本1999/07
1999/07
☆★★★★「神童」1〜5巻さそうあきら/集英社
☆☆★★★「アカギ」4〜5巻福本伸行/竹書房
麻雀マンガは、理屈を抜きにしてノリだけで話しを作ってしまうものも多いけれども、「アカギ」は、結構理屈をちゃんと下地に用意して話しを作っている。あまり共感出来ない哲学ではあるけれど、福本伸行という人は自分の哲学を持った上で作品を作っているという感じはする。そういう作品は、大体面白い。
☆☆☆☆☆「ハーフな分だけ」星里もちる/小学館
星里もちるの初期の作品で、もともと上下巻だったのが一巻にまとまって愛蔵版のような形で再版されていた。絵も、ストーリーもだいぶ粗い。最近の作品と比べると、あまり深みとかテーマとか、そういうのは無い。教科書的というか、TVドラマのような大衆向けの内容に落ちついてしまっているような気がするな。
☆☆☆☆☆「鉄コン筋クリート」1巻松本大洋/小学館
どの一コマを見ても、松本大洋が描いている、ということがわかるような独特の絵をこの人は描く。巧い絵、というわけではないから、この絵の好みは人によってまちまちだろう。自分は、あまり好きじゃない。世界観も自分にはあまり馴染まない。ただ、熱狂的なファンがいそうだという感じはする。マイナー指向である分、ハマる人にはものすごくハマるんだろう。
☆☆☆☆☆「大差の時代」落合信彦/マサダ
落合信彦は、どの本を見ても基本的には言ってることはほとんど同じだ。毎回出てくるアメリカ贔屓、日本批判は、読んでいて呆れてしまうくらいの極端さなんだけれども、それでも買ってしまうのは、やはりこの人の考えが好きだからなんだろうか。。。
☆☆★★★「一日に24時間もあるじゃないか」中谷彰宏/ダイヤモンド
最近中谷彰宏はサービス業の話しばかりを書いているので、それ以外のテーマで本を出したのは久しぶりなんじゃないかと思う。この人は、サービス業の話しの本はイマイチなんだけれども、もっと一般的なテーマや抽象的なテーマでは、最高にいい事を書く。昔は、そういう本ばかり出していて良かったのだけれども、最近はサービス関係の本が売れているからそっちにシフトしたようだ。残念なことだ。
☆☆☆☆☆「HEAT」1巻池上遼一/小学館
絵は巧いんだけど、あまり好きじゃない。この人の絵は、どの作品も同じに見えてしまう。ちょっと、感情移入しにくいような、そんな感じだ。
☆☆☆★★「バガボンド」3巻井上雄彦/講談社
「スラムダンク」の時とは全然絵のタッチが違う。作者自身、色々な手法を試しながら描くつもりでやっている実験的な作品なんだろう。このタッチは、作品にはとても合っていると思う。ただ、テンポが悪いような気はする。一回一回の密度は濃いのだけれども、なんとなく一つの場面でダラダラと先に延びていってしまうような感じがある。
☆☆☆☆☆「始動!ネットビジネス」日本経済新聞社
☆☆☆☆☆「勝者のデータベース経営戦略」コンサルティングファーム研究会/二期出版
XMLについての話題がメインだったけれども、XML自体まだまだ曖昧なものなので、本の内容自体あまり具体的なことは言っていなかった。
☆☆☆☆★「コンサルティング業界大研究」丸山則夫/NTT出版
プライスウォーターやトーマツなどのコンサルティングのやり方を書いていたけれども、当然のことながら、肝心な部分はあまりはっきりと書いていない。就職活動をやる学生向けの本なのだろうか、なんとなくコンサルティング業界のかっこいいところばかりをクローズアップして説明していた。
コンサルティングというのは、確かに自分の頭一つで商売をする仕事だから、知的な仕事ではあるんだろうな。社内で互いに切磋琢磨しているような雰囲気の描写には魅力を感じたけど、実際にどうなのかだけは、本当に働いてみないことにはわからないな・・。
☆☆☆★★「オムライス」3巻星里もちる/小学館
最近の星里もちるの作品には、それぞれテーマがあったのだけれども、この「オムライス」はあまりはっきりしたテーマがあるような感じはしない。ただ、作品自体が持っている乾燥したような独特な雰囲気はなんだかスゴいと思う。何がそう感じさせるのかわからないのだけれど、妙に、リアルだ。
☆☆☆☆★「MONSTER」12巻浦沢直樹/小学館
ようやく、核心に近づいたような気にさせて、実は全然先に進んでない、というそんなパターンの繰り返しばかりだ。いい加減引っ張りすぎなんじゃないかという気がするけれども、先に進めるつもりはあるんだろうか。先の展開はちゃんと用意してあるんだろうか・・?という不安も結構ある。
☆☆☆☆☆「Jポップ批評」宝島社文庫
無責任な批評家が集まって書いた、どうでもいい本だった。
☆☆☆★★「硬派銀次郎」2〜6巻本宮ひろ志/集英社文庫
いかにも、本宮ひろ志、というような作品だ。「硬派銀次郎」を連載していた時代の少年ジャンプと比べて、今の少年ジャンプを読んでいる小学生はどうも損しているような気がする。自分が読んでいた頃のジャンプと比較したら、今のジャンプは、スカスカの内容だ。そういう感想を持つのは、自分が大人になったから、という理由ではないような気がするのだけれども・・。
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