| <心肺蘇生法>
 心肺蘇生法については知識として覚えておく必要があるが、実際に心肺蘇生法を
 行なわなければならない状況に遭遇しない方が良いに決まってます。
 ただ、いつ何時その状況に遭遇するかはわかりませんし、屋外だけでなく、自宅で
 も緊急事態が発生するかもしれません。消防署で行なわれた上級救命講習会を参
 考に一連の流れをお話しします。
 心肺蘇生法の手順を簡単に説明致します。1:意識の確認
 2:気道確保・呼吸の確認
 3:循環サインの確認
 4:心臓マッサージ
 5:心肺蘇生
 回復するまで人工呼吸・心臓マッサージの繰り返し。 1:意識の確認(自分自身がわかるか) 「大丈夫ですか!大丈夫ですか!」名前がわかっていれば名前を耳元で大きな声で
 問いかけ、反応があるか確認する。その際に片手はオデコに、もう一方は肩を叩きます。
 ここで声で反応すれば一番ですが、気絶している場合もあるので肩を叩き刺激に対して
 の反応を確かめます。オデコは傷病者の体温が暖かいか冷たいかを確認します。
 乳・幼児などは問いかけなどに反応出来ない場合もあるので、神経の集まっている足の
 裏をくすぐって反応をみる。
 反応があり意識がある場合には心肺蘇生の必要は無いが、意識のある無しに関わらず
 直ぐに119番や最寄の消防署に連絡をする。近くに人がいれば連絡をして貰い状況を
 伝える。その際に注意する点は、周りに複数人いれば連絡を取って貰う人を指名する。
 野次馬が多い場合には特に誰かがするだろう的な考えになりやすいので、指名しお願い
 する。
 119番や救急に伝える際に、意識の有無など具体的に伝えてもらい、救急隊が対応し
 やすいようにする。
 2:気道確保・呼吸の確認意識が無い場合には舌根沈下状態(舌の奥がノドに落ち込む)になり、気道が塞がれて
 しまいますので、気道確保を行ないます。
 仰向けに寝かした状態で、片手をオデコに当て軽く反らし、もう一方の手の人差し指・中
 指でアゴを引き上げを顔を上向きに気道を確保する。
 これを顎先挙上法(あごさききょじょうほう)と言うようです。
 呼吸の確認は、視線は傷病者の胸を見て、耳と頬は傷病者の鼻と口に近づける。
 呼吸による胸の上下があるかを確認しつつ、耳で呼吸の音、頬で息を感じてください。
 実際に屋外で確認する際には意外と騒音があるので、呼吸音は聞き取り難くいので、
 胸の動きと頬に当たる息にも注意してください。
 この確認を5〜10秒ほど行ないます。(この時間は講習会によって多少異なります)
 顎先挙上法で気道確保をしっかりし、口を開け、鼻をつまむ。口に嘔吐した物などが詰まっていれば、指にハンカチなどを巻きかき出します。
 傷病者が怪我で出血していたり、他人の口に直接は嫌だと言うかたは、ハンカチを当て
 たり、携帯用の人工呼吸用マスクを使用したりしてください。出血による2次感染の考え
 られますので、人工呼吸が無理なら、心臓マッサージだけでも行なってください。
 
 吹き込む際に胸を横目でみながら傷病者の口を覆うようにして息をゆっくりと吹き込む。
 しっかりと呼吸が吹き込まれていれば胸が盛り上がり、口を離したら胸が下がっていく。
 2:循環サインの確認循環サインとは、血液が体に循環しているかの確認の事で、息を吹き込んだ状態から
 呼吸が回復したか、咳が無いかを口元に耳と頬を近づけ確認し、今度は上半身を少し
 起こし傷病者の全体を観察し、体に動きがないか確認します。
 確認時間も10秒程度で大丈夫です。
 
 この時に「呼吸なし」「咳なし」「体動(たいどう)なし」などと呼称し確認する。
 呼吸・咳・体動のどれか一つでもあれば循環していると判断します。
 確認できなければ心臓マッサージに移ります。
 3:心臓マッサージ胸を押す場所は胸骨下半分で、肋骨の脇から胸の中心に沿って中指と人差し指を動
 かすと尖がった剣状突起と言う部分があり、この先端から揃えた指2本分上の胸の中
 心部がマッサージする位置です。
 解り難い場合には乳首と乳首の中間点がマッサージのポイントになります。
 手のひらの下半分を当て、その上にもう一方の手を同じように重ね合わせ指を組み、
 組んだ指先を少し上げ気味にします。
 手のひら、ヒジ、肩が一直線に胸に向かって垂直に15回圧迫します。
 胸が沈む位で、こんなに大丈夫か?と思うくらい圧迫します。
 (回数、圧迫する力などは年齢などによってことなります。)
 この際に注意する点は、心臓マッサージを行なう場所で、ベットなど柔らかい場所で行
 なっては意味がありませんので、硬い所で行ないましょう。
 ここで再度循環サインの確認をします。呼吸も心臓も停止していれば心肺蘇生に移ります。
 4:心肺蘇生ここからがの行程が心肺蘇生法とよばれますが、気道確保・心臓マッサージの一連の
 行程を、呼吸・心動が再開するまで続けます。
 前記しました気道確保をし、鼻をつまみゆっくりと2回、息を吹き入れます。
 次に心臓マッサージを15回、これを1セットとし、4セット程行い循環サインの確認をする。
 循環サインの確認が出来なければ、再度数セット行ない循環サインの確認を救助がくる
 まで繰り返し行なう。
 仲間がいれば交代で行なってよいので、諦めずに続ける。
 <まとめ>百聞は一見にしかずで、消防署や赤十字で行なっている救急救命の講習会に参加する
 ことをお勧めします。(お近くの消防署にお問合せください)
 ご紹介しました例は一般成人用の対処方法で、小さなお子さんなどの場合には呼吸・
 心臓マッサージの仕方、回数等が異なります。
 人工呼吸・心臓マッサージの訓練には専用の訓練機器(マネキン?)を使用しますが、
 ここでの訓練は実際と同じ緊張感で、大きな声で点検しながら行なう事が、実際に現場
 に出くわした際に対処できる基本かと思います。(呼称については講習会によって異なる
 場合もあります)
 
 本番にはちゃんと出来ると言うのであれば、本職の消防やレスキューは過酷な訓練など
 行なわないはずですし、訓練する機会も普段ではそうありませんので、是非一度講習会
 を受講し、登山だけでなく、地震などの災害にも備えてください。
 総務省消防庁のサイト:生活密着情報には応急処置方法もありhttp://www.fdma.go.jp/
 消防防災博物館:本館⇒レクチャールームに心肺蘇生のページあり他にも多数見所ありのお勧めサイトです。
 http://www.bousaihaku.com/
 
  
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