塩酸チオリダジン thioridazine hydrochloride(JP) フェノチアジン系精神安定剤 1172

【組成】
[散]:10%相当のチオリダ ジン [錠]:1錠中10 mg,25 mg,50 mg,100 mg
塩酸チオリダジン100 mgはチオリダジ ン91 mgに相当 塩酸チオリダジンは白色〜微黄色の結晶性の粉末で,においはなく,味は苦い。水,メタノ−ル,氷酢酸又はエタノ−ルに溶けやすく,無水酢酸にやや溶けにくく,エ−テルにほとんど溶けない。
水溶液(1→100)のpHは4.2〜5.2。光によって徐々に着色する。融点:159〜164°
チオリダジンthioridazineは白色〜微黄色の結晶性の粉末で,においはないか,又はわずかににおいがあり,味は苦い。メタノ−ル,エタノ−ル又はエ−テルに溶けやすく,水に溶けにくい。光によって徐々に着色する。融点:68〜72°

【適応】
(1)精神分裂病
(2)次における不安・焦燥・興奮・多動:うつ病,精神薄弱,神経症,V年精神病

【用法】
1日30〜90 mg(高用量の場合には200 mg)を分服(増減)。原則として1日400 mgまで増量することができる

【注意】
(6)副作用
(a)循環器:血圧降下又は心疾患悪化がみられることがあるので,観察を十分に行い慎重に投与する。なお,血圧降下,心電図異常(QT間隔の延長,T波の平低化や逆転,二峰性T波ないしU波の出現等)に続く突然死が報告されているので,特にQT部分に変化があれば中止する。また,フェノチアジン系化合物投与中の心電図異常は,大量投与されていた例に多いとの報告がある
(b)血液:白血球減少症,顆粒球減少症,血小板減少性紫斑病等が現れるこがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,減量又は中止する

【作用】

(1)薬効薬理
(a)静穏作用:感情興奮抑制作用が運動抑制に先行して現れる(ラット)。日常の行動をあまり妨げずに,感情の興奮を弱め,静穏作用に導く(ヒト)。激越型のうつ状態の患者に効果
(b)運動抑制作用:自発運動や条件回避反応の抑制や,カタレプシ−引起し作用は弱い(ラット)

【製品・薬価】

メピオジン錠 小林化工 100mg1錠 27.90
メレリル10 サンド 10mg1錠 6.00

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