ピアノレッスンの日々

 

00/07/31
練習メニューは同じですが、インヴェンション2番が難しすぎー。演奏技術上の問題ではなくて、曲の構成がいまいち掴めないからなんです。右手と左手がカノンで進行していくのだけれども、右左の先行関係が逆になったり次々と転調したり、けっこう凝った展開をしていくのでそのあたりを見極めていかないと音楽的な演奏にならないのでした。
00/07/30
昨日と同じメニューで練習。納得行かないツェルニーとバッハを一生懸命やってしまったので、夜になって肩が張ったり指の付け根の筋肉も痛かったりする。スケールを弾くときの親指潜行を意識的に速めたり、左手の小指・薬指を強めに打鍵したりと、ちょっと負荷をかけた練習に無理があったかも。
00/07/29
きょうのれんしゅうめにう
 ・ツェルニー40番練習曲集 No.1〜5
 ・バッハ インヴェンション1番、2番
 ・シューマン ユーゲントアルバム サンタクロースの曲
っつーか、この一週間ずっと同じメニューなんだけどとりあえず。ツェルニーに関してはNo.1〜3はかなり弾けるしNo.4もまずまず。No.5はけっこう長い曲なのでまだ音が取れてない。ってゆか、最近のワシのパターンだと、曲の流れを掴めるようになった時点でほとんど暗譜できている感じなので、逆に言うと暗譜できないうちは流れも掴めてないわけ。でも先月あたりからかなりのスピードで暗記できるようになったっす。ピアノ練習の再開当初は以前のように曲を覚えられなくて、やっぱり年をとると記憶力って低下するのかなーとか思ったんだけど。
というわけで、夜は東京交響楽団の演奏会@東京芸術劇場大ホール。
 ・ウェーバー 歌劇「オベロン」序曲
 ・ショパン ピアノ協奏曲第1番 (ピアノ:カルロ・グアイトーリ ←あんた誰ってゆうか、全然知らない人)
 ・チャイコフスキー 交響曲第5番
オベロン序曲以外は良く聴く曲なんだけど、生演奏で聴くのはこれが初めて。結論から言うと、ショパンは管弦楽パートの作曲が弱すぎて曲の構成も古くさい、ということを改めて思い知ったのでありました。チャイ子5番の極めて精緻な構成と充実した管弦楽を聴いてしまうと、『こっちは超一流だけど、あっちは所詮ピアノの詩人。オケは二流以下だわねえ・・・』という感想を抱かざるを得ません。まあショパン20歳の時の作曲だし仕方ないかなあ。
カルロ・グアイトーリ氏は全然知らない人だったけど、この人はすごくショパンに向いていて、繊細な音色の使い方やフレーズの歌い回しが素晴らしかったっす。予想以上に良かった。ただホールは非常にライヴで、残響も長くて気持ちいいんだけど初期反射音が多く、ピアノの速いパッセージとか聞き取りにくかったっす。知ってる曲だから良かったが、そうでないと大変かも。あとペダルを浅く踏むとか、ノン・レガート奏法を多用するとか、演奏側の工夫も必要かもしれません。それと、オケ(特に金管)がもう少し締まっていればもっと良かったんだけどねー。指揮の大友直人にしろ、東京フィルにしろ、チャイコであれだけの演奏ができるのだから、もうちょっとなんとかして欲しいっす。
そのチャイコ5番は素晴らしかった。これは作曲が凄い。4つの楽章が有機的につながっているのだけれど、単に同じフレーズが出てくるだけじゃなくて、それぞれいいところで第一楽章のフレーズが回想されて盛り上がるのよね。このあたりは後のラフマニノフとか相当に影響されてるんだけど、それにしても、管弦楽の使い方も上手いし、しっかりロシア情緒は出すし、さすがだわ>チャイコ。演奏は極上。難しいホルンのソロとかクラリネットのソロが多発するのだが全然問題ないし、弦のピチカートも全パートがビシッと揃うのよ。ピチカートは絶対に揃わない(笑)、というオケの法則を無視した一糸乱れぬ演奏は素晴らしい緊張感を持ったものになったと思いました。脱帽です。てゆうか、もうちょっとショパンをなんとかしてくれ。
なお東京芸術劇場大ホールも初体験でした。すごく居心地の良い建物で、ドリンクスタンドでアイスティーなどを飲んだのだが、きちんと抽出されたアールグレイでとてもおいしかった。座席もGood。また行きたいホールっす。
00/07/25
会社から帰って1時間ほど集中的に練習。
 ・ツェルニー40番練習曲集 No.1〜3
 ・バッハ インヴェンション1番
 ・シューマン ユーゲントアルバム No.12 "Knecht Rupreecht"
ツェルニーはNo.3のアルペジオがいまいち。苦手なのよね>アルペジオ。右手はまずまずだが、左の手首がうまく回らないのでフレーズが転がっていかない感じ。2〜3日前に比べるとかなり上達したので、もう少し練習すればマスターできそう。
バッハについては【強弱などのアーティキュレーションはできるだけつけずに端正に弾く】等と言われてきているけど、実際そういう演奏のCDを聴くとすごく機械的で、ツェルニー以上につまらない曲になってしまうように思います。今日はかなりよく弾けるようになったので、思い切って抑揚を大きくつけながら弾いてみたのですが、対位法のフレーズがとても有機的に響いてくれて、『インヴェンションってすごく音楽的なんだわー』と思えたのでした。
シューマンは小指と薬指でのトリルを連発するように運指を変えて練習してるんだけど、2回も弾くと指がヒジョーに疲れます(笑)。わざわざ弾きにくい運指にしてるのは小指&薬指強化月間の仕上げに掛かっているからなのでした。
00/07/23
外が暑いのでお家にこもってかなり一生懸命に練習。
<めにう>
 ・ツェルニー40番練習曲集 No.1〜5 ←いきなりこんなに無理しなくても・・・
 ・バッハ インヴェンション1番、2番
 ・シューマン ユーゲントアルバム サンタクロースの曲(笑)
ツェルニー40番は若い時期の作曲なので、30番ほど周到でないことがわかります。調性も単調というか、No.10あたりまで延々ハ長調だったりするし。技巧的には一段上になっているんだけど、音楽性は養えそうにないっすねー。
それと比較するとインヴェンションは凄くて、2声と3声のインヴェンション15曲ずつがC-D-Es-E-F-G-A-Bでそれぞれ長調・短調で全く同じ調性の並びになっていて、実はバッハさんてすごい完璧主義者だってことがよーくわかります。平均率クラヴィーア曲集もそうですが。しかし譜読みはつらいっす(苦笑)。とりあえず1番はほぼ弾けるようになってきましたが、2番はまだ全然だめ。短調な2番の方が好きなんだけど、たった2声でどうしてこんなに?というほど複雑怪奇に見えるのよねー。弾き慣れれば大丈夫とは思うが。
00/07/19
1カ月ぶりのピアノ教室。忙しい日々の中でも練習を欠かさなかったので先生もびっくり(ついでに自分もびっくり)するほどよく弾けて、ツエルニー30番練習曲集はめでたく終了です。ううう、俺はやったぜ(泣)。最後のNo.30は余裕の暗譜で弾ききったっす。20年前、この練習曲集が苦痛のあまり挫折した時の借りを返した気分です。ベートーベンのソナタOp.49-1も『単に弾けるだけでなく、曲想表現を含めてすでにブンさんのものになってる』ということで今回でおしまい。というわけでソナチネアルバムも今回で終了です。ううう、俺はやったぜ(泣)
さて次から何をやりましょう、という話になって、先生がニヤリと笑いつつ『ブンさん、やっぱりショパンエチュードでしょう。好きなんでしょ?やりたいんでしょ?いま何か弾けるのあったら弾いてみてくれませんか?』と言うので、ひそかに練習していた革命のエチュードと幻想即興曲を1〜2ページ分くらいずつ披露。先生いわく『幻想即興曲ってパラパラパラ・・・って弾くのが大変なんだけどもう弾けちゃってるし、ブンさんに合ってる曲だから絶対やった方がいい。革命もこれだけ弾けるんだから、全部通して弾けるようにならないともったいない』ということ。しかしいずれも今の自分の限界を超える部分があって、無理して練習すると手が痛くなったり変な癖が付きそうなので、もう一段階レベルアップしてから本格的に取り組みたい旨を伝えました。結局、以下のメニューに決定。
 ・ツエルニー:40番練習曲集
 ・バッハ:インヴェンションとシンフォニア
 ・シューマン:ユーゲントアルバム
ツエルニーは単調な練習曲のために嫌がる人が多いので先生も【大人には無理して勧めない、しかし今後も本格的に続けるなら40番・50番練習曲集は絶対にやった方がいい】というスタンスのようです。ワシは30番練習曲集で恐るべき効果を実感してきたので、嫌がるどころか進んで弾きたい気分。楽譜づらを見ただけで難しいので、途中で挫折しないか心配なんだけど(苦笑)。インヴェンションも、単に指の練習だけでなく曲の構造を解析する勉強になるし、対位法入門としても最適という話があり、ショパンを弾く前にぜひやっておきたかったんです。あとはショパンと同時期の作曲家シューマンの小曲集でロマン派のお勉強、ということでバランスの良い構成になったと思います。
レッスン後は1時間くらい先生とおしゃべり。15日の日記に書いたアルゲリッチのチャイコ1番は先生も聴いていて、あまりのすごさに面食らったそう。「豪華な曲、派手な曲が好き。お約束の展開&盛り上げが入ってくるような演奏は安いと思うんだけど、やっぱり好き。そういった点で、中村紘子は好き」(この言われよう>紘子)という先生の好みは見事にワシと一致してるのでした。
00/07/17
会社のすぐ近くにあるディスクユニオンのアウトレットでヴァン・クライバーン(第一回チャイコフスキー・コンクールのピアノ部門で1位となった伝説の人。ってゆうか、まだ生きてるけど)のチャイ子1番&ラフマニノフ2番協奏曲のCDをゲット。素晴らしいっす。ついでにコンドラシン指揮のオケの演奏もメチャ上手い。モスクワ響の大味な演奏があまり好きになれないワシにぴったりな丁寧な演奏。クライヴァーンは優勝時が絶頂であとは落ちる一方だったといういわくつきのピアニストで、チャイ子優勝直後のこのCDが悪いはずもないのよね。
ラフマニノフ2番もすごくいいのよねー。ライナー指揮・シカゴ響なのだがすごく甘くて切ない音色で、時代錯誤かもしれんが、この弦の響きはワシの理想なのね。余談ですが、ラフマニノフは巨大な手を持っていたのでこの曲も作曲者本人以外は弾けない部分があって(第一楽章冒頭の和音がまさにそれ)、多くのピアニストが音を抜いたり、アルペジオ風にくずして演奏してるんだけど、クライヴァーンはほとんど完璧に弾ききってます。
00/07/15
会社帰りに秋葉に寄って買い物。アルゲリッチのチャイ子1番協奏曲ライヴ盤。1980年ショパン・コンクールのオープニングコンサートでの演奏なんだけど、めちゃくちゃ凄いのよ。火を噴くような演奏ってのはこういうこと。ってゆうか大爆発してます。ミスタッチもおかまいなしの爆走状態。両手オクターブのパッセージが速いのなんの(笑)。CDに付いていた解説も『比類のない凄絶な演奏』なんて書いてあるけど、これが決してオーバーな表現じゃないんだよね。一番びっくりしたのは指揮者とオーケストラの人だろうけど。てゆうか、よく頑張ってアルゲリッチについていったと思う(苦笑)。カップリングのシューマンのコンチェルトも素晴らしく、というか音楽的にはチャイコより濃密で、これは皆さんにもぜひ買っていただきたい一枚。アルゲリッチの天才ぶりをイヤと言うほど思い知らされます。
00/07/09
ツェルニー30番はNo.27-30を練習。No.29以外はほぼ完璧で、しかもけっこうな速度で弾けるので、もういいかなって感じ。あとベートーベンのソナタ(まだやってるのよ)も仕上げ段階。ツェルニーに関してはしっかりとメトロノームに合わせて弾く練習もしてます。ワシってテンポ感の演出とか、キープとかがすごく苦手というか、今まで全然練習してこなかったので。
00/07/08
残業&休日出勤の連続で厳しい日々ですー。ピアノのレッスンにも行けないし。それでも、毎日最低30分くらいは練習してるのでした。睡眠時間を削ってまで練習するのはやはり、指を動かさない日が続くと元の状態に戻すのがすごく大変ということを知ってるからなんですね。そういうわけで、時間そのものは短いんですけどいろいろ練習していて、ツエルニー30番練習曲集はついに最終曲のNo.30に到達。しかも、もうほとんど暗譜できてしまっている状態になっており、いよいよ卒業という感じであります。
00/07/01
ここのところ休日出勤には必ずショパンのコンチェルトとバラード集のCDを持っていって、BGMに聴いているんですけど、今日はようやくバラード4番が理解できてきたかも。いろんな人のCDを聴いたけど、バラード4番に関してはキーシンがベストで、ほとんど変奏曲のように展開される多層的メロディを明快に弾き分けてくれるので、とってもわかりやすいのです。左手3重分散和音+右手メロディ&中声部2声半音進行という演奏困難かつ、聴き手も混乱してしまうこの曲の展開部については、かのポリーニですら『混沌』という感じに表現していたんだけど、キーシンの演奏は明快なだけでなく溢れんばかりの詩情が表現されているんです。そういった詩情というのは、コーダでも十分に感じ取ることができて、究極のロマンティシズムと狂気は紙一重なんだよね・・・と、深く感嘆するのでありました。←ご存じの方もいらっしゃるでしょうが、バラード4番の狂気のようなコーダは、まさにショパンの作曲技法の頂点なので。美しいだけでなく、魔的な要素がちりばめられたこの曲を理解するのはかなり大変っすよ。
 
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