増富の湯★★★


古い温泉場の新しい公営温泉

■概要

増富(ますとみ)ラジウム温泉は国民保養温泉地に指定されている古くからの温泉だ。山梨県北部の山の中で、交通が不便な所なのでなかなか行く機会がなかったが、今回はこの温泉を目的に来た。

増富温泉は、信玄の隠し湯の一つと言われている。戦国時代からの金山として開発され、大変な山奥に関わらず多くの人が住んでいた。そのころに温泉は発見されたそうだ。平地がほとんどない谷間の集落である。

増富温泉は薬効が高いといわれ、古くから湯治場として栄えた。昭和になってラジウムの含有量が非常に多いことが分かってラジウム温泉と呼ぶようになった。



増富の湯は、古くて小さい温泉街のはづれにある大きな日帰り温泉だ。源泉風呂、大風呂、ジャグジー、薬草風呂、サウナ、ミストサウナがある。



■所在地

山梨県北巨摩郡須玉町増富
TEL:0551−20−6500
FAX:0551−20−6515



■印象

浴室はきれいなタイルで天井が高い。清潔な雰囲気だが、風情の点ではややものたりない。普通のお湯の大きな風呂がある。浴室の隣はガラス屋根の温室になっていて、ここにはジャグジーがある。



浴室の中央に柱で囲われた源泉風呂がある。この赤茶色のお湯が増富温泉のお湯だ。かなりぬるい。体温より低い温度だ。なめてみると鉄錆の味がして塩辛い。さすがに効果が高そうだ。泉質は含炭酸・重曹食塩泉(高張性中性低温泉)、源泉の温度は32.3度である。

ほかの風呂には人は少ないが源泉風呂には人が集まっている。源泉風呂の先客は、目を閉じてじっと浸かっている。熱いお湯では長時間入れないが、ぬるいお湯は体にしみこむまで浸かっていられる。

休憩室は明るく心地よい。座布団を並べて寝ている人もいる。普通の温泉客と、みずがき山のハイキング帰りの人がいるようだ。食堂の営業時間は11:00−15:00とやや短い。

増富の湯の源泉風呂は効能があると感じられる。一日居て何度かお湯に入って、ミニ湯治を試してみるもの面白そうだ。風情は少ないが、源泉のお湯は良い。お勧めする。

■営業

営業時間 10:00−17:00(1,2,3,12月)
−18:00

(4,11月)

−19:00

(5,9,10月)

−20:00

(4,11月)
休館日 水曜日(祝日のときは翌日)
料金 1000円

交通

中央自動車道の須玉ICを降りて、国道141号線を2kmほど北上する。若神子の交差点で「増富ラジウムライン」の案内に従って右折する。あまり広くない道を、案内板をたよりに行く。途中みずがき湖を左に見て、トンネルを通る。ICから増富温泉まで30km程度。駐車場は広い。



調査日:2000年3月


瑞牆山

瑞牆山(みずがきやま)はゴツゴツした巨岩でできている。変わった形で有名で、須玉町のシンボルの一つだ。けわしそうだが実際は登りやすい山と紹介されている。中高年のハイカーが多い。増富の湯には瑞牆山への登山客もよく来るようだ。
瑞牆山へは、増富温泉から立派に舗装された林道をたどって、まず瑞牆山荘に行く。ここが登山口である。登山口から山頂まで標高差は700m程度である。

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