塩酸ドスレピン dosulepin hydrochloride(JAN) 三環系抗うつ剤 1179i

【組成】
[錠]:1錠中25 mg,75 mg
塩酸ドスレピンは白色〜微 褐色の結晶性の粉末である。水に極めて溶けやすく,メタノ−ル又はクロロホルムに溶けやすく,エタノ −ルにやや溶けにくく,アセトンに溶けにくく,エ−テルにほとんど溶けない。融点:222〜226°

【適応】
うつ病及びうつ状態

【用法】
1日75〜150 mg,2〜3回に分服(増減)

【注意】
(2)禁忌
(a)緑内障のある患者(抗コリン作用があるため)
(b)三環系抗うつ剤に対し過敏症の患者
(c)心筋梗塞の回復初期の患者
c)てんかん等のけいれん性疾患又はこれらの既往歴のある患者(けいれんを起こすことがある)
(d)燥うつ病患者(燥転,自殺企図が現れることがある)
(e)脳の器質障害又は精神分裂病の素因のある患者(精神症状が増悪されることがある)
(5)副作用
(a)Syndrome malin:無動緘黙(かんもく),強度の筋強剛,えん下困難,頻脈,血圧の変動,発汗等が発現し,それに引き続き発熱がみられる場合は中止し,体冷 却,水分補給等の全身管理と共に適切な処置を行う。本症発症時には,白血球の増 加や血清CPKの上昇がみられることが多く,また,ミオグロビン尿を伴う腎機能の 低下がみられることがある。なお,他の三環系抗うつ剤の投与中,高熱が持続し, 意識障害,呼吸困難,循環虚脱,脱水症状,急性腎不全へと移行し,死亡した例が報 告されている
(c)精神神経系:ときにけいれん,眠気,めまい・ふらつき・立ちくらみ,睡眠障害,頭痛・頭重,振戦,性欲減退,不穏,記憶障害,知覚異常,構音障 害,燥転,せん妄,しびれ感,いらいら感,発汗,また,まれに運動失調,アカシジア, 幻覚,興奮等が現れることがあるので,このような場合には,減量又は休薬等適切 な処置を行う


【作用】
(1)薬効薬理
(a)モノアミンの再取り込み阻害:脳シナプトゾ−ムの試験で,セロトニン,ノルエピネフリン,ドパミンの再取り込みを抑制(ラット)
(b)ノルエピネフリン受容体代謝回転への影響:ラット脳で,β-受容体数の減少作用
(c)レセルピン拮抗作用:レセルピンによる体温下降,眼瞼下垂に対し拮抗作用(マウス,ラット)
(d)臨床薬理:フリッカ−値及び唾液分泌に対し,アミトリプチリンより弱い抑制作用(健常人)
(3)臨床適用(25 mg錠)
(a)臨床効果(改善率。[ ]内は軽度改善以上):53.4%(194/363)[73.6%(267/363)]。塩酸アミトリプチリンを対照薬とした2種の二重盲検比較試験で特に安全性と忍容性に優れて いることが認められた
(b)副作用及び臨床検査値の変動:副作用は随伴症状の悪化も含めて13.9%(724/5,209)に,口渇6.24%(325件),眠気3.34%(174件),めまい・ ふらつき・立ちくらみ1.57%(82件),便秘1.56%(81件),倦怠感0.81%(42件)等。臨 床検査値ではGPT,GOT,LDH,Al-Pの上昇等


【製品・薬価】
プロチアデン錠75 科研・日医工 75mg1錠 64.40

目次