クロルプロマジン chlorpromazine(INN) 精神神経用剤 1171

【組成】
[散]:塩酸クロルプロマジン10%,50%(ただしコントミン散はタンニン 酸塩。 白色コントミン散と同2倍散はヒベンズ酸塩)
[細]・[顆]:塩酸クロルプロマジ ン10%(ただしウインタミン細粒はフェノ−ルフタリン酸塩。 白色コントミン粒はヒベンズ酸塩)
[錠]:1錠中塩酸クロルプロマジン12.5 mg,25 mg,50 mg,100 mg
[シ]:塩酸クロルプロマジン0.2%
[注]:1アンプル(2 ml)中塩酸クロルプロマジン10 mg,(5 ml)中25 mg,50 mg。pH:4.0〜6.5 浸透圧比:約0.9
塩酸クロルプロマジンchlorpromazine hydrochloride(JP)は白色〜微黄色の結晶 性の粉末で,においはないか,又はわずかに特異なにおいがある。水に極めて溶け やすく,氷酢酸又はエタノ−ルに溶けやすく,無水酢酸にやや溶けにくく,エ−テ ルにほとんど溶けない。光によって徐々に着色する。融点:194〜198°
タンニン酸クロルプロマジンchlorpromazine tannate(JAN)は灰白色の粉末で,においは ないか,又はわずかに特異なにおいがある。無水酢酸に溶けやすく,氷酢酸に溶け にくく,アセトンに極めて溶けにくく,水,エタノ−ル,エ−テル又はクロロホルム にほとんど溶けない。0.1 N塩酸試液に溶ける。光によって着色する
ヒベンズ酸クロルプロマジンchlorpromazine hibenzate(JAN)は白色の粉末で,においはない。 氷酢酸に溶けやすく,アセトン又はクロロホルムに溶けにくく,エタノ−ル又はエ −テルに極めて溶けにくく,水にほとんど溶けない。光によって徐々に着色する。 融点:172〜175°
フェノ−ルフタリン酸クロルプロマジンchlorpromazine phenolphthalinate(JAN),は白色〜微黄白色の結晶性の粉末で,においはない。メタノ −ルにやや溶けにくく,無水エタノ−ル又はアセトンに溶けにくく,エ−テルに極 めて溶けにくく,水にほとんど溶けない。融点:198〜202°

【適応】
精神分裂病,燥病,神経症における不安・緊張,悪心・嘔吐,吃逆,破傷風に伴うけいれん,麻酔前投薬,人工冬眠,催眠・鎮静・鎮痛剤の効力増強

【用法】
[内]:塩酸クロルプロマジンとして1日30〜100 mg,精神科領域には50〜450 m g分服(増減)。
(ウインタミン)小児では,発達段階や症状の程度により,個人差が 特に著しいが,多くの場合1回0.5〜1 mg/kg,1日3〜4回を目途とし,症状の程度に より加減する。生後6カ月未満の乳児への使用は避けることが望ましい
[注]:塩酸クロルプロマジンとして1回10〜50 mgを緩徐に筋注又は静注(コントミンは筋注だけ)(増減)

【注意】
(1)一般的注意:眠気,注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあ るので,投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させない よう注意する
(2)禁忌
(a)昏睡状態,循環虚脱状態の患者又はバルビツ−ル酸誘導体・麻酔剤等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者
(b)フェノチアジン系化合物及びその類似化合物に過敏症の患者
(e)Syndrome malin:無動緘黙(かんもく),強度の筋強剛,えん下困難,頻脈,血圧の変動,発汗等が発現し,それに引き続き発熱がみられる場合は中止し,体 冷却,水分補給等の全身管理と共に適切な処置を行う。本症発症時には,白血球の 増加や血清CPKの上昇がみられることが多く,また,ミオグロビン尿を伴う腎機能 の低下がみられることがある。なお,高熱が持続し,意識障害,呼吸困難,循環虚脱, 脱水症状,急性腎不全へと移行し,死亡した例が報告されている
(f)錐体外路症状:パ−キンソン症候群(手指振戦,筋強剛,流等),ジスキネジア(けいれん性斜頚, 顔面及び頚部のれん縮,後弓反張,眼球回転発作等),アカシジア(静座不能)が現れ ることがある。また長期投与によりときに口周部等の不随意運動が現れ,中止後 も持続することがある
(g)眼:縮瞳,眼内圧亢進,視覚障害が現れることがある。長期又は大量投与により,角膜・水晶体の混濁,網膜・角膜の色素沈着が現れるこ とがある
(h)内分泌:ときに体重増加,女性型乳房,乳汁分泌,射精不能,月経異常,糖尿等が現れることがある。また類似化合物(チオリダジン,プロペリシアジン) で,低ナトリウム血症,低浸透圧血症,尿中ナトリウム排泄の増加,高張尿,けいれ ん,意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)が現れることが報 告されているので,このような場合には中止し,水分摂取の制限等適切な処置を行 う
(i)精神神経系:錯乱,不眠,,頭痛,不安,興奮,易刺激等が現れることがある
(c)(注射)経口投与が困難な場合や緊急の場合,また,経口投与が不十分と考えられる場 合にだけ使用する。なお,経口投与が可能で効果が十分と判断された場合には,速 やかに経口投与に切り換える
(b)(コントミン)散50%及び粒は特殊被膜を施してあるので,調剤時,乳棒で強く研磨しない(12)遮光・室温保存
【作用】
(1)薬効薬理
(a)ED50(mg/kg,経口)()抗アポモルヒネ作用:運動亢進(マウス)4.8, 〓み行動(ラット)15,嘔吐(イヌ)3()自発運動抑制作用(マウス)4.8()条件回避反 応抑制作用:Pole-climbing法(ラット)13,Sidman-type法(ラット)11()睡眠増強 作用:ヘキソバルビタ−ル(マウス)5
(b)マウスで,電気刺激法及びWrithing-syndrome法により鎮痛作用
(c)ラットで,体温降下作用

【製品・薬価】

ウインタミン錠12.5mg 塩野義 12.5mg1錠 9.00
塩酸クロルプロマジン錠「コバヤシ」12.5mg 小林化工 12.5mg1錠 9.00
クロコ−ゲン錠50mg 模範 50mg1錠 9.00
50mgコントミン糖衣錠 吉富 50mg1錠 9.00

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