小金も稼いだし、久しぶりに恩人であるローバーンのモニカに会いに行くことにしたアセトくん。
しかし、この訪問が謎の異次元空間突入につながるとは、夢にも思わないアセトくんとアイシャであった・・
「こんにちわ〜お元気ですかぁ?」
などとアセトくんたちがモニカの小屋を訪れると、なぜか深刻な顔をしたモニカは三択問題を出してきた。
『東の風あめ』、『薔薇のつぼみ』(なんで『*民ケー*』・・?)、『秋の日のヴィオロンの・・』のどれかを選べ、と言うのである。
適当に選ぶと、以前会ったことがあるはずなのに、モニカは「だれに言われてきたの?」と聞いてきた。
・・・
・・もしかして、だれかとまちがえてませんか?たとえばグレイさんとか。
しかし、プレイヤーを軽く無視して問題は続く。
警備隊長のネビル、財務大臣のパトリック、それからローバーン公コルネリオのうちどれかを選べ、というものだ。
とりあえずプレイヤーには基礎知識があるので『ネビル』を選択。
すると、モニカはアセトくんの全然知らない『ジャン』なる人物がローバーンの地下にとらわれているらしいことを話した。
ローバーンの北東にある民家がその入口になっているらしい。
そして、
「私は連絡のために、ここを離れられないの。ジャンの生死をたしかめて!・・もし、死んでいたら・・・・」
と辛そうな顔でうつむいてしまった。
どうやら彼女の大切な人らしい。これはなんとかしなければ。
きっと、気が動転してるんだ、などと理屈を付けたアセトアルデヒドとアイシャ(とプレイヤー)は、街の北東にある民家に向かうことになった。
そこには一人の男が住んでいた。
ごく普通そうに見えるが目つきが鋭く、ただ者ではなさそうだ。
しかし、帰れ、と言われてすごすご帰るわけにはいかない。
理由はともかく瀕死のアセトくんを解放してくれたモニカの頼みだ。
「ぜったい、帰らないぞ!」
と、がんばるアセトくん。
すると、男は「しかたありませんね」といって退いたように見えた。
疑いもせず奥へ行こうとする二人。
そのとき、男は背後から襲ってきた。
不意を討たれてピンチ!
しかし、隊列は崩れても、アイシャの槍のおかげで中列からも攻撃できる。
従って楽勝。
奥の部屋に急ぐと、そこは牢屋になっていた。
そしてその錆びついた鉄格子の奥に、つかれきった男が壁に寄りかかって・・・
・・・・・・
いなかった。
しかも、
「くるな!ワナだーっ!」
何もない空間から声が。
アセトくんはわけがわからない事態は放っておいて、ひとまず壁を調べた。
すると、壁は通り抜けられることがわかった。
ジャンがいるはずのところへ飛び込むアセトくん。
そのとき、ぱかっ、と音がして床が開いた。
抵抗する間もなく落とし穴に落ちるジャンとアセトアルデヒド。
アイシャもいそいで二人の後を追って穴に飛びこんだ・・・
場面暗転
アセトくんとアイシャが目をさますと、ジャン(らしい男の声)があいかわらず透明なまま話しかけてきた。
辺りを見回すと、そこは、洞窟のなかでも湖のような所だ、ということがわかった。
近くには凶悪なモンスターがうようよしている。
ジャンは謝ると、この洞窟には出口がないと言われているため、彼を救出にくるだろうネビルの部下共々ここに閉じこめて殺してしまうつもりなのだ、と語った。
そして、
「でも、きっと見つかりますよ!やつらだって、ここに入ったことはないんだ。さあ、行きましょう。」
と二人を励ますと、先に歩きだした・・らしい。
・・しかし透明なのでどこへ行ったか不明。
しかたなくステータスが面を開くと、「ジャン」がいつのまにか仲間になっていた。
・・とりあえずここを出よう。
洞窟散策もそこそこに、アセトくん一行は出口を探して歩きはじめた。
・・数時間後。
洞窟の奥でさらさら流れる小川から風が吹いてくるのがわかった。
出口だ!
さっそく、小川に身を投じる一行。
場面暗転
びしょびしょになりながら、ようやく姿を現したジャンの上機嫌な顔を見ながら、アセトアルデヒドは軽いめまいを感じた。
彼はメルビルに帰る、と言い、さっさと歩いて行ってしまった。
説明ぐらいしてほしいものである。
実は以前クローディアでプレイしたときもこのパターンで、透明ジャン、そしてわけもわからずイベント終了。
・・まてーっ!なんか少しくらい説明して行かんかーい!!
・・・などと叫んでもどうにもならない。
強制的に場面暗転。
・・・しかたない。モニカの所に戻るか。
ローバーンに戻ると、モニカは上機嫌でアセトくんたちを迎えてくれた。
そこには見慣れない二人の人影が。
茶色の髪の美女と銀髪の美声年だ。
そしてモニカは、この二人を帝国の外に連れて行ってほしいのだと言う。
理由を聞くと、
「ローバーン公の屋敷につかまっていた仲間を助けだしたところなの。とにかく、ローバーン公の目に触れないところに逃がさないとね!こちらが、クローディアさんで、こっちがグレイよ。」
と、うきうきと説明しだした。
・・・ちょっと待てっ!ジャンを救出したのはアセトくんとアイシャなんだぞぉぉ〜・・・などとわめいても始まらない。
なにかもう、どうでもよくなったアセトくんは、引きつりながらも笑顔を浮かべ、
「・・僕は、ローザリア王国、イスマス城主、ルドルフの息子、アセトアルデヒドです。」
と、かろうじて答えるのであった・・・