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 「お前、ボウリングはできるの?」 「はははは。できるも何も」
 「そう緊張することはない。べつだん難しいことではないよ。球をころがすだけだから。まあやってみ」
 諭すようにそう言われて、僕は適当に選んで持ってきた重い球を、腕のばねを利かせてレーンにころがしてみました。球は勢いよく転がっていったと思いきや、中央から大きくそれて、側溝に落ち込みました。
 「ああ無念。ガーターだ」
 どうも幸先が悪い。僕は結局、2回続けてガーターを出してしまいました。友人たちは「こいつを誘うんじゃなかった」という顔をしています。
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