バイキン君の大冒険ゲーム
バンダイから1980年代に発売されたゲーム。バイキン君とは昔流行ったキャラクターのようだが、今は思い出せないし、私自身そのようなキャラクターを愛用したこともない。たぶん、小学校の時に親がクリスマスプレゼントで購入してくれたものだと思う。というのも、まだファミコン(初代)が発売される前は結構ボードゲームが家族で遊ぶゲームとして定着していた。最近いくつかのボードゲームが復刻しているが、「お化け屋敷ゲーム」なんかが人気だった。また、私の住んでいるところは秋田の市街地だったが、第2次ベビーブームで隣近所で似たような年頃の子どもが沢山いてどこかの家に集まって良くこの手のゲームをして遊んでいた。
いつしか年月が経ち、あの頃のゲームも遊び倒してぼろぼろになっていつの間にか無くなっていた。そんな時に、ネットオークションでこのゲームを発見。1000円という安い値段で昔の記憶と思い出を購入することが出来た。
このゲームは見た目はキャラ系で余り価値がないように思えるが、カラバンテ等のおはじき系で様々な要素がバランス良く配置されている。カラバンテはおはじきのレースだが、このゲームはカードを引く、チップを手に入れるという手順がありそれも余り負荷にならないように取り込まれている。また、その当時、小学生の遊びで、机の端から消しゴムやカー消しを指ではじいて相手のを落とすというのが流行っていた。そのエッセンスも取り入れていて、このゲームでは魔女といわれるコマを、バイキン君がはじいて倒さないといけないイベントなど、おはじき系の全てを取り入れていると行っても過言ではなかった。以下簡単にルールを説明すると、
「図 1」
コマの後ろの構造
「図 2」
カードとチップ
「図 3」
盤全体
「図 4」
1コース
「図 5」
6コース
- ボード上に6コースあって、コマの下にはパチンコ玉のような滑るような仕組みになっている(ちょうどボールペンの原理のような物)。(図1)
- コースを移動するには、所定の道具チップをそのコースの数、例えば5コース目なら5チップ取得していないといけない。取得の方法は、コースの指示に従うなどがある。また、所定のチップを取得していない場合は、魔女と対決をしてはじいて勝たないといけない。(図2)
- 最初は近い距離で魔女を一定以上はじくと道具チップがもらえるが、コースが進むにつれ遠い距離になっていく。
- 道具チップは、4種類で8枚ある。また、壊れた道具も一枚ずつあり、ひいてしまった場合は、同種を1枚失ってしまう。また、同一種3枚を一セットにして換算し、多く持っているほどゴールで有利になる。また、壊れた道具を戻したときにコースの所定の枚数より少なくなった場合も魔女と対決をしないといけない。
- コース上の障害で失敗したと行った場合は、アクシデントカードをめくりその指示に従うこと。(図3)
- コースは、1コース:所定の場所にはじく(図4)。2コース:距離に応じて指示がある。3コース:カーブ上のコースをはじく。4コース:坂にはじいて穴に入れる。5コース:落とし穴のあるグネグネしたコース。6コース:離れた場所からジャンプして穴に通す。(図5)それぞれが有機的に繋がっていて、前のコースで良い結果が得られると次のコースでも有利な状況から始められるとか、同一チップをそろえているとか、イベントをこなしていると有利とか色々とある。また、足の引っ張り合いで、少ないチップの人もアクシデントカードでチップを相入れ替えにしたり、ジャンケンで思わぬチップが手に入ったりと一筋縄ではいかない展開になる。
プレイ人数は日本の事情も考慮されて4人までとなっている。4人集まってやれれば言うことはないが、3人でも十分に楽しむことが出来る。しかし二人だと少し淋しいというか余り面白くない。また、結構うまくいかないもので、魔女と対決する場面が多い。また、チップも不足になりがちなので、そんなすんなりと終わることが出来ない。しかし、それだけにじっくりと【はじく】楽しみを味わうことが出来る。また、結構はじく加減も難しく、失敗するたびに、自分自身に腹を立てることが多い。そして、アクシデントカードや壊れた道具チップを引いてしまったときの不運をのろい、理性を失って近い場所にあるはずの魔女をはずしてしまったりと、熱心にやればやるほど「どつぼ」にはまることもある。
大の大人がキャラクターのほのぼのとしたコマをはじく様はちょっと異様であるが、間違いなくおはじき系のエッセンスを余すところ無く詰め込んだ名作だ。
2004.12.28