深山の静かな温泉場
■概要
静岡市から北へ向かって安倍川をひたすらさかのぼり、南アルプスの山中に梅ケ島温泉がある。標高は1000m近い。周りは急傾斜の高い山々が続いている。県道が急な坂道の林道になる手前に小さな温泉街がある。
梅ケ島は江戸時代には有力な金山として開発された。徳川家康が発行した慶長小判は梅ケ島の金で作られていた。梅ケ島温泉は金鉱開発前からあったそうだ。徳川幕府2代将軍の徳川秀忠が駿府城まで湯を運ばせて入ったという記述があるという。
一般客が湯治に来るようになったのは明治時代という。 梅薫楼(ばいくんろう)はその当時からある梅ケ島温泉で最も古い旅館だ。
温泉街の一番高いところにあって、細い山道の両側にまたがって旅館の建物がある。静岡駅からのバスの終点は梅薫楼の玄関前になっている。

男女別の浴室のほかに、家族風呂としても利用できる石風呂と穴風呂がある。よく室内には源泉浴ができるよう一人用の湯船もある。
■所在地
静岡県静岡市梅ヶ島5259
TEL:054−269−2331
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■印象
宿の受付で料金を払ってタオルを受け取り、地下道を通って道の反対側の浴舎へ向かう。とても簡素な建物だが、なぜかとても落ち着ける。
お湯は本物だ。無色透明で、弱いつるすべ感がある。大きな浴槽はほどよい暖かさで気持ちがよい。浴室の中のやわらかい湯気がほっとする。
浴室の中に源泉一人用のヒノキ風呂がある。これは源泉専用の浴槽だ。ちょろちょろと源泉が流し込まれている。 コップがあったので、飲んでみるとほんのり硫黄の香りがする。お湯はぬるいのでいつまでも入っていられる。つるすべ感はより強い。
泉質は単純硫黄泉(アルカリ性低張性温泉)、 源泉の温度は34.4度である。男女別の浴室の手前に石風呂と穴風呂がある。どちらも2人がやっと入れる大きさの風呂だ。こちらは混浴可の家族風呂になっている。
梅ケ島温泉の最古の宿は源泉がそのまま楽しめる。温泉ファンにはとてもうれしいところだ。
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■営業
営業時間 |
未確認
日帰りの利用時間ははっきりしていないようです。 |
休館日 |
無休 |
料金 |
1000円タオル付き |
■交通
東名自動車道の静岡ICを降りて、JR静岡駅前に出る。駅前から北に伸びる県道29号線を終点まで45kmほど行く。梅ケ島温泉街の一番奥にある。駐車場は数台分だが、昼間は空いているようだ。
JR静岡駅前から2時間に1本、梅ケ島温泉行きバスがある。

調査日:2001年11月
梅ケ島温泉に行く途中で、安倍川のあちこちにつり橋があるのに気がついた。中流にある長いつり橋を渡ってみた。
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