政策評価をしよう!no2

木谷實記念館と市民活動サポートセンター(仮称)を例に


小林



+αNo1で「政策評価をしよう」と書きましたが、きっかけがつかめず原稿にできませんでした。今回から、平塚市が進めている馬入堤内地‐木谷記念館と市民活動推進事業で話題になっている市民活動の拠点となる施設について、比較しながら考えて行きます。市民活動の拠点施設の名称は決まっていませんが、横浜にある県民活動サポートセンターを真似て仮称として市民活動サポートセンターを用いる事にしました。
平塚市の今年度の広報2月号に総事業費55億円の馬入堤内地事業の一環として、木谷實記念館の計画が掲載されています。9月14日、計画担当課の平塚市文化行政推進室を訪れ、本計画の概要について伺いました。木谷實は、囲碁の名人で平塚市に道場を構え、その道場からは多くの名人を輩出した。平成8年平塚市博物館特別展において、木谷實が紹介され同時に囲碁まつり等の事業が組まれ注目を集めた。その後、木谷實を市の財産と考え偉業をたたえる記念館を作ろうという意見が寄せられた。平塚市で検討した結果、今回の事業となった。事業の詳細は決まっていない。現在、専門家による検討委員会で意見調整が行われている。
こうした説明に対して小林は、「他の事業との比較検討は行われたのか?」「木谷記念館の事業決定をした根拠は何か?」という質問をしましたが、「そうした問いは、文化行政推進室の担当レベルでは考えれないので答えることはできない。」との回答でした。また、「囲碁人口は平塚市の3%と見積もられているが、事業を進めるコンセプト(考え)は、偉業をなした木谷實を市民全体の誇りとして事業を推進している。」とのことでした。私としては、囲碁の名人を輩出することが社会的に価値のあることなのか、記念館に大金をかけて建設することが市民の公益になるのか疑問です。それよりも、市民活動サポートセンターを造ってくれた方がはるかに有意義だと考えています。そこで、これからこの二つの事業を比較しながら、平塚市の考えや事業の公共性に関して調べることにしました。
私が頭に描いているサポートセンターは、横浜にある県の県民活動サポートセンターです。横浜駅の近くにあり、市民活動の相談受付け、印刷機、コピー機、ロッカー、会議室、パソコン、掲示板などを、市民活動向けに提供しています。情報コーナーも設置されており、NGO、NPOの会報等、書籍が揃っています。市レベルとしては、横須賀市や海老名市にはすでにあり藤沢市でも準備が進んでいます。私は環境問題の集会に利用しますが、横浜だと遠くて平塚にあればと思っていました。平塚市では、社会福祉協議会がボランティア関連事業を行っていますが、福祉が中心です。ボランティアは、福祉だけではありません。そういう意識転換も社会に必要です。
9月8日に開かれた平塚市の(仮称)市民活動条例公開検討会おいても話題になりました。今後の市民活動の推進には、拠点となる施設が必要というコンセンサスの元、(仮称)市民活動条例第10条に案が明記されています。
皆さんは、この原稿を読んでどういう感想を持たれましたか。平塚市が決めて進めていることを、今更言っても仕方がないと思われるでしょうか。
仕方がないかもしれませんが、今後のために調べる価値はあるでしょう。また、平塚市は改定基本計画第2次実施計画(2001,1月発行)において、1ページ2計画策定の基本的な視点として(3)計画事業評価制度の導入を掲げています。「計画策定に当たっては、各事業の内容について時代性・効果性・実現性等の評価を行い、事業の位置付けや優先性を明確にするなど、新たに計画事業評価制度を取り入れ、改定基本計画の効果的・効率的な推進を図ります。なお、経常的・管理的な事業については、通常業務の中で実施することとします。」とあります。今後、こうした評価がどこのセクションでどのように実施されるのかも調べたいと思います。          (文責、小林)

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