塩酸アマンタジン amantadine hydrochloride(JP) 抗パ−キンソン剤 1161,1190
【組成】
[散]・[ 細]:10% [錠]:1錠中50 mg,100 mg 塩酸アマンタジンは白色の結晶性の粉末で,においはなく,味は苦い。ギ酸に極めて溶けやすく,水,メタノ− ル又はエタノ−ルに溶けやすく,エ−テルにほとんど溶けない
【適応】
(1)パ−キンソン症候群
(2)脳梗塞に伴う意欲・自発性低下の改善。ただし(2)はロティファミンを除く
【用法】
(1)パ−キンソン症候群:初期量として1日100 mgを1〜2回に分服し,1週間後に維持量として1日200 mgを2回に分服(増減)。1日300 mgを3回分服まで
(2)脳梗塞:1日100〜150 mg,2〜3回に分服(増減)
【注意】
(1)一般的注意:めまい,ふらつき,立ちくらみが現れることがあるので,自動車の 運転,機械の操作,高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意する
(2)禁 忌
- (a)妊婦及び授乳婦(妊婦,授乳婦への投与の項参照)
- (b)塩酸アマンタジンに対し過敏症の患者
(3)慎重投与- (a)てんかん発作又はその既往のある患者,けいれん
- 素質がある患者(発作を誘発又は悪化させることがある)
- (b)心血管疾患(うっ血性心疾患等)のある患者
- (c)末梢性浮腫のある患者
- (d)腎障害のある患者(本剤は大部分が未変化体として尿中に排泄されるので,用量の調節に注意する)
- (e)透析患者(本剤は血液透析によって少量しか除去されないので,透析中の患者に投与する場合は蓄積による副作用を避けるため用量の調節に十分注意する
- (f)肝障害のある患者
- (g)低血圧を呈する患者
- (h)精神疾患のある患者(幻覚,錯乱,悪夢等の精神症状が増悪するおそれがある)
- (i)高齢者(副作用が現れやすい。高齢者への投与の項参照)
(4)相互作用
- (a)幻覚,睡眠障害等の副作用が増強されることがあるので, 次の医薬品と併用する場合には観察を十分に行い慎重に投与する[他の抗パ−キンソン剤(抗コリン剤,レボドパ),中枢興奮剤(メタンフェタミン等)]
- (b)チアジド系利尿薬との併用により,本剤の作用が増強されるとの報告がある
(5)副作用- (a)精神神経系:ときに幻覚,せん妄,妄想,不安,気分高揚,激越,失調,悪夢,興奮,めまい,頭痛・頭重,神経過敏,集中力障害,不随意運動(振戦等),また,まれに睡眠障害,眠気,錯乱,欲動亢進,言語障害,歩行障害の悪化,けいれん,抑うつ,失見当識,燥状態等が現れることがある
- (b)Syndrome malin:急激な減量又は中止により,高熱,意識障害,高度の筋硬直,不随意運動,ショック症状等が現れることがあるので,このような場合には再投与後,漸減し,体冷却,水分補給等の適切な処置を行う
- (c)眼:まれに視力低下を伴うびまん性表在性角膜炎,角膜上皮浮腫様症状が現れることがある。このような症状が現れた場合には中止する。また,ときに視調節障害(霧視等)が現れることがある
- (d)消化器:ときに便秘,下痢,食欲不振,悪心・嘔吐,腹痛等が現れることがある
- (e)自律神経系:ときに口渇,立ちくらみ(起立性低血圧),また,まれに排尿障害等が現れることがある
- (f)循環器:まれに心不全,血圧下降,動等が現れることがある
- (g)過敏症:まれに発疹等が現れることがあるので,このような場合には中止する
- (h)皮膚:まれに光線過敏症が現れることがある
- (i)肝臓:ときにGOT,GPT,Al-Pの上昇等が現れることがある
- (j)その他:ときに脱力感・倦怠感,発汗,また,まれに下肢浮腫,網状皮斑,胸痛,白血球減少が現れることがある
(6)高齢者への投与:主として腎臓から排泄されるが,高齢者では腎機能が低下していることが多いため,高い血中濃度が持続するおそれがある。高齢者には,用量並びに投与間隔に留意するとともに患者の状態を観察しながら慎重に投与する
(7)妊婦,授乳婦への投与- (a)催奇形性を疑う症例があり,また動物実験(ラット・50 mg/kg)による催奇形性の報告があるので,妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない
- (b)ヒト母乳中へ移行するので,授乳中の婦人には投与しない
(8)その他:中止する場合には徐々に減量する(急に中止すると,パ−キンソン症状が悪化するおそれがある)
(9)過量投与・急性中毒 (a)徴候と症状:神経筋障害(反射亢進,運動不穏,けいれん,ジストニ−姿勢等)と急性精神病徴候(錯乱,見当識障害,幻視等)がアマンタジンの急性中毒の顕著な特徴である。そのほか洞性頻脈,嘔吐,尿閉等がみられることがある (b)処置:特異的な解毒薬は知られていない。通常,次のような処置が行われる- ()催吐,胃内容物の吸引,胃洗浄。活性炭及び必要に応じ塩類下剤の投与
- ()必要に応じ強制利尿及び尿の酸性化けいれん,過度の運動不穏に対しては抗けいれん剤投与(ジアゼパム静注等)
- ()尿閉にはカテ−テル挿入
- ()血圧,心拍数,心電図,呼吸,体温をモニタ−し,必要に応じて低血圧,不整脈等に対する処置を行う
(10)室温保存
(11)規制等:指要,塩酸アマンタジン局
【製品・薬価】
アテネジン細粒 鶴原 10%1g 100.80
アマゾロン細粒 沢井 10%1g 100.80
シキタン 全星 50mg1錠 53.70
シンメトレル細粒 チバガイギ− 10%1g 100.80
ト−ファルミン細粒 ファルマ−-BMKK 10%1g 100.80
ボイダン イセイ 50mg1錠 53.70
ルシトン細粒 辰巳 10%1g 100.80
ロティファミン錠100 大洋 100mg1錠 100.80