+α平塚市民情報誌 行動する市民の会 桜美園問題を考える会共催

SPM(浮遊粒子状物質)講演会とごみ問題交流会報告


+α編集部 小林




 3月5日 SPM(浮遊粒子状物質)講演会とごみ問題交流会をひらつか市民活動センターで+α平塚市民情報誌、行動する市民の会、桜美園問題を考える会により共同開催した。参加者は15名。SPMは、「ごみを燃やす社会」山本節子著築地書館により危険性が指摘されており、桜美園問題を考える会では過去焼却施設周辺の付着物質について調査を実施しており、昨今ディーゼル車の排ガス規制で話題となっていることから、SPMの研究者である環境科学センター小山恒人氏にお願いした。
 SPMはディーゼル排ガスが大気汚染源のように語られるが他からも排出されている。日本の環境基準はPM10だが、アメリカではPM2.5以下の人体への影響が懸念されている。またSPMは有害物質を吸着することから中国からの黄砂の汚染が危惧されている。ディーゼル規制によって、それまで基準がクリアーできなかったが改善された。質疑応答では、ごみ問題を手がけている参加者が多かったので発生源が問題になった。私の感想は、健康被害との関係(疫学調査)、ディーゼル以外のSPM対策(焼却施設、リサイクルプラザ他)、有害物質がどこから何が出ているのかなど研究の遅れが心配になった。小山さん、講演ありがとうございました。
 また、中京大学の成元哲氏がアメリカで近年始まった地域参加型調査(Community-Based Participatory Research:環境と公害、岩波書店 2004年10月p22)を紹介されている。地域参加型調査とは、アメリカのマイノリティーの居住区で環境被害が多いことから、環境的公正、正義を考えた人達が進めたプロジェクトである。問題を抱えた地域の住民と化学、医学などの研究者や公共の研究機関が共同し、大気、水、生物サンプル、住民の健康調査など多面的に調査を進め地図に落とし、原因が特定できればそれへの対応も進める。特記すべき点は、住民が自ら感じたことをデータとして一緒に報告することである。横浜市の西岡政子さんが学校保健実態調査の喘息率などを集計し地域の環境汚染を調べる調査を継続されており、西岡さんが平塚市の学校保健実態調査(平成12年〜15年)を集計した結果、自然環境が良好と考えられる土屋小学校が、喘息、腎臓疾患、耳鼻咽喉疾患(アレルギー鼻炎を除くその他)、眼疾患(アレルギー性結膜炎を除くその他)の項目が市内の小学校ではトップだった。大気汚染源として遠藤原最終処分場が考えられる。こうした状況は早期の改善が必要であり、SPMと関連して神奈川県環境科学センター、市民グループ、関係機関との共同で地域参加型調査を実現したいものである。
 ごみ問題交流会では、平塚、二宮、大磯、秦野、横浜から報告があった。また湘南西ブロックごみ処理広域化実現可能性調査最終報告書が3月1日に発表されたことから、ネットワークしながら考えていくことになった。そのための説明を事務局の平塚市に求め3月24日開催した。

   地域からの報告
 
  +α平塚市民情報誌:神奈川県が後押しするエコループプロジェクトについて調査、情報発信している。
  行動する市民の会:昨年平塚市のごみ行政に対して提言書を提出した。
  桜美園問題を考える会:民事裁判中。百条委員会では薬剤費用の不正支払いが発覚した。
  秦野市民:強引に焼却施設建設計画が進められ、地元から反対運動が起きている。
  大磯市民:ダイオキシン基準値をオーバーしたことから、ごみ減量に取り組んでいる。
  横浜市民:市長がごみを減らすG30を進めている。

  
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