伊香保温泉石段の湯★★★★


伊香保石段街の公共温泉

■概要

伊香保の語源はアイヌ語のイカホップ(暖かい湯)だといわれている。万葉集や古今集にも伊香保の名前が登場するほど古くからの温泉だ。明治の文豪、徳富蘆花(とくとみろか)の伊香保を舞台にした純愛小説「不如帰(ほととぎす)」がベストセラーになて、伊香保温泉も有名になった。

伊香保温泉の温泉街は、榛名山東斜面の山腹に広がっている。中心部は引湯の樋を埋めた石段街である。石段街の下の方に公営の温泉、伊香保温泉浴場石段の湯がある。



石段の湯は近くの関所あとと雰囲気を合わせた瓦屋根の建物だ。大きなのれんがあるのですぐ分かる。男女の浴室と、2階には休憩室がある。

■所在地

群馬県北群馬郡伊香保町36
TEL:0279−72−4526



■印象

普通でも料金は安いのに訪れた日が県民の日だったので料金が半額になり、ずいぶん混んでいた。日帰りの観光客もけっこう多い。

浴室は石造りで、浴槽も御影石を使っていて豪華だ。お湯は白っぽい褐色である。温泉の注ぎ口や床は鉄錆色に染まって、いかにも温泉らしい。泉質はカルシウム・ナトリウム−硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉だ。成分は濃く1リットル中に1014mgもある。



2階には畳敷きの休憩室がある。明るくて快適だ。お弁当を持ってきてくつろいでいる人もいる。

けっこう混むが、本格的なお湯を安価に楽しめる。伊香保に来るなら、ここに寄ることをお勧めする。

■営業

営業時間 9:00−21:00
11月−3月は20:30まで
休館日 第2第4火曜日(祝祭日・夏休み期間は無休)
料金 400円

交通

関越自動車道の渋川伊香保ICで降り、伊香保温泉の案内に従って20分程度走ると伊香保温泉街に着く。石段の湯は石段街の下の方にある。
駐車場は湯川の橋の近くにある。ロープウェー乗り場の町営駐車場の利用可。



調査日:2000年10月

追加情報

2003年3月31日まで改装のため休業中。(佐藤さんからの情報2002年11月)

2003年4月1日から料金、定休日が変更 。(町観光課からの情報2004年3月)


伊香保温泉石段街

伊香保温泉の中心部は源泉まで続く石段がある。石段に沿って温泉旅館が並んでいるのは伊香保独特の風景だ。伊香保温泉の石段街は戦国時代の都市計画によって造られたものだそうだ。



温泉街は戦国時代の末期、天正4年(1578年)に形成された。それまで、温泉地(湯元)付近に浴舎があったのを、湯元より温泉を導き、石段を造って中央に湯樋を通して引湯した。左右に整然と区画された土地を屋敷にして、温泉宿を経営した。
(町の案内板を要約)

当時の都市計画の雰囲気は伊香保温泉の見取り図の錦絵でもよくわかる。

こ満口

伊香保温泉の石段の中央に温泉のお湯を流す樋がある。ところどころに、お湯が流れるのが見えるようにのぞき窓を設けている。のぞき窓から左右の旅館に分湯するためのしかけが覗ける。

分湯の口の部分を「こ満口(こまぐち)」という。説明によると、「こ満口の数は16ヶ所。この分湯方式は寛永16年(1639年)井伊兵部少輔により規定された制度で、以来現在までその原型は全く変わっていません。」とある。

お湯の量を一定にするため、こ満口の大きさは旅館ごとに決められている。温泉博物館に、こ満口の大きさについて取り決めた証文が展示してある。江戸時代の契約が今でも守られているそうだ。


湯の花饅頭

温泉と言えば温泉饅頭。伊香保温泉は「伊香保湯の花饅頭」という。石段の湯からさらに石段を登ると、田中屋がある。ここで湯の花饅頭を製造販売している。



バラで買うと1個80円、湯上がりで小腹が空いたのでさっそく買ってみる。小ぶりで食べやすい。餡がたっぷり入っているが、甘みが押さえてあってなかなかおいしい。

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