・ハンティやウデヘの人たちに成功をもたらしました。どうか手紙を書いてください。
[森本和男訳]



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