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長崎、小値賀、野崎島
Nagasaki,
Ojika,Nozaki Island

 旧野首教会。爆弾低気圧到来という苦難を乗り越え、訪ねることが出来ました。

 日本の中で気になっている箇所が当然あちこちにあるのですが、五島列島はその中でも断トツでした。「異国のようなニッポン」と称したのは今は亡き雑誌の「旅」でしたが、長崎という外国に開かれていた地を近くに持ったことによる宿命、いや使命というものをこの島々には感じます。キリスト教と接したが故の性というものがここにはあるのです。弾圧を乗り越え信仰を守り通した力を感じる場所が。
 
 そんな長崎、五島列島のうち、一番行きにくいとされる野崎島に行ってみよう。そのベースは小値賀島。長崎に入り佐世保経由で小値賀島に入り、2泊すれば野崎島に行ける。鉄川与助の建築を訪ねる旅の第一弾にしよう。ついでに端島(軍艦島)も行けるし。こんなことで予定を作ってみました。ちょっと長めの4泊5日。もっと行っていたいけれど、まあ切りがない。五島列島は3回位に分けて行かないと行き着けないものです。

 殆ど毎日船に乗っての移動があるので、天気,というか海上の状態が心配でした。で、出だしはよかったのですが、結果小値賀島行きが欠航(というかスルー)という羽目になり、予定変更を余儀なくされました。そうした苦難が、野崎島には単純には行くことの出来ない遠さを実感させてくれたのでした。大嵐を超え、苦難を超えてなければ行き着くことが出来ない。これは神が与えた試練なのか。この試練を乗り越えてこその出会いがある・・・
 
 もうひとつ、今回感じ取ったのは朽ちて行く建築、保存される建築とでもいうものでした。端島と野崎島を今回訪ねたのですが、どちらも昭和の時代に無人島になってしまい、建物はどんどん朽ちていく運命をたどっています。集落全体の建物がが消滅していく。自然の強大な力を前にすれば、人の手を離れればやがて消滅していくという宿命を持っています。人がいなくなるとはこういうことなのか、それを実感した二つの島でした。
 
 その中にあって残る建築。それはやはり宗教建築なのです。物資が乏しい時代にあって集落の人々が資金を出し、また勤労奉仕をして作った教会は、当時から心の拠り所でありレンガ造りの頑強なものでした。そんな建物でさえ無人島になって荒れ始めた時に、時代は保存へと動き出します。そして世界遺産登録に向け活動をしている時となれば、当分の間教会は残る建築となるでしょう。キリスト教を信じるか否かとかいうことを抜きにして、人々を引きつける建築だからこそ見捨てられずに生き長らえる。そういう力が宗教建築にはあるのです。自然の力の強大さ、それに立ち向かう人々の宗教の力。そんなものを目の当たりにした長崎の旅でした。 

朝食
午前
昼食
午後
夕食
ホテル
初日
朝735発のJAL便で長崎へ。ホテルに寄ってから、中華街方面へ。
京華園でチャンポンを
出島を外から見てから軍艦島クルーズへ。今年一番のいい天気と案内の人は言う。 思案橋の割烹「こじま」でふぐ刺しやクジラなど ベストウェスタンプレミアホテル長崎
2日目
ホテルのモーニングビュッフェ 9時発の高速バスで佐世保へ。海上自衛隊史料館にいるうちに雨が降ってきた。 ビッグマンの佐世保バーガーを遅めに取る アイランドツーリズムから電話で、翌日の野崎島行きの船は欠航とのこと。おやおや。そうしているうちに次は小値賀島行きのフェリーも欠航との知らせ。小値賀島にも行けなくなってしまった。 居酒屋「頑固」でステーキ、ホルモン、ピザなど ホテルリソル佐世保に急遽宿泊
3日目
駅前のパン屋トランドールのパンを 朝は大嵐。予定変更の結果、平戸に行き市内や田平教会を訪ねる。
佐世保に戻ってから駅中のログキットでアボカドバーガーを
予定より一日遅れで小値賀島へ到着。佐世保1700発、小値賀1935着。ツーリズムの人が宿に案内してくれる。
居酒屋「潮」で寿司や焼き鳥を
古民家の宿「鮑集」
4日目
買っておいたコンビニの握り飯になってしまった。 725発の町営船で野崎島へ。日本観光振興協会の視察に同行させてもらい、帰りの船のチャーターもシェアで。 小値賀の食堂「ふるさと」でふるさとスペシャルを 小値賀の町中を駆け足で回ってから1400発のフェリーで佐世保へ。1730発の高速バスに乗り、何とか19時ちょっと過ぎに宿に着いた。
卓袱料理のコースを部屋で

にっしょうかん別邸紅葉亭

5日目
部屋で和定食 大浦天主堂、グラバー園という定番を回る。グラバー園は随分大きくなっていた。 グラバー園から下りてきた所の「一龍」でトルコライスなど 駅前で買い物をしてから、空港へ。1935発の最終便で羽田へ。2110
長崎駅で駅弁を買って機内で

端島に上陸し、再び長崎に向かう船上から。神社のシルエットが奇麗に見えています。

実に穏やかな海でした。