2007年統一地方選挙 政策比較
市長選立候補表明者 3人に聞きました


2007年統一地方選挙市長選
立候補表明者政策比較企画編集チーム



 平塚市長選挙が4月22日に予定されている。+α平塚市民情報誌として、市長選挙立候補表明者にアンケートを実施し政策比較を試みた。今回の選挙には、相原清氏、大蔵律子氏、眞敏昭氏が立候補を表明しており、平塚市において候補者が3人となるのは3回目である。平塚市民にとって多様な政策からの選択となり、まちづくりの発展が期待できる。
 自治基本条例については、参加過程に関し、三者共評価した。ただ市民の認知度等課題の指摘は、相原氏のみだった。
 合併や広域連合については、否定は大蔵氏のみ。一方で広域行政の必要性を指摘する相原、眞両氏には広域化した際に、平塚の独自性をいかに担保するかという提案も望まれるだろう。
 行革では、市場化テストや事業別会計の指摘は眞氏のみ。
 市民活動センターについては、眞氏が市民委託を打ち出し、他の候補は検討課題とした。
 中心市街地の取り組みについては、眞氏は車の利用者と再開発について強調した。再開発に関しては、大きなまとまったエリアを全面的に更新するのか、小さなエリアを少しずつ更新するのか、既存の資源を少しずつ改修しながら活用するのか、その方向について議論が必要である。
 日産車体跡地については、手法に触れている大蔵・眞両氏と土地利用について触れた相原氏という相違があった。ただ土壌汚染の可能性について触れた記述はいずれの回答にも見られなかった。
 新市庁舎建設問題については、眞氏が市民センターとの複合化について挙げており、その可能性や是非について議論することは必要である。この問題はかつて選挙で争点として浮上したことがあった。市民に議論が充分なされているのか気になるところでもある。
 駅の南北それに西口については、眞氏が南口のリゾートという要素を挙げたのに対し、相原氏は観光というキーワードを提示している。大蔵氏は、北口での広々とした駅前広場、西口の整然とした空間の必要性を強調した。さらに同氏は北口と西口の結びつき、相原氏は西口と見附台の結びつきについて提示したが、北口、西口、見附台に加え南口も含めた回遊性を強調する回答は見られなかった。
 ツィンシティー問題では、相原氏がその実現性に疑問を呈した。
 ゴミの広域処理問題では、眞氏が1市2町、他の二氏は1市1町の現状での対応をするとして、各市町単独や1市&2町といった形を提示する回答は見られなかった。また根本的な減量の推進や生産者責任に触れる候補者はいなかった。
 毒ガス問題では、国の責任について大蔵候補が強調したものの、国に対して市が市民の生命を守る立場から国の対処を監視していく姿勢を明確にする回答はなかった。
 現職の4年前の公約と取組状況の検証が出来なかった点は残念であるが、平塚のまちを育てるという観点で議論が深まっていくことを望むところである。
 御回答に協力くださった立候補表明者のみなさまありがとうございました。ご健闘をお祈りします。

                                                                 
テーマ 質問      相原清      大蔵律子     眞敏昭
自治について (1)平塚市自治基本条例をどう評価するか。  地方分権の時代を迎え、地方自治体に自主・自律の自治体運営が求められています。
活力ある個性豊かな地域社会を構築するため、「地域のことは地域で決定する」ことが必要です。
市民の参加を得えて、平塚市の自治体運営の基本的な理念や仕組みを条例で具体化した点は評価をします。
しかし、施行後、半年を過ぎますが、市民の自治基本条例に対する認知度は低く、個別の市条例にも具体的に反映されていません。
まちの将来像が明確でない点、平塚市民憲章との関係が整理されていない点など、課題も残ります。
平塚市民、議会、行政の三者による協働の産物として制定に到った条例と認識している。

この条例は自治の「基本条例」であり、より多くの合意がなければ意味をなさないことから制定過程にいろいろな考えの市民がかかわったことは評価できる。
策定の当初の段階から市民が参加して策定したことが、一番評価すべきことだと思います。
自治について (2)地方分権について、現在の平塚を前提とした分権を進めるのか、合併や広域連合を前提とした分権で行くのか、いずれか。  情報技術の発展や経済のグローバル化の中で、住民は一自治体にとらわれることが少なくなっています。
東京・横浜の通勤圏に入る平塚市では、市外で働かれている住民も多数います。
一方で、ごみ処理を初めとする環境問題や、上・下水道、交通網の整備など、周辺自治体との連携なしに行政運営ができる時代ではありません。
自治体の境界に縛られることなく、効率的な行政運営の選択肢の一つとして、合併や広域連合は考慮すべき選択肢だと考えます。
現在の平塚と考えている。
現在の平塚市を前提として自分たちの力で分権をすすめる事はできません。
地方分権に止まらずに地方主権を目指していくべきだと考えています。
市民の声を直接、市政に反映させるには、現在の平塚市の権限では限界があります。
市民本位の市民自治を確立する為には中核市や政令指定都市も視野にいれるべきだと思っています。
自治について (3)開かれた市政に向けた行政改革にどう取り組むのか。  市民の意見を行政が取り入れることは不可欠であり、職員と一丸となって開かれた行政を展開していきます。
市長自身が意見を聞く場も設けたいと考えています。
また、IT技術を活かして、インターネット上に「電子フォーラム」を開設し、サラリーマンから高齢者まで、みんながまちづくりの議論に参加できるようにし、その成果を施策に反映させます。
市民に情報を積極的に提供し、職員が説明責任を果たせるようにしたい。
市民サービス窓口や社会教育分野の施設の開館時間など市民利用の便を図りたい。
改革とはまず自分が変わらなければならないと思います。
その為には自分の身を切ることです。
現在の行政業務に市場化テストを導入すべきだと思います。
行政の役割を検証して、最適な運営方法を常に模索すべきだと思います。
また、事業ごとの決算も行い市民に公開していきたいと考えています。
自治について (4)ひらつか市民活動センターのあり方についてどう考えているのか。 市内で活動するNPO団体などの活動拠点として、また、市民活動への理解を促進する場として、現在のひらつか市民活動センターは大きな役割を担っていると認識しています。
施設整備の面でも、より幅広い市民に利用していただけるための工夫をしていきたいと思います。
運営協議会に利用者の声が反映されて、現状の運営かそれとも指定管理者への移行かを十分に検討していただきたい。
市民活動センターの存在は心強く思います。
次のステップは運営主体を市民活動団体に任せることだと思います。
平塚のまちのあり方について (5)現在、進められている中心市街地の活性化の取り組みについての評価及び今後に向けてどのような取り組みを進めるのか。 中心市街地の活性化については、この4年間、議論の対象にはなっても具体的な進展がないままです。
高層マンションの建築が相次いでいますが、マンション新住民が周辺の商店街の顧客となり、街全体の発展につなげるための取り組みがなされるべきです。
交通弱者になりがちな高齢者が中心市街地のマンションに転居して、徒歩で安心して生活できるような支援も考慮すべきです。
東海大や神奈川大と行政が連携し、若者が中心となって街の賑わいをつくる仕組みも必要です。
また、駐輪場・駐車場の不足を解消する取り組みも進めていきます。
「まちかど広場」のさまざまな催事や、TMOによるチャレンジなどを通じた活性化策が必ずしも効果的に機能しているとは限らない。
歩いて楽しい市街地の再生に向けてそのプランづくりの討議の場を考えたい。
現在の取り組みは無しに等しいと思います。
特に駅西口からラスカ駐車場までの市保有地(国鉄清算事業団から購入した)の平面利用を続けることは大きな損害だと思います。
ライナーホーム建設は中止して、再開発事業を一刻も早くスタートさせるべきです。
今日、人が集い活気あふれているのはモールです。
車で乗りつけ、いろいろなお店を巡れることが魅力となっているようであります。
商業施設と駐車場が一体となっていることが集客につながっていると思います。
中心市街地にも一体感が感じられるまちづくりが必要と考えます。
たとえば、土日は旧国道1号線を片側通行にして一車線を即席の駐車場にする、そうすることにより、駐車スペースと商店の一体感が創出され、店に車を横付けすることも可能となり気軽に中心市街地に訪れる事が出来ると思います。
その他大型駐車場なども考慮した中心市街地一体化整備計画の作成が必要だと思います。
平塚のまちのあり方について (6)日産車体跡地への取り組みをどうするのか。  平塚駅の徒歩圏に、19ヘクタールという広大な空白地が生じることになり、平塚市の今後の発展を左右する重要な問題と考えています。
土地を売却するのかどうか、所有者である日産車体の意向を見極める必要がありますが、日産車体を含め、県、商工会議所などと綿密な協議をした上で、工業以外の用途も含めた複合的な土地利用を目指すべきだと思います。
跡地は日産車体の所有地であるので、平塚市の考え方を示したいと考えている。
そのために、土地利用の方針を現在外部の専門家をアドバイザーに庁内グループで検討している。
民有地なので一方的に語ることは出来ませんが、跡地利用に関しては空白期間を少しでも短くする為に優遇税制などあらゆる手段を尽くす必要があります。
公的資金を導入しやすくなる区画整理や、地区計画の策定なども考慮すべきだと思います。
平塚のまちのあり方について (7)新市庁舎建設問題についてどう考えるか。  現在の市庁舎については、耐震性の問題が指摘されており、強い地震などの場合、災害対策を行う拠点として不十分であること、分散しているため、市民にとって不便であり、効率的な行政運営の妨げにもなっていること、バリアフリー対策などが不十分であることなどから、新市庁舎の建設は必要と考えています。     
 しかし、建設の場所や庁舎の規模については、市からの十分な説明もないまま、決定されました。      
詳細な情報を公開した上で、市民や議会、各団体の意見を踏まえて、新庁舎のあり方について改めて判断すべきであると考えます。
○市庁舎の基本構想を策定する会を発足した。     
 ほぼ1年ぐらいかけて構想案がまとまり次第、パブリックコメントで市民意見を徴集することになっている。    
 ○市民公募を含めた市庁舎検討懇話会や市民アンケート、議会での検討会等を通じて、現在地に建て替えの方向が確認された。      
現在、市庁舎の構想をつくる(仮称)審議会的な委員会を発足させたのでその結果を尊重し、10年間の財政計画にリンクさせて、実現の可能性を追求すべきと考える。
単純に考えて、耐震強度偽造問題で営業を自粛していたホテルより強度が劣る市庁舎を現状のまま放置しておくことは出来ません。     
早期の建て替えが必要です。     
同じく建て替えが必要な市民センター(昭和37年築・天井から崩落が起きている)との複合施設を検討したいです。     
それぞれを別々に建築するよりも建築費用が削減されるはずです。
平塚のまちのあり方について (8)南口、北口、西口の役割分担をどう考えているのか。 平塚市の「顔」となる平塚駅北口は、バス・タクシー乗り場のバリアフリー化がまず必要です。     
国道1号線との交差点など、駅前通りの整備と一体化した広域のバリアフリー計画を元に、再整備すべきです。     
自転車の利用者が多い西口は、駐輪場拡充整備がまず取り組むべき課題であるとともに、見付台地区の整備計画と整合性を持たせる必要があります。     
南口は、平塚ビーチパークへのメーン通りでもあります。    
「湘南」の魅力をアピールできる、観光面にも配慮した整備が求められていると思います。
南口は、海へいざなう場、玄関として標識や景観に配慮し、「湘南の海」をイメージできる場にしたい。    
 北口は、平塚の玄関口としてバリアフリーで広い空間を感じられる駅前広場を再整備したい。バスや一般車、タクシーなどの流れをスムーズになるように考えたい。    
 西口は、再整備可能なところから進め、当面、自転車、バイクの駐車場の新設で整然とした周辺にしたい。また、タクシーが北口から周遊できる方策の検討に着手したい。
南口は湘南平塚リゾートのゲートとして、北口と西口は見附台周辺とも一体性を持たせた中心市街地の拠点として考えていきたいです。
平塚のまちのあり方について (9)ツインシティ計画の評価は。 平塚の北の玄関としての田村・大神地区の発展につながる計画ですが、実現性が不透明であるのも事実です。     
長期計画の中に位置づけつつ、平塚独自の開発計画も検討すべき時だと考えます。
東名や首都圏環状道などの交通アクセスから、土地利用のポテンシャルが高くなっている。     
良好なまち起こしにつながるよう、地権者をはじめ地域住民の意向を反映させた平塚の北の玄関口にふさわしいまちづくりを考えたい。
そもそもツインシティー計画とは新幹線新駅を誘致するためのものです。    
 駅がひとつしかない平塚市にとっては北の核となる重要な拠点です。     68ヘクタールの特定保留地は賑わいを創出できるものにしていきたいです。
環境問題について (10)ゴミ処理広域化計画をどう評価するか。 効率的で住民が安心できるゴミ処理は、地方行政の大きな課題です。     
負担を減らす意味で、広域化計画は高く評価できます。     
二宮町の脱退は非常に残念であり、近隣自治体をまとめる平塚市のリーダーシップの欠如が一因であったと思います。     
今後は、二宮町の情報を収集しつつ、大磯町との一市一町の広域化を着実に前進させます。
自ずと限定的な広域が必要であるが、現在大磯町と平塚市との広域処理を成功させたい。
煙突の数を増やさない、ごみ処理の効率化を図ることを考えれば、適正規模の広域化は必要だと思います。     
広域化のパートナーとして二宮町の復帰を望みます。
環境問題について (11)戦争中の遺棄毒ガス問題の取り組みをどう評価するのか。 遺棄毒ガスに限らず、土壌汚染は住民の安全を脅かすものであり、厳正な対処が必要です。    
 旧軍が原因とみられる有毒化学物質などの対応については、国とともに被害の未然防止のための施策と継続的な調査を進める一方で、住民への情報公開を進めていきます。
国には、将来に持ち越すことのない処理を行う責任がある。    
 現在の取り組みについては完結にいたるものとは認識していない。
毒ガスの処理については市だけでなく県や国にも働きかけ、安全確認を慎重に行い、平塚市としては情報収集と市民への説明を徹底するべきです。

 
戻る