2014.1
連携と協働
インタビュー(広井良典;ケアの倫理などの作者)
- 人口減少社会になるが、それはむしろ本当の幸福とは何かを追究できる社会になりうること。日本の幸福度は世界で43位、イギリスの世界幸福地図では90位と経済的な豊かさに比べて余り高くない。コミュニティなど人と人の繋がりの問題と関連する。
- 高負担高福祉であっても良いと思うが、それだけではダメで地域とかボランタリーの部分での活性化も必要である。元気な高齢者の活用をしていき町内会や自助、互助を更に推し進めることが必要だろう。若者の中にも地元愛はある。人間というのは本来、生活や雇用があって、それを側面支援するのが福祉や医療の役割。そこで重要になっているのはコミュニティ経済である。最初からコミュニティを作ろうと行って人が集まるのではなく、広い意味での経済があって、人・物・金の循環があって結果的にコミュニティができる。
- 今の日本の都市計画は行動成長期の子供が多くて高齢者少ない時代をモデルにできているがその価値観を変える必要がある。
- 医療と福祉は隣り合わせであるが壁もある。福祉は地域全体をカバーするように地域の中で構築され、その領域を広げており、医療の方が専門性に特化している。しかし、連携の強化は進んできている。人間は福祉や医療のことばかりを考えているわけではなく、本来は日常生活のことについて考えていることが多く、地域経済も含め地域包括ケアシステムを動かすという発想が大事。要介護度の高い人であっても普段は生活のことを考えている。看取りなどについても言及しているが、尊厳死や安楽死を許せない私としては、行きたいだけ生きられるように安易に死に廃棄することは反対である。
レポートではいろいろな連携について書かれている。久しぶりに事例などを読んだがかなり具体的に地域福祉が推進されている。地域包括ケアシステムといっても、障害者の就労、医療との連携など様々な状況に応じてサポートするべきである。
2015.4.7