T&T


『トンネルズ&トロールズ』

(K.S.アンドレ,社会思想社)
【入手可】

このゲームはもしかもしたら、D&Dよりもたくさんプレイしたシステムかも知れない。私のTRPGの系譜は、「ファイティング・ファンタジー」「T&T」「D&D」が黄金期である。
その後、ゲームブックの衰退と共に、(クトルフ)(ルーンクエスト)「ロードス島」「ソードワールド」「ガープス」が惰性で収集しいた時代で、実際にはプレイをしていない。
そして、現在、FEARの「天羅万象・零」「ブレイドオブアルカナ」とか、「ドラゴンマーク」(SNE)、「バンパイヤ:ザ・マスカレード」(アトリエサード)、「深淵」(スザク)など現代のTRPGへの資料収集に分けられる。
現代は、WEBの発達と共(2001年)に、こうした商業として低迷していても、自己表現が出来るようになったため、一般に(全国的に)目に触れることが出来やすくなったことも起因して、興味がある人がそこに集い、情報交換や収集を行いながら、細々としかし、熱っぽく続けることが出来る。まさに、資本主義からの脱構築化ですね。

で、T&Tに話を戻すと、資本主義(商業)として、誰でもどこでも目に触れることの出来る時代があった。同様にゲームブックもそうだった。ゲームブックの勢いで流行ったという向きもあるが。とにかく、本格的なTRPGのシステムに触れたのは、T&Tであった。「ファイティング・ファンタジー」は、ゲームブックの簡単なルール、体力、技術、運であった。魔法も少なく、この本限りのシナリオでしかなかった。その当時は、それで満足していたこともあったが、T&Tでは、レベルがあがればいろいろな魔法が使える。また、様々な種族(エルフなど)を選べ、盗賊などのクラスも選べる。武器も豊富で、想像力をかき立てられた。そして、様々なソロプレイやマルチシナリオが発刊され、簡単にダンジョンを作れる。応用すれば、キャンペーンもできる。そうした、ゲームブックした知らなかった中学生が、新たなシステムを獲得した瞬間であった。

自分のキャラクターが生き残ればレベルアップが出来る。そして、何より、プレイするに人数に困らない状況というものがあったのです。私は、結局ゲームマスターしかしなかったのだが、シナリオが創りやすい、しかも、ゲームブックのシステムよりも作りがいのあるシステムで、ワクワクしながら粗製濫造をしていた。
また、このシステムは、レベルがあがると6面ダイズが際限なく増えていくというものであった。また、サイコロがぞろ目の場合は、さらに増やして振っていけるというのもあって、モンスターのレベルがあがるとひどい場合で、一体で10個のダイズを振らないと行けないケースもあった。
プレイヤー自身は、ぞろ目が出るとさらにダイズを振って、攻撃のダメージ判定(あまりにも連鎖しすぎてバーサークを起こすこともある)や魔法の効果があがるため、嬉々としてダイズを振っていた。(ほとんど、ダイズ合戦ですね。フキフキ "A^^;)

T&Tは正式名称は、「トンネルズ&トロールズ」で、どうも、トロールは神様の悪の落とし子という意味合いが強いらしい(D&Dのダンジョン&ドラゴンズのドラゴンのような象徴的なもの)。トンネルとは、ダンジョンを中心にしたシステムのことを指しているとされる。
その後、T&Tは、ソロプレイやマルチシナリオをだし、サポート誌「ウォーロック」を発刊する。「モンスター!モンスター!」(同社)では、モンスターでシナリオをプレイするためのサプリメント、「ハイパー・T&T」(同社)では、和製の「T&T」の新しい形の提示を行い。その世界設定資料のサプリメントを出したりする。もちろん、リプレイや小説とかも出したようだが、あくまでも、私がプレイしたのは、はじめの「T&T」であり、フライングバッファロー社が刊行していたものを翻訳していた社会思想社のソロプレイのいくつか(「カザンの闘技場」など)とマルチシナリオ(特に「ベアダンジョン」)でした。

とにかく、熱狂的にのめりこめたTRPGで、初めてのシステムでした。

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