本1999/02
1999/02
☆★★★★「みんな元気に病んでいる」藤臣柊子/サンマーク出版
作者のまわりの、社会生活に適応しにくい人達の話しをマンガと文半分半分で描いている。テーマが重かったりしても、絵の明るさのせいか、読みやすい。読みやすいというのは内容が薄いということか、というとそういうわけでもない。
作者は人生相談風に的確なアドバイスをするわけでもなく、あまり役に立つことも言わない。飽くまでも「こういう人達がたくさんいますよ」という実例を挙げているにすぎない。それでも、例えば今現在つらい人や疑問を持っている人にとっては、「自分だけが特別ではない」ということを理解するだけでも随分と楽になるし、考えるきっかけにもなると思うのだ。
「こういうことをしなさい」と読者に指示するよりも、読者に「気づかせる」というスタイルは一段高度なものであると言える。この本の下地にあるのは「間違っている人間を矯正する」姿勢ではなく、「キミは自分について悩んでいるかも知れないけれど、それはみんな抱えているものだよ」というような暖かい視線なのだと思う。
☆☆★★★「魍魎の匣」京極夏彦/講談社
扱っている題材や、構成は面白かったのだけれども、ちょっと現実離れしすぎていて種明かしはあまり面白い出来ではなかった。
この手の本は、物語としての面白さとミステリーとしての面白さを両立させなければならないのが難しいところだ。突飛な工夫を盛り込めば盛り込むほど、リアリティーを同時に保つのは困難になる。
☆☆☆★★「ドンキホーテのロンドン」鴻上尚史/扶桑社
シリーズ4巻目のこの本は、その名の通りロンドンでの演劇生生活一色だ。文章もうまいし、内容的にも面白くないわけではないのだけれど、題材として同じようなことがずっと続いているので、飽きてくる。
☆☆☆☆☆「データベース技術」ITEC
春の「データベーススペシャリスト」試験のために読んだけれども、わけがわからない。コンピュータとひとくくりに言っても、その中でもプログラミングやらネットワーク構築やら3Dグラフィックやら色々あるわけで、それぞれに必要とされる素養や能力というのは明確に違うと、最近感じる。データベースというのも、その構造を理解できるできないというのははっきりと素質によるところが大きいと、思う。
未読了 「自分の考え整理法」鷲田小彌太/PHP
☆☆☆★★「英語で話す国際経済Q&A」日興リサーチセンター
☆☆☆☆★「原価計算のやり方」木村典昭/かんき出版
☆☆☆★★「TCP/IP」エド・ティッテル/翔泳社
普通、人はコンピュータを道具として使うだけで、メールやインターネットをやるのにその仕組みまで知る必要はないし、仕組みを知ろうとしたらそれは大変なことだ。中でも通信プロトコルなんてのは、ハードディスクやOSと違って「そこにある」ものではないのだから難解極まりない。何故電話で声が伝達されるのか、ぐらいならまだ一般に理解できる範囲だが、何故ホームページのURLを入力するとページの情報が表示されるのか、ということになるとこれはもう格段に話しがややこしくなる。
「TCP/IP」を本当に書こうとしたら何十冊もの分量が必要になるんだろうけど、概要を読むだけでも、通信プロトコルというのは本当に細かいところまで色々と考えられて設計されているんだということがわかる。その概要を知るにはとてもいい本だった。
☆☆☆☆☆「販売管理入門」
☆★★★★「太郎」1巻〜17巻細野不二彦/小学館
これは、良い。先の巻に進むほど良くなる。感動する。
☆☆☆★★「自分でできるLAN入門」作宮邦夫/DART
☆☆☆☆☆「死国」坂東眞砂子/角川文庫
さっぱり面白くない。ホラーとしてもちっとも怖くない。
☆☆☆★★「ゴーラの僭王」(グインサーガ64巻)栗本薫/ハヤカワ文庫
話しの展開としてはそれほどの山があるわけではなく、1巻分話しが前進したという感じの、起伏のない巻だった。この後の展開こそが楽しみなのだけれども、どうか作者が急逝とかして作品が中断してしまわないことを切実に願っている。
☆☆☆☆☆「シャアが来る」ティーツー出版