2000/07
★★★★「グリーンヒル」3巻古谷実/講談社
「・・・き・・・君はもう・・・・・・」(3巻p.56)
突然終わってしまって悲しい。3巻になって、ものすごく良くなった。「稲中」よりも更に先に進んですごいところまで行ってしまっている。不条理ではあるんだけれども、「稲中」にはなかったリアリティーが妙にある。自分の中に沁み込んでくるスケールの大きさを感じる。
★★★★「AKIRA」1〜6巻大友克洋/講談社
「ふっ・・・いつでも・・・いつでもお前がボスだったなァ」(1巻p.317)
今更ながらに「AKIRA」を読んだ。10年以上前に映画で見たことがあるだけで、原作を読んだことはなかった。これを読んだら、「ドラゴンヘッド」が霞んでしまう。こんな作品を10年以上前に描いていたことのすごさにまず圧倒された。この作品が、その後現れる色々なアーティストに様々な影響を与えたんだろうということが、今の時点から見てみるとがよくわかる。日本という国が世界に誇れる、数少ない芸術作品の一つなのではないかと思う。
★★★★「経済ってそういうことだったのか会議」佐藤雅彦/日本経済新聞社
「しかし、同時に難しいのは、『どう生きるべきか』なんてことを言っているのは人類の中でも限られたごく一部の人間だということです。コソボの人々の例を挙げるまでもないですよね。」(p.306)
面白い。大学の時、経済学入門のような本を読んだ時、経済っていうのは面白いものだと感じたけれども、それを巧いこと説明している本にめぐりあうことはなかなかなかった。佐藤雅彦という人は、ほんとうに柔軟に、面白く物事を考える。その視点を与えられて経済についての話しを聞くと、ものすごく新鮮に頭の中にイメージが入ってくる。こういう本が教科書になればいい。
★★★「人間交差点」25〜27巻弘兼憲史/小学館
「そう思っているだけだ。おまえは大切な人生を棒に振っている。もっと有効なことに金を使って人生を生きろ。仕事なんておまえが思っているほど大したもんじゃない。」(26巻p.75)
どの作品も、一定のクオリティーを保っているのはすごいと思う。テーマが重く、暗いものが多いので、一気に読むとかなり疲れてしまう。ちょっと押し付けがましいのが、読んでいてイヤになってしまうところだ。
★★★「YAKSA」1〜3巻吉田秋生/小学館
「けれど自分自身を遺伝子レベルで語らねばならない時、『国籍』というものにいったいどれほどの意味があるのか」(2巻p.99)
「BANANA FISH」と同じく、かなりカンペキな主人公が登場する。遺伝子工学というトレンディーなテーマで、ストーリー的にどこまで面白くなるのかが楽しみな感じで、きちんとこの先話しが進んでうまいことまとまってくれればとてもいい作品になるのではないかという気がする。
★★★「NG」1巻山田玲司/小学館
「失望の中で育ち、大きすぎる夢を見てたたきのめされて、ふてくされ、フラフラになって立ち上がる。なんて現代的なジョン、なんて人間的なジョン。」(1巻あとがき)
「アガペイズ」はちょっとイマイチだったけれども、今回のはまた面白い。しかし、1巻の中で一番良かったのは、あとがきでした。そういうところも山田玲司的。
★★★「あたしンち」6巻けらえいこ/メディアファクトリー
相変わらず、いい。よくこういう日常の小話をたくさん思いつけるものだと思う。「コボちゃん」の植田まさしなんかはもう、本当にすごい。読売新聞は、マンガの点では質が高いのではないかと思う。
★★★「銀と金」8〜11巻福本伸行/双葉社
「今、この社会で勝ち続けている連中は例外なくこの勝つシステムを確立している。つまり、あるシステムに乗っかって、金を殖やし続けているんだ」(10巻)
「一般人から少しずつ吸い上げる。結局これが一番うまい仕掛けなんだ。世間をよく見渡せばこの世はそんな仕掛けだらけさ。なぁ・・・」(10巻)
これもいきなりプツンと話しが終わってしまった。第二部が始まって、なかなか面白い展開になってきたと思ったから、このまま続けていってくれれば良かったのにと思う。
★★★「GTO」16巻藤沢とおる/講談社
★★★「GIRLY★BOOGIE」YUKI/ソニーマガジンズ
JUDY AND MARYのYUKIのかわら版。こういうものを定期的に作れるというだけでも、すごいエネルギーの持ち主なんだということがわかる。こういうのはものすごく、人柄が出るものだ。
★★★「eに賭ける」中谷彰宏/ダイヤモンド社
ちょっとはやりモノ系にのっかった感じでテーマ的にはあまり好きではないし、取り上げられている人達も「またか」という感じであまり好きではないけれど、内容は面白い。それぞれになるほど!と思うようなことも多い。ただ、あまり中谷彰宏には書いてほしいテーマではなかった。誰が書いても同じような内容になってしまう気がするし。
★★★「プチ哲学」佐藤雅彦/マガジンハウス
「迷えないということは明確なイメージがあるということですよ。それがない限り、僕は現場に行けないんですね。」(p.88)
ちょっとした「ものの考え方」を絵付で1ページずつ。こういう形式こそ、佐藤雅彦という人の才能を最も発揮できる形式なんだろうと思う.佐藤雅彦という人は、過去の実績もすごいけれども、更にすごいのは、まだまだ現役でこういうクリエイティブな仕事をし続けているということだ。
★★★「バガボンド」7巻井上雄彦/講談社
作品の質はずっと高いままだけど、やっぱり5巻をピークとして芸術的面白さは下降してしまっているような気がする。「スラムダンク」と同じように、この作品も時間の流れがとても遅い。単行本で読んでいても、すぐに先が読みたくなってどうも後味が悪い。
★★★「TurboLinux6.0で作るネットワークサーバ」秀和システム出版編集部
★★「MONSTER」14巻浦沢直樹/小学館
★★「龍」1〜3巻村上もとか/小学館
「オレはいつかそうなりたくて修行しとるのや」(3巻p.210)
★★「アプリケーションエンジニア予想問題集」ITEC
★★「インターネット教科書」上下巻石田晴久/I&E
★★「JavaScriptハンドブック基礎編」宮坂雅輝/SOFTBANK
★★「JavaScriptハンドブック応用編」宮坂雅輝/SOFTBANK
★★「<私>の存在の比類なさ」永井均/剄草書房
★「部長島耕作」6巻弘兼憲史/講談社
★「朗読者」ベルンハルト=シュリンク/新潮社
★「逆境ナイン」2〜4巻島本和彦/徳間書店
「大海を知らなかった蛙の中にも、十分大海に通用したやつがいたはずだ」(4巻p.104)
★「愛と誠」1〜2巻梶原一騎/講談社
★「お客様に学ぶサービス勉強法」中谷彰宏/ダイヤモンド社
「中村橋動物病院の犬」1巻高倉あつこ/双葉社
「食うくわない・・・飼う飼わない・・・なんでも人間が決めちゃうんだよなぁ」(1巻p.172)
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