矛盾だらけ!  神奈川県環境政策


小林



 松沢成文神奈川県知事は12月広報に「循環型社会をつくるために」と題し、深刻化する廃棄物問題の解決に再使用、再利用を進める循環型社会づくりへの広域的な取り組みが必要と述べている。また、神奈川県は水源環境税の導入に向けて県民集会を開催中である。計画中の新・丹沢大山自然環境総合調査は見通しが立っていない。
 平成15年度環境農政部事業概要を読むと多くの疑問が生じる。県は国際協力の推進として地球環境戦略研究機関支援事業費1憶9千9百6十2万8千円、地球環境戦略研究機関施設借上事業費1憶8千5百2十8万9千円さらに地球環境問題対策推進費4百6十6万円を計上している。この地球環境戦略研究機関のHPを見るアジア太平洋地域を対象に活動しており、県民の公益には値せず神奈川県が支援する必要性は見出せない。そうした財団に年間約4億円も支出しているのは信じられないことである。また、県は2002年2003年と企業と直結したNPO法人(環境テクノロジーセンター)と2年で2千万円支出し廃棄物処理(全体構想)の研究を行ったがきちんとした報告書は出されていない。このような不可解な支出を続ける一方で水源を守るために新たな税金が必要だという言葉をだれが信じるだろうか。ちなみに県民生活につながる環境科学センターの研究調査費は9百1万8千円であり、県民との協働による廃棄物に関する研究は一切行っていない。
 また、水源環境税が必要と言いつつその基盤である新・丹沢大山自然環境総合調査は予算がつくかどうかさえ定かではない。水源環境である丹沢大山の環境が把握できなくてどこをどう保全すると言うのだろうか。政策展開に理論的な組み立てがない。
 神奈川県の進める全体構想は、企業の廃棄物を市町村の一般廃棄物と混合処理するシステムであり、さらに具体化に向け平塚市を含む県西部をモデル地域にした「100万人リサイクル地域モデル研究」への支援を2003年7月国に働きかけている。(この事を平塚市民も平塚市職員もまったく知らない!?)
 松沢県知事や内閣の都市再生プロジェクトにもある循環型社会の構築とはこのシステム(全体構想)である。全体構想は、世界的にコンセンサスの得られているPPP(汚染者負担の原則)の逸脱であり環境汚染を増大させる最悪のシナリオである。松沢県知事や県の職員は責務を自覚し、真剣に将来を考えていただきたい。今何が起きていてどうしなければならないか考え正しい政策を進めるべきである。


*前号のひらつか市民活動センターについて
 ひらつか市民活動センター管理運営委託に関する答申の記述で「組織が確立し運営が安定したNPOへの委託が望ましい」と書かれているので、答申に書かれているようなNPOが市内にあるのかとの質問に「あるとは書かれていない」と回答が来ました。そこで根拠データの提出を求めて再質問しました。

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