おばけ屋敷ゲーム
1984年に爆発的に流行したボードゲーム。あのころ私は10歳から11歳。ちょうどファミコン初代機が出回る境界線で、遊びの主流は友達とボードゲームをすることだった。
このおばけ屋敷ゲームは、そんな中でもおそらく最も売れたゲームだったと思われる。年月が過ぎ、これが復刻されるまで、ネットオークションでも3万も値を付けるときがあった。2004年に復刻されて、2008年現在、再び生産は終了しているようで、アマゾンの中古では7000円ぐらいの値を付けている。ちなみに復刻されたときの値段は2700円くらいだったと思う。これが何を意味しているかと言えば、それだけこのゲームに需要があるといえる。
いずれにしろこのゲームの良さは、テーマに普遍性があることではないかと思う。ともすれば日本のボードゲームは、アニメや漫画の人気にあやかって、販売をする傾向がある。けれどもアニメや漫画が終われば、そのゲームのルール内にあるアニメ独特のギミック(キャラクターの特殊能力やイベント)などの共通認識が途端に無くなり、古びてしまい、商品価値を落とし、消えていく傾向にある。
その点、お化け屋敷ゲームは、アニメでもなくマンガでもなく、ホラーをモチーフにし、さらに乾電池などを一切使わないため、そのパッケージだけで遊ぶことが出来る。
みよ!この雰囲気たっぷりの作り(^-^)
ルールは至って簡単で、すごろく形式で、広大なマップを巡り、お化けの居る部屋をいくつか通過し、その都度お化けを倒しながら進む。進むには、さいころではなく、手持ちのカードを利用して任意に進む。
灰色のコマは、死神!
赤・黄色・青のカードは魔除けカード。力、勇気、知恵を表している。
お化けの居る部屋は、全部で8ヶ所。お化けを倒すには、手持ちの3枚のまよけカード「勇気」「力」「知恵」を使う。どう使うか。お化けの居る部屋に入ってから、どのまよけカードを使うかをあらかじめ決める。その後、お化けカードを一枚めくり、そこでお化けの弱点に選んだカードが含まれていれば勝ち、選んだカードがなければ負けとなる。
太陽は、幸運カード、ひとだまは、ペナリティカード。他は、お化けカード。それぞれに弱点が書かれている。
最初は、まよけカードを2枚出せるし、負けてもその場でもう一回挑戦できる。しかし、後半になると、まよけカード一枚だけで対決とか、2枚でも負ければ前の部屋に飛ばされたり、「あかずの部屋」へ行き、他のプレーヤーが進んだ数だけ逆に移動していく。時には、最大で4回休み(たたりの部屋行き)となってしまうなどペナルティがきつくなる。
こうして様々な困難を経て最後に、死に神との対戦ステージとなる。死に神は、直線をまっすぐに往復をする。それに対して、プレーヤーは回避するための迂回路が3つあり、迂回路を上手く利用して、死に神からすり抜け、ゴールにたどり着くようにする。
死に神の移動は、自分を含めてプレーヤーが移動した数の分だけ進む。例えば、Aが死に神の対戦ステージを3歩、Bが部屋から部屋へ4歩、Cが廊下を3歩移動したとすれば、Aが3歩進んだ後、死に神は3+4+3=10歩進むことになる。その際、Aが、死に神を追い越したり、死に神にぶつかると、対戦ステージのスタートラインに戻され、エンドレスに対決することになる。一旦すり抜けたと思ったら、思わぬ他のプレーヤーの大移動であっという間に死に神が折り返してくるなど、他のプレーヤーは邪魔をする。それを阻止するために、マッハカードで自分が大移動したり(最大12歩進める)、キャンセルカード(自分の手番を止めて迂回路にとどまるなど)で駆け引きをする。
まさに手に汗握る死に神(他のプレーヤー)との駆け引きの末、ゴールへたどり着く。これまでのお化け退治の興奮と苦難が報われる瞬間は、達成感と共にもう一回となるおもしろさがある。
細かいルールでは、
はしごカード、鍵カード、ただの移動カードの他、最大で12歩進めるマッハカード、真っ黒なのが手番キャンセルカード、お化けを無条件で倒すエクソシストカード
- 部屋に入るには、鍵カードが必要で、なければそのカードを引くまで立ち往生をする。
- はしごがないと渡れない箇所が3ヶ所あり、だれかがはしごカードを場に出さないと誰もが通れない。また、はしごは一つしかなく、A(例:井戸)で使っている場合は、B(例:壊れた廊下)の箇所を渡ろうとする場合、はしごカードを使ってAから撤去しないといけない。逆にAにとどまっている人は、撤去された場合、はしごカードを出さないとA(井戸)から脱出できない。
- 退治したお化けカードは持っていることが出来る。別の部屋で負けた場合は、お化けカードを持っている場合は、一枚山札に戻さないといけない。さらに、お化けカードは死に神対戦ステージで使用でき、1回目だけ、死に神に捕まった場合、スタートラインに戻らなくても良く、その場にとどまれる。ただし、それまで持参していたお化けカードは全て山札に戻す。つまり、一回目はお化けカードと引き替えにキャンセルできると言うことである。
特殊カードは、ひとだまカードと幸運カードである。お化け退治時にめくられる。内容はいろいろあって、一回休み、あるいは、その部屋にお化けは居なかったと、無条件で勝利する物まで様々である。中には、幸運カードなはずなのに、例えば、他のプレーヤーが8箇所あるお化けの居る部屋のうち、6部屋まで踏破し、ビリのプレーヤーが3部屋しかクリアしていないとき、ビリのプレーヤーが幸運カードで「全員、このカードを引いた人の部屋に集まる」を引くと、ビリのプレーヤーの3の部屋に全員飛ばされることなど、幸運どころか不運が起こる場合がある。
さらにひとだまカードには、まよけカードを取り上げるもの〜例えば、勇気のカードが奪われるがあり、それが続くと、酷いときで2つ取り上げられ、お化けと2枚で対戦となっても、一枚で勝負しないといけない場合がある。(幸運カードを自分含め、誰かが引くまで回復できない)
お化けとの対戦では、例えばまよけカードでプレーヤーがその部屋で2枚出す指示があって、「勇気」と知恵を選んだと。その際、お化けカードをめくり、このお化けは「知恵」か「力」で負けるという記載があれば、そのプレーヤーの「勇気」ははずれたが、「知恵を」出しているため、勝ったことになる。ほとんどのお化けには2種類の弱点があるが、しかし、中には、一つだけしか弱点がないものもある。その上、特殊カードによってまよけカードが複数取り上げられていれば、なかなか勝てなかったりすることが出てくる。
プレイ・オン・ノート
ほとんどが運であるが、それでも戦術は必要である。例えば、手札は5枚所持できて、移動したり解錠する場合は、手札を選んで捨て、補充するが、どのカードを残すのか、どのくらい移動するのかなど大まかなプランが必要である。
それでも特殊カードによって、右隣の人と手札を交換とか、全ての手札を集めて配り直すなどでなかなか戦略通りには行かないが、大人数でやる場合(6人まで出来るが4人以上だと)、ある程度鍵のカードは大事にした方がよい。
死に神との対戦ステージは、自分の回ってくる順番と歩数はある程度計算しないと、いつまでもループすることになる。お化けカードは最低1枚確保しておき、死に神とぶつかるのも、ゴール近くまで粘るのが勝つ秘訣である。もし、終盤にマッハカードがあれば、迂回路の最後から、一気に抜け出すように温存しておくと良い。
スムーズに8箇所全ての部屋を回れると言うことは難しく、行ったり来たりしながら、お化けに翻弄され、さまよい、ひとだまに邪魔をされ、最後の死に神に追い回される。まさにお化け屋敷を堪能できる良いゲームである。
2008.3.13