the Stocks
エポック社から昔に発売されたゲーム。別名「株式売買ゲーム」。ある模型屋の片隅で埋もれているところを救済する。その時はどんなゲームかは分からず、とりあえず目につくものは購入していた時期だった。もっとも、競り系や投資系のゲームは優先的に購入していたが…
時が経って、麻雀仲間とメンツが集まるまでの間にこのゲームをするときが来た。これは面白い。株の乱高下、株を買って転がして、相手が値を下げる前に金に換えて、他の安い株を買ってそれをまた転がす。一瞬たりとも目が離せないし、忙しい。
最初は、持ち金があまりないし、どの株も平均して安い。しかし、中盤あたりから地道にお金と株をうまく運用していた人が徐々に株を操作しはじめる…相手の動かした株に便乗するかと思うと、足を引っ張ったりと人間の欲望がうまく表現されている。しかし、株の操作も市場が下降時もあるし、上昇時もある。うまく操作しないと利潤は生まれない仕組み。最後は神の手による市場の決定で泣く人もいれば笑う人もいる。うまく株を操作しながらも現金に換えていくことが求められるゲーム。
ルール
準備
- ゲーム盤を広げ、各会社の100にコマを置く
- 銘柄カードをランダムにプレイヤーの人数に従って決められた枚数分とひとり300円配る。
- 市場のカードを盤の横に置く。
実際
- 1.市場カードを一枚表にする。ブルカード(上昇)とベアカード(下降)
- 2.銘柄カードを一枚だし、市場カードに従って会社の一つを上げ、一つを下げる。
- 3.株を上げる前、後どちらでも良いが、株を売買したり、現金に換えたりすることが出来る。ただし、同一銘柄の売り買いは同時には出来ない。
- 2.と3.を各プレイヤーが繰り返し、プレイヤーが一巡したら1.に戻って仕切直しをする。
注意など
- 株は他人との売り買いが出来ない。
- 何社でも株を売り買いが出来る
- 株価がメモリを超えた場合は、+の場合は一株当たりその差額分を銀行からもらえるし、−の場合は銀行に払わないと行けない。または、−の場合は、株を無償で半分戻して、残りの差額を払うことが出来る。ちなみに株を持ち続ける場合の−は常に20円のリスクを支払う。
- 追加ルールとして、+で超えた場合例えば220から60上昇させた場合は(220+60)÷2=140(端数切り捨て)にコマを移動させ、その替わりに持ち株を2倍にする方法がある。株が銀行にない場合は適用できない。また、配りきれない場合は、配りきってのこりは金額で処理し、コマは半分にする。
終わりは、銘柄カードを出しきった後、残っている市場カードと銘柄カードを一枚表にして、最初にプレイした人が最終的な株価を決定する。この時は株の売買は出来ない。そうして、最終的に決められた株価に基づいて自分の持ち株を換算し、手持ちのお金と合計し、最も多くの金額を叩き出した人が1位となる。
プレイオンノート
とにかく忙しいゲーム。特に銀行の役になった人は大変である。先にも書いたが、序盤は持ち金が少ないため、株を買えても2社か3社。それでも、一巡する頃には、100を切る会社も多くなるため、何株かまとめて購入できる。しかし、集中しすぎるとみんなでその会社を−に持っていくので、バランスよくある程度購入することが必要になる。あとは、自分の欲望のままに株を転がして行くし、そのために対立して火傷を負うこともある。また、まんべんなく株を購入するようになると、どの会社の株を下げて上げるかジレンマに陥る。
結構プレイの幅もあり、一つの銘柄だけを大量に購入し、一気に株を上下させて儲ける人。安定的な株を運用して堅実にお金に換える人。金額にすぐに変えてその時の株の状況で介入する人。私は、どちらかといえば、バランスよく株を購入して適時金額に変えていった。一つだけの大量購入はリスクが高いため、序盤では無理な戦法かもしれない。結局、こまめにお金に換えていった人が一位になった。
市場カードによって、手持ちの銘柄カードをどの様に運用させるのか。必ずしも意図したように運用できないことが多く、市場が下降の場合は、持っている銘柄カードの−の駒を動かし、上昇の時は+に動かすため、将来性を考えてどのカードを使用するのかがすごく難しい。難しいといってもジレンマに悩む程度であるが。市場は刻々と姿を変えるし、株の損益も上下する。ここで株を手放すのか、買うのか。序盤に株を買って、一気に引き上げて独占するのか。色々と戦略がある。
とにかく紙幣と株券解乱れ飛ぶ傑作ゲーム。私はこれで、競り系や投資系のゲームにはまった。