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旅行者が必ず立ち寄るというジャマイカきっての観光アトラクション、Dunn's River Fallの滝登り. |
マイアミ国際空港を飛び立った予定どおりMontego bay上空に着いた。雲の下に出た飛行機の窓からはなだらかな山容の緑に囲まれた山々と、白い砂浜をはさんで広がる紺碧の海が目に入ってきた。
着陸体制にはいり高度を下げてくると、山の斜面に点在する白い小さな家々と、雨で濁った川が海に流れ込んでいるのが目に入ってきた。 滑走路に触れ、急減速をはじめた機体の両側には水の豊かな水路が平行してはしっている。
緑と水の豊かな島というのがJamaicaに対する私の最初の印象であった。
タラップがつけられた出口から雨の上がったばかりの飛行場に降り立つと、蒸し暑さが襲ってくる。午後の日差しが照りつけ、熱帯の島に今立っていることを確認させられる。扇風機のむなしく回る通路を歩き、入国審査を終え、ジャマイカ通過に両替した。100US$で3700ジャマイカ$、換算が面倒くさそうだ。 観光収入に頼るこの国の紙幣らしく、裏面には観光地が描かれている。50$札には、これから向かうDoctor's cave beachが、明日行く予定の100$札にはDunn's river fallが印刷されていた。 タクシー乗り場にいき、料金を確認すると7$だという。ホテルまでは2kmもないのだから、異様に高い東京と同等かそれ以上の値段である。思っていたより物価は高そうである。走り出したタクシーはまもなくホテルに着いた。 3泊分の宿泊費を前払いする。フロリダで余らしぎみだった100$のTCを3枚使った。 ホテルでなくても、この国のいたるところでUS$が通用するのだが、しかしTCとなるとそうもいかないだろう。そこそこのホテル3泊で300$近くするから安くはない。この分だと支出が所持金を追い越すのは出国予定日よりも早くやってきそうな感じだ。 3700$では明日にでもなくなるだろう。ともかく、明日は観光定番のDunn's river fallに行くことにしよう。ガイドブックを広げて読んでいるうちにいつしか眠ってしまった。 | |
Dunn's River Falls | |
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Dunn's River FallsはMontego Bayのとなりのリゾート地Ocho-Riosのすぐ手前にある。隣とはいっても、片道でここから100kmほど離れていて飛行機も出ているほどだからかなりの長旅となりそうである。 ガイドブックで調べたところ、方法は3つありそうである。 1つめは、もっとも安易な方法でツアーを使うこと。申し込みだけ済ませれば、あとはついていくだけですべてはすんでしまう。しかしせっかくここまできて、これではすこし味気ない。自分の好きなように行動できないから私には不向きだ。 それに、もう朝9時を過ぎているから今から探したのでは間に合わないだろう。 2つめは公共交通機関を利用する方法である。どちらもジャマイカでは大都市であるから、地元の人々が利用するバスが頻繁に出ているようだ。ホテルの前の道路にも、時々、土ぼこりに汚れた年代物の車体や、中古で輸出されたのであろう日本語の塗装のあるバスが走っていく。 もうひとつは、ミニバスと呼ばれている乗り合いのバンである。どちらも価格は異常なまでに安いようだが、時間のかかることと、快適さを期待できないことは難点である。 熱帯の地で炎天下、道路をだらだらと走っていくのであるからだいたい予想がつく。それにOcho-Riosについても、そこから滝まではタクシーを使わざるをえないだろう。 第3の方法は、最初からタクシーを使う方法である。これだとかなり自由が効くし、エアコンはないだろうが、窓を開けておけばそこそこ涼しいであろう。問題は金額にある。政府に認定されたタクシーは公定価格があり安心であるが、昨日空港で利用した時のように、日本並みの高さである。 100kmも往復するとなるとかなりの出費を覚悟しなければならない。非認定のタクシーを値切れる手があるが、だいたいトラブルを招くから少し不安である。 バスもミニバスも、ダウンタウンに乗り場があるようなので、まずは歩いてから考えることにした。途中、バーガーキングで朝食を食べながら道のりをよく確認した。ミニバスを使うか、料金の交渉がまとまればタクシーを使うことにした。 ダウンタウンのは、どこも人が群がっていた。その混み合った狭い路地を、車がスピードを落とさずに荒々しく走りぬけていく。 ミニバスの乗り場はOrange Stの角の広場である。さまざまな行き先のバンが並んでいて、人々は発車を待っている。 まだ出発はしそうにない。予想したとおりここにはタクシーの客引きも多い。交渉がまとまり、タクシーを使うことにした。 タクシーは猛スピードで飛ばす。一般道で時速100km、主要道といえども舗装は極端に悪いから、時々ぬかるみを避けて急減速する。海に沿って走っているから、窓をあければ 快適で、暑さは忘れられた。 1時間半ほどでDunn's River Fallsの駐車場についた。入口で210$の入場料を支払った印として腕にスタンプを押してもらう。坂道を降りていくと砂浜に出た。気がつかなかったけれど車で走ってきた道路はこの滝の上を橋で超えている。ビーチサンダルに履き変えて水に入った。 よく知れ渡った観光アトラクションであるこの滝登りは、数珠つなぎの人でいっぱいである。 滝の長さは300mほどであろうか、石灰岩質のゆるい傾斜登るのは容易だが、水の勢いに注意しないとバランスを崩してずぶ濡れという結果を招くだろう。だから、だれもが水着に着がえて登っている。 少しばかりこの種の経験の豊富な私にとっては、絶対失敗しないという自信もあるし、岩も見た目よりは滑らない。それに濡れたところで困るものも、もっていないからそのまま登ることにした。 一箇所腿までつかる深いところがあって、岸を迂回した以外は、ルートを選べば水にぬれることはない。難なく上まで登ってしまって、ちょっと物足りない気もするが、まあこんなものだろう。 今回ジャマイカを訪れたのは、別に滝登りがメインではないのだからこの程度でよいだろう。日本でも、こんなアトラクションが楽しめる場所があるといいのだが。水遊びの気分で気軽に滝を登るのは楽しい。そのためには、日本の滝は少し険しすぎるのと、規模が小さすぎるかもしれない。 |
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Doctor's Cave Beach | |
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さて今回ジャマイカまできた第一の目的は、山に登るためである。カリブ海に浮かぶトロピカルな島で登山とは考えにくいのであるが、ここには山もあるのである。もちろん、このくらいの島にそんなに海抜の高い山があるわけはなく、最高峰といっても2300mである。その山は、 Blue Mountain。コーヒーではよく知られているけれど、平凡な山のようで登頂すること自体には魅力はないようだから、わざわざ登りに来る人は少ないだろう。それも、地球のほぼ裏側にあたる日本からわざわざ来る物好きはもっと少ないことは予想できる。 そんな場所であるから、出発にあたって、この山についての情報はまったくといっていいほど得られていなかった。いつも、頼りにするwebも今回はまったく無力だったし、フロリダにも情報はなかった。すべてをゼロからはじめなければならないことも、この山に登る魅力に追加され た感じである。 そしていざ明日から出かけようとしている今日、まだLonely Planetに載っていた簡単な記述だけが頼りである。正確な地図を得ていないのがなにより心配の種である。ビジターセンターにいったが、入手できたのは観光ガイド用の道路マップだけであった。 これで、島のどのあたりにあるのかの見当はより正確になったが、行程全体の所用時間の見当はまったくつかない。交通手段について決めなければならない。 まず宿の予約だ。ホテルのフロントに頼んで、電話をかけてもらうことにした。結果は現在休止中。次にあてにしていた宿はどうにか泊まれそうである。そして、Mervis Bankという町まで迎えに来てもらえることになって、かなり予定が立った気がした。 もしこれがだめだと、麓から歩いていくことになり時間的にも苦しいだろう。何もしないまま諦めて日本に帰るしかなさそうであった。 次に約束した、Mervis Bankのpolice stationの前に、夕方5時までにたどり着く方法を考えなければならない。地図を広げれば、Blue Mountainの嶺々は島の東端にある。私が今いMontego-Bayのは島の北西である。出発点は島の東南に位置する、首都のKingstoneである。 例のバスだと何時間かかるのか見当が着かない。最悪はタクシーを使う方法もあるが、かなり旅費がかさむだろう。 夕方一緒に登る友人が到着した。そして、時間を節約するためにも少し高くても飛行機を使うことにした。彼が、Air Jamaica Expressに電話すると、まだ予約可能で、しかも往復108US$の料金だという。地元の航空会社については、盲点であった。 これなら、時間を心配する必要はなくなる。明日昼にここを出ればすみそうである。30分のフライトの後、Kingstoneの空港で、タクシーを値切ってMervis Bankまで行けばよさそうということで合意した。 |
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Blue Mountain | |
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Peak |
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