ビッケ と ショーティ2世 は長く居着いた猫の交差点を離れて、奥のほうに移動していったので、 猫の交差点の縄張りは空いた状態になっていた。 そこに新顔の流れ猫がやってきた。 金網の向こうに座り込み、日がなじっとしている。 道行く人を目で追うが、人なつこさはなく、元気もない。 ニャーと呼んでみると、座ったままでミーと小さな声で応える。 名前はまだない。