みちのく深沢温泉

鄙び系のさっぱりした良い湯

■概要

青森県の八甲田山は周囲に特徴のある温泉が多い。八甲田周辺の温泉では酸ヶ湯が有名だが、八甲田山の酸ヶ湯の反対側に小さな温泉宿、みちのく深沢温泉がある。泉質も酸ヶ湯の強い賛成泉とは対照的なやわらかい硫酸塩泉だ。

八甲田山の麓の湿原が始まるところに深沢温泉がある。１９８３年に開業した一軒宿で、それほど歴史があるわけではない。工事現場のプレハブの建物を思わせるような質素な建物だ。

母屋の入り口は雪囲いでトンネルのようだ。中はテーブルがある土間で湯上りはここでくつろぐ。雑然とした雰囲気だがなぜかなごめる。あまり有名なところではないので、日帰り客はさほど多くないが常連らしいおばあさんがご主人と笑いながら話している。土地の言葉で意味はわからなかったけれど。

■所在地

青森県青森市駒込深沢６５０
ＴＥＬ：０１７－７３８－１４６４

■印象

浴室はすりガラスの大きな窓で明るい。浴槽は２つに仕切られていて、熱めと温めになっている。熱いほうのお湯は透明に近く、温いほうはやや白濁が強い。全体にかなり熱い。お湯の匂いは独特の硫黄系の甘い香り。

熱い方の浴槽は源泉の投入量が３０Ｌ／分以上ある。ほとんど透明だが、ほんのわずか白濁している。これはよく見ると細かい泡だ。熱いのを我慢して浸かっていると少しの間に体に泡がつく。我慢していると泡が大きくなって体を這い登る。

泉質はナトリウム・カルシウム－硫酸塩泉、源泉の温度４５．８度だ。味はほんのりと石膏系の味がする。浴感はキシキシした感じで、さっぱりした気持ちの良いお湯だ。

露天風呂は温めで、ゆっくり浸かっていられる。目の前には小さな池がある。八甲田の遅い春に池には水芭蕉が咲いている。露天風呂に浸かっていると鳥の声だけきこえてくる。

泊り客の客室は床暖房があって居心地がよい。宿泊は６５００円からなので、湯治としても良さそうだ。なごめる温泉なので、お勧めする。

■営業

営業時間	７：００－２１：００
休館日	無休
料金	３５０円

■交通

青森市から県道４０号線を南下、八甲田山中に入って、銅像茶屋を過ぎ４ｋｍほど。看板を見つけてわき道に入る。別ルートとして、東北自動車道の黒石ＩＣを降りて、国道１０２号線、国道３９４号線を経由して八甲田へ。城ケ倉から国道１０３号線を北上、八甲田山の一周道路を通って銅像茶屋に出られる。駐車場は広い。

調査日：２００２年４月