本1999/08
1999/08
☆★★★★「イニシャルD」1〜16巻しげの秀一/講談社
前からよく見かけてはいたのだけど、あまり読む気がせずに放っておいて、読んでみたらかなり面白かった。絵は、あまり上手くないけれども、ストーリーが、どんどん先が読みたくなるような構成になっていて、一度読む始めると続きを読まずにはいられなくなってしまう。
☆☆★★★「風の挽歌」(グインサーガ67巻)栗本薫/ハヤカワ文庫
この作品の深みは、全100巻という構成のボリュームと、その大きさを持て余すことのない作者の技量によっているのだと、よく思う。
メインのストーリーが面白くなければ作品が面白くないのは勿論なのだけれども、本当に作品の質を左右するのは、細かいディテールの部分だ。そういった部分が丁寧に作られている作品こそが本当に奥深く、名作といわれる作品になるのだろうと思う。
「グインサーガ」のストーリーの中心にいるのは、数名の主人公達だけれども、作品の中ではしばしばそれ以外の、平凡な生活を営む市民や、宮廷の侍女、一介の傭兵がクローズアップされたりする。そういった、大長編の作品でなければ表わしきれないような機微を含んでいるところが、この作品の面白さなのだろう。
☆☆☆★★「VisualBasic6による実践DBプログラミング」谷尻かおり/技術評論社
☆☆★★★「アカギ」6〜9巻福本伸行/竹書房
一見無茶苦茶に見えるアカギの麻雀の打ち方も、ちゃんと後で理論的な裏づけをして種あかしをするところが面白い。同じ作者の「カイジ」よりもこの作品のほうが好きだ。
☆☆☆☆★「COMによる分散アプリケーション開発技法」Ted Pattison/日経BP
ただでさえ、COMの解説書は内容が難しいのに、洋書の翻訳となると意味がわかりづらくて、なかなか先を読む気が起きない。COMはVBでも作ることが出来るとはいえ、まだまだC++をベースにした技術だという気がする。Cの概念がわかっていないとよくわからない部分が多い。
☆☆☆☆★「カイジ」10〜11巻福本伸行/講談社
☆☆☆★★「VisualBasic6.0でコンポーネントプログラミング」日経BP
☆☆☆★★「太郎」20〜22巻細野不二彦/小学館
ストーリー的には、以前の流れの蒸し返しで、あまり面白くない展開になってきている。ただのボクシングマンガではなかったところが面白かったのだけれども、このままのペースでいくと起伏のないままダラダラと続いていってしまいそうだ。
☆☆☆☆★「サラリーマン金太郎」20巻本宮ひろ志/集英社
今巻はイマイチ。次巻が面白いのかも知れない。
☆☆☆★★「超・整理法3」野口悠紀雄/中公新書
今回は、「いかにモノを捨てるか」ということを主眼に整理法を書いている。最初の「超・整理法」はとても画期的なことが書いてあったけど、3巻目になると前に書いてあったことの焼きなおしのような部分が多くなって、あまり新しいところはなかった。
☆☆★★★「ファンダメンタル」内田春菊/新潮文庫
☆☆☆★★「冬の旅」立原正秋/新潮文庫
この作品の主人公は、ものすごく強い。金もない、地位もない、義兄の罪をかぶって少年院に入れられた少年の話しだ。何を持っていなかったとしても、ただこの少年は確固とした自分というものを持っている。自分の身と、信念さえあれば、人は立派に生きていける、というようなことを感じさせる話しだ。
☆☆★★★「時の石」栗本薫/角川文庫
初版は、もう20年くらい前らしい。SFの話しで、構成や、ストーリーの完成度は高いと思う。なんか、TVの青春ドラマのような白々しさはあるけれども、たとえば「角川文庫の夏の100冊」には文句なく選ばれてしまいそうな作品だ。(実際選ばれてるんだろうけど)
☆☆★★★「のほほん雑記帳」大槻ケンヂ/角川文庫
自伝の小説だけれども、ここまで自分のことを書いてしまっていいものか、と思うくらいの潔さだと思う。これぐらいやらないと自伝小説というのは面白くないし、ここまで書く覚悟がない人間は、自伝小説など書いてはいけないのだと、思う。
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